- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101484112
感想・レビュー・書評
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最初、地底湖の謎生物の映像が頭の中でイメージできず、カワイルカを画像検索してようやく「彼女」の見た目と賢さに想像力が追いついた。
正直言って、ストーリーは正人と「彼女」の出会い・関わりの部分1/3しか面白くない。現実世界におけるドス黒いいざこざをわざわざ読書に求める人間は少ないのでは。
その前半部分の「彼女」の描写にぐいぐい引き込まれた。知性を持つ哺乳類が126年もの間、たった一人で閉ざされた空間で生き永らえる宿命が哀しく、正人の来訪を歓迎していただろうけど、種として異なるし、などなど色々考えた。
導入部分が暗く、澪という小悪お嬢様にウンザリするところを我慢して読み進めるのが苦痛だった。
題材がいいので運動家とミックスしてしまうのが勿体無いと感じた。
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篠田さんの小説はどんどん追いつめられて行くパターン。
詳細に書き込まれた文章ですらすらと読めてしまう。
大枠はSFで環境問題についてを取り込んでいる。
私はスキューバもするけれど、洞窟には興味が無い。狭いところが嫌。
これまで読んだ他の小説に比べると少々パンチが無い感じでした。
著者の篠田さんは女性なのに男性が主人公の事が多い。 -
篠田節子さんらしいっていえるほど、まだたくさん読んでないけど、らしい小説ではあった。
前半のストーリーは引き込まれるものではあったけど、後半部は急ぎすぎている印象を受けた。
活動団体の内部の人間関係がすこしおもしろかったかな。 -
物語前半で描かれる謎の洞窟性生物との交流は幻想的で良かった。世界のどこかに、こんな生物がいるかもしれない、と想像する楽しさを味わわせてくれました。でも、後半の主人公の暴走ぶりは共感できないし、かなり唐突な感じがしました。もっと、主人公の心情を書き込んで欲しかったですね。
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初めて読んだ篠田節子さんの小説です。
舞台は奥多摩のとある鍾乳洞なのですが、ここに生存する未知の淡水生物と、主人公との触れ合いが中心となっています。
正直に、この小説の最後は尻切れ感があります。
読む側はストーリーの良し悪しだけでなく、作家の文体に表れる癖も好き嫌いの判断になると思いますが、篠田さんが書き綴る水の描写にとても惹かれたので、この人の他の小説も読んでみようと思ったきっかけの一冊でした。 -
ファンタジックだが悲しい。
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地底湖に住む謎の水生生物。。残念だがどういう物語なのか、いまひとつ掴みかねた。
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SFのようでもあり、ホラーのようでもあり、自然破壊を行う人類への警鐘も感じるサスペンス。
奥多摩の地底湖で行方不明になった友人を探す長谷川正人が遭遇したのは…
未知なる生物との遭遇シーンには映画『アビス』のようなファンタジーを感じた。 -
ちょうどこの前行った一之瀬本流あたりが舞台なのでイメージしやすかった。地底の不気味な生物に関してはびっくりするくらい興味が持てなかった。なんか主人公の近親相姦を予感させるような描写とかやたらに出てくる自然保護ゴロとかいろいろ散りばめるだけ散りばめて収束してないような。爆弾簡単に作り過ぎだし、バイクなのにアクセル踏み込むって表現はあるし、突っ込みどころ満載だけどまあ楽しかったかな。