絶対音感 (新潮文庫)

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著者 : 最相葉月
  • 新潮社 (2006年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101482231

絶対音感 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 何故か小説と勘違いしてたが、絶対音感をテーマにした音楽家たちのエピソード交えた専門書のような印象。
    必ずしも絶対音感を持つ人が優れた音楽家、と言うわけではないということだ。
    そうだろうな。私も趣味でバイオリンを弾くが、譜面は早く読めるようになりたいが、絶対音感は特に羨ましいと思わない。まぁホントに趣味だからね。
    五嶋龍くんって家族中で有名音楽家だったのね。いつか演奏を聴きに行きたいな。

  • 医事新報の中野先生のコラムで「至高のエッセイスト」として紹介された最相葉月の著書。具体的な著書名には触れられていなかったがこの作品が代表作っぽい

  • 絶対音感に関する、渾身のノンフィクション。歴史的な経緯に触れつつ、その日本での熱狂ぶり、問題点、絶対性のゆらぎ。五嶋家の話だけはなじまない感じがするが、組み込まれたスピンオフとしてはあり、だろう。

    ・丸山圭三郎:ロゴスとしての言葉は、すでに分節され秩序化されている事物にラベルを貼りつけるだけのものではなく、その正反対に名づけることによって異なるものを一つのカテゴリーにとりあつめ、世界を有意味化する根源的な存在喚起力としてとらえられていた
    ・五嶋節:私、子どもに対して理解はないけど、反省はある。

  • 絶対音感の科学的考察かと思いきや、ドキュメンタリーな部分もあったり。
    以下、ネタバレ含む。

    絶対音感とは何か。
    絶対音感は生まれつき持ち得る能力なのか、きたえれば誰にでも身につく技術なのか。
    絶対音感を持つことの良さと悪さ。
    絶対音感を持てば、何に秀でることが出来るのか。

    こう言った点はクリアーになるかと。
    戦時中は絶対音感の持ち主が、戦闘機や潜水艦の音や場所の聴き分け、特定が出来るとして研究が進められていたという件には驚き。

    最終的には、絶対音感を持っていてもそれが音楽的成功に繋がる訳ではない、という、まあそうだろうなーという結論に向かっていく。
    コンピューターでは、今のところ、楽器の聴き分けは出来ないということだけど、聴き分けというのはきっと近いうちに出来るように思う。

    けれど、色の例えではないけれど、どのような音を出せば人を感動させられるか、という感情表現?については、きっとコンピューターがそこに至るにはまだまだ時間がかかるのではないか。

    私たちは良くも悪くも?生きているものなんだな、と思わされる結末だった。

    話は逸れるが、私自身は個人のピアノ教室に通っていて音階の訓練はしなかったけど。
    友人の練習に付き添って、ヤマハのピアノ教室に行ったとき、不思議なカードで音当てをしていたのを、確かに色で記憶している。
    もう随分前に一度か二度見たくらいのことなのにな、と自分でも少し驚いたのだった。

  • 音楽教育に絶対音感は必要か,様々なトレーニングの効果の程はどうか.絶対音感に基いたピアノ教室の生徒の親は絶対音感をつけさせるとさっさとやめてしまう状況が続いた.軍事目的でのトレーニングであっただとか,感性工学の分野から絶対音感を容易にに持たせることが出来るコンピュータが作る曲は必ずしも印象的なものとならない,将来はどうなるのか,などの調査も面白い.

  • ベストセラーが文庫になった。絶対音感ということばは本書が売れ出したときに初めて知った。それまではそんなこと考えたこともなかった。そして特に興味があるわけでもなかった。でも、たくさんの音楽家に取材して書かれているようなので、少し気になってはいた。それで文庫が出てすぐに読んでみた。なぜこれがベストセラーになったのかが分からない。おもしろくないというのではない。内容が少し高度に感じられるからだ。特に脳についての記述は、まったく初めての人には少ししんどいのではないかと思う。それがどうして売れたのか。絶対音感を我が子にも持たせたいと思っている親が多く存在するのだろうか。そういった音楽教室が成り立っているということは、そんなニーズもあるのかも知れない。私の本書を通しての1つの驚きは、基準になる440ヘルツのラの音が、時と場所によって異なるということだ。それこそどこでも絶対的なものだと思いこんでいた。そのずれがあるため、絶対音感を持った演奏家はときに苦労するのだそうだ。しかしまあよく考えてみると、そんな微妙な調整は温度や湿度によってもくるってくるだろうし、200年前に正確に計れたとも思えないし、もっともっといい加減なものなのかも知れない。専門外のものほど、何でも絶対視する傾向があるような気がする。文系の人間ほど、細かい数字を気にしすぎるなど。本書の中で一番おもしろかったのは、最終章の五嶋みどりさんの家族についての記述だ。みんな一般読者は脳の話なんかはすっと読み飛ばして、こんな音楽家のいろいろなエピソードを読んで楽しんだのかも知れない。しかしよくもまあ、これだけたくさんの人に、しかもかなりの著名な芸術家や研究者にインタビューができたものだ。その点が最も感心できる。

  •  
    ── 最相 葉月《絶対音感 199803‥小学館 20060425 新潮文庫》p430
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101482233
    /カバー装丁;吉田 徳弘&浩美、デザイン;新潮社装幀室
     
     過去に書かれた“絶対音感”に関する最も信頼すべき研究レポート。
     ただし著者自身に“楽譜・楽器・楽理”の素養がないので、合理的な
    結論に至らない(騎乗経験なしに競馬を論じるような勇気が感じられる)。
     
    ♀最相 葉月 19631126 東京 神戸 /第4回小学館ノンフィクション大賞
    /関西学院大学法学部法律学科(国際法専攻)卒。広告会社、出版社、
    PR誌編集事務所勤務を経てフリーの編集者兼ライターとなる。
     
    (20150624)(編集中)
     

  • 再読。ヘルツの微妙な違いで音の聞こえ方が違う云々を言葉で説明するのは難しいな、と思った。良く調べてあるが、専門的すぎて途中で飽きた。

  • 中学生のときに読んでからの再読。
    当時は難しくてわからなかったことがわかるようになった。理解できることが増えた。

    私は絶対音感を持っています。
    ですが、相対音感もありますし移動ドで気持ち悪さを感じたことはありません。

    色々な音楽家が絶対音感についてどう考えているか理解できて面白かった。

  • 実によく歩き回った作品である。
    なにげなく使っている言葉が、実はかなり深い歴史を持っていた。
    「絶対音感」;その響きは、何かを想像させる。

    五島みどりのおっかけストーリーを織り交ぜながら、
    日本の「絶対音感」をもつ人の多いことについての考察
    ヤマハそしてそのさきがけたる人物像。
    「絶対音感」が、なくても、ある程度の演奏家になれる。
    しかし、日本で絶対音感をもつことによって、
    国によって、絶対音感が違ってくる。
    ラ音 440ヘルツ
    音というのは、ヘルツなんだよね。
    ○ピアノの平均率で出来ている純正律の音程
    ○440ヘルツ、442ヘルツ

    音とは人と人の間の空間をどれだけ揺り動かすことが出来るか
    無意識、あたらしいもの、自分の考えていること

    「音響という物理現象が情動という心理現象へ移る接点」

    「プロになるということは、
    川の向こう岸に立つということです。
    好きでないと出来ないけれど、
    好きだけでは絶対出来ない。
    誰にも頼ることは出来ない。
    ソロの演奏家なら、一人で多くの人の前に
    裸で立つ勇気を持っていない限りやっていけない。 
    音を紡ぎ、自分を表現できる音楽家って
    幸せですかねといわれますが、
    紡ぐ音なんて見えない、どこにもない。

    その音を探すこと頃から始めるわけだから
    途方に暮れるのです。
    少しも幸せではないです。
    だけど、最終的にはなにかの幸せが祈られていて、
    そのために生きていくのでしょうね。」

    涙は心臓より出ずるものにして脳よりにあらず。
    科学論 レオナルド・ダ・ヴィンチ  

  • 若き日のパステルナークと、彼の音楽の師であったスクリャービンとの対話を記すことから本書は始まる。パステルナークに音楽の道を断念させたものは「絶対音感」だった。その神秘的な能力を与えられなかった者は、そのことに苦しみ、与えられた者は人びとの好奇の視線を向けられて苦しむ。こうした事実が、絶対音感について語る者の口を重くしてきた。著者は本書を執筆するに当たって100人の音楽家たちに質問状を送ったが、回収率は5割、中には白紙無記名で送り返してきたものや、あなたは何も分かっていないという手紙が添えられたものもあったという。絶対音感を取り巻くこうした厚い雲を晴らすことが、本書の目標の一つだと言ってよいだろう。

    絶対音感を追求してゆく中で著者は、戦前からの日本の音楽教育にひそむ問題にぶつかり、音楽と人間の関係をめぐる大きな謎を前にしてたじろぐ脳科学者たちの姿を知ることになる。最終章は、五嶋みどりと彼女を取り巻く家族との関わりを描き、あらためて人間にとって音楽とは何かと読者に問いかける内容になっている。

    「文庫版あとがき」で著者は、「本書は絶対音感を礼賛したり否定したりする本ではありません」と書いているが、こうした断り書きがなくても絶対音感について人びとが語りあい、音楽と向き合うことのできる状況を、著者は願っていたのかもしれない。

  • 10年以上前に話題になった、氏のデビューレポを今ようやく読んだ。五島家をメインとした幼児教育論に話が始まり、各界音楽家へのインタビューねたをもとに、絶対音感について徹底調査した内容。結論としては予想通り(今の流れを知っているからかもしれないが)であるが、裏取りもしっかりとしてあり、読み応えあるものだった。自分には相対音感はあるということも、本書を読んで理解できた。

  • 【読了】再相葉月「絶対音感」 8月24冊目

    「絶対音感」に関して書かれたノンフィクションもの。筆者の方が音楽家ではないだけあって、音楽的知識がほぼなくても読める作品になっていると思う。もちろん多少の音楽的知識はあった方がよさそうな気もするけれど。

    読んでいて自分でも意外だったのが、絶対音感なる技能は、人にもよるけれども、周波数判定能力ではなくて、単純に言語変換&認識能力である・・・ということ。

    例えば、日本人が日本人に向かって「あいうえお」といえば、それを「あいうえお」と言葉として聴こえるように、ピアノで「ドレミファ」と演奏すると、それが言葉として「ドレミファ」と聴こえてしまうらしい。歌ものなどは歌詞にメロディのドレミが上書きされてしまうんだとか。

    その他、絶対音感と相対音感などや、平均律の問題点など、基準音Aの周波数の歴史など、なかなかに興味深い話が続くし、コンピュータと音楽的な話も出てくるので、意外とミクさんとかで音楽を創ってる、創りたいという人なんかが読んでみると、ちょっとしたヒントが得られるんじゃないかなと思ったり、思わなかったり。

    前から音楽を言葉で語るということが、個人的になかなか面白い現象だなと思っているところがあって。でも音楽雑誌でも音楽を直接的に言葉に変換したりはしないで、その周辺をなぞるように描写しているにすぎないのだけれども、この本では本当に直接的に言葉として聴こえている人が存在すると書いてあって、世界認識の仕方というのは本当に人それぞれなのだなと思ったのでありました。

  • あそうか、絶対音感て言っても、西洋音階が元になってるんだからその教育とセットだよな~と今更ながら気づいた。すごく面白いルポです。

  • 絶対音感について、ものすごく詳しい取材と分析が書かれているけど、読み終わってもやっぱりわからない。よく、すべての音が音階に当てはめて聞こえるっていうけど、でも本当に音感のいい人は440Hzと442Hzの違いがわかるのだろうから、厳密にいえば、周波数が大きくずれている音は、音階にはハマらない音に聞こえるのが正解じゃないのだろうか。

  • 意外と面白かった!

    余談ですが著者は関西学院大学出身、
    「東京大学応援部物語」も書いている彼女の
    母校の応援団の思い出はというと

    試験前に当時の団長にノートを貸せと言われ
    顔は知ってるもののろくに話したこともないので
    断ると、俺を誰だと思ってる的な発言をされた

    らしい…(もちろん最相さんは吹奏楽部でもない)

  • 11/21
    読みたい
    銀座ヤマハで衝動買い。立ち読みしたらどのページを読んでも続きが気になったので思わず買ってしまった。因みにその時一緒に買った楽譜は、メンデルスゾーンの第3交響曲と、ピーターと狼のスコア。

  • 絶対音感を身につけると、音楽を左脳(言語脳)で聴く傾向が出来る (P.81)
    日本は絶対音感教育天国
    Missing Fundamental (P.108)
    1000Hz, 1200Hz, 1400Hz, 1600Hz の音 → 200Hz のピッチに感じる
    900Hz, 1100Hz, 1300Hz, 1500Hz の音 → 200Hz のピッチに感じない

    言語の習得と絶対音感とは似ていて、ある年齢までに覚えないと「母国語」として身に付かない。それ以降だと習得しても繰り返さなければ失ってしまう (P.98)
    絶対音感は、物を比較する能力を子供が獲得してしまうと身に付きにくくなる (P.134)
    日本の義務教育では、ドレミを階名とする 移調ド唱法が行われている (P.148)

    戦時中敵機の種類を見分けるのに絶対音感が使われた時期があり、絶対音感教育が奨励された暗い過去もある。(P.65)

  • 文章が読みづらい。
    少しだけ興味をひかれることが書かれている。

  • 絶対音感は、ものの振動数が絶対的な値であることを考えれば不思議ではない。
    音叉という音合わせに使う道具は、コンピュータでも実現できる。

    人間の感覚が弁別閾という相対的な処理が得意なことを考えると、
    絶対処理と相対処理がどちらが得意かという問題になる。

    それでは、絶対音感がある人が音楽で有利かという幻想を持つ人がいるので、
    具体的な情報を提供しようとしていると理解している。

    体内に音叉を持っていることが、どれだけ人間に取って幸福なことであろうか。
    体内に音叉を持っていることが便利というだけであれば、
    では物理的に音叉を持ち歩くのは嫌なことかどうかを考えてはいかがでしょうか。

    事例から直接、自分や子供の教育について方針を決めるのではなく、
    その子にとって、何を得意であることを自覚すると幸せかで考えて欲しい。

  • 絶対音感を身につけるには、
    絶対音感を身に付けた人々とは?

  • 音を聴いて、その音名を言えるという「絶対音感」。

    音楽に関わるものには非常に便利な能力。
    だけど、絶対音感を持つ者には周り中の音が全て音名で聞こえてきてやっかいなものだとも言われる。

    私には絶対音感はない。
    だが、相対音感はあるし、絶対音感に近いものは持っていると思う。

    その中途半端な音感が身についた理由がこの本である程度明らかになった。

    私は4歳からバイオリンを習い始めた。
    そして和音の音名を言う練習もさせられ、15前後の和音を区別し3つの音名を言えるようにはなっていた。
    ただしドイツ語で。
    「ドミソ」なら「ツェーエーゲ」と言うように。
    もちろん子供の私にはその意味は理解出来ない。つまりそこでドミソの和音を聞いても「ツェーエーゲ」とは答えられるが、ドとミとソの音の合成音だとは認識しなかったのである。そのため、脳内で音と音階のラベリングができなかったのだと思われる。

    そして、もうひとつの理由。
    それは鈴木メソッドでバイオリンを習ったこと。
    これは音を音名ではなく指番号で覚える。脳内で音と指の位置がラベリングされてしまったのだ。
    つまり音を聴いたら音名はわからないが、どの指でどこを押さえれば同じ音が鳴るかがわかるようになった。

    ソルフェージュなんてしてないものだから楽譜は読めない。だけど、曲を聴けば弾けてしまうということができるようになったのは、この訓練のせいだと考えられる。

    あと、バイオリンの音で開放弦の音(E,A,D,G)であれば絶対音感は身についていると思う。(ピアノもある程度はわかる)
    ただしAの音を聴いてAの開放弦の音だとは認識できても「ラ」だとは認識できない。

    こういう音楽教育を小さい時に受けてきたので、このような音感の持ち主になったのだということがこの本のおかげで分かった。

    この中途半端な音感で役に立ったことと言えば、カラオケでキーを外さずに歌えるってことかな(そのキーが出せればだけど)。
    逆に不便に思ったのが演奏とボーカルのキーがほんの少しでもズレてると気になってしょうがないということ(はっきり言えば下手に聞こえてしまう)。特にライブの演奏などは気になってしょうがないってことかな。


    子供の頃からの音楽教育によって絶対音感を身につけることは可能だろう。だがそれが本当の意味での絶対音感ではないことをこの本で教えられた。

    ■この本を知ったきっかけ
     BS11『ベストセラーBOOK TV』で紹介されてた
    ■読もうと思ったわけ
     絶対音感に興味があったため。

  • 絶対音感を持つ自分って何だろうと思い読みました。参考になったようなならなかったような。

  • 第4回小学館ノンフィクション大賞。
    「絶対音感」は音楽に必要か、そもそも本当に「絶対」なのか、などを追求しようとしたノンフィクション作品。
    これにあたって、作者は音楽家・音楽教育関係者100人に質問状を送って取材をしている。千住真理子、諏訪内晶子、五嶋みどりなども絶対音感について答えてくれている。
    また、戦後の音楽教育~ヤマハ音楽教室の功罪、外国との絶対音感の価値観などにも触れていて興味深い。

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絶対音感 (新潮文庫)の作品紹介

「絶対音感」とは音楽家に必須の能力なのか?それは音楽に何をもたらすのか-一流音楽家、科学者ら200人以上に証言を求め、驚くべき事実を明らかにする。音楽の本質を探る、ベストセラーノンフィクションの文庫決定版。

絶対音感 (新潮文庫)のKindle版

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