アクアリウム (新潮文庫 し 38-1)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101484112

感想・レビュー・書評

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  • 最初、地底湖の謎生物の映像が頭の中でイメージできず、カワイルカを画像検索してようやく「彼女」の見た目と賢さに想像力が追いついた。
    正直言って、ストーリーは正人と「彼女」の出会い・関わりの部分1/3しか面白くない。現実世界におけるドス黒いいざこざをわざわざ読書に求める人間は少ないのでは。
    その前半部分の「彼女」の描写にぐいぐい引き込まれた。知性を持つ哺乳類が126年もの間、たった一人で閉ざされた空間で生き永らえる宿命が哀しく、正人の来訪を歓迎していただろうけど、種として異なるし、などなど色々考えた。
    導入部分が暗く、澪という小悪お嬢様にウンザリするところを我慢して読み進めるのが苦痛だった。
    題材がいいので運動家とミックスしてしまうのが勿体無いと感じた。

  • 篠田さんの小説はどんどん追いつめられて行くパターン。
    詳細に書き込まれた文章ですらすらと読めてしまう。

    大枠はSFで環境問題についてを取り込んでいる。

    私はスキューバもするけれど、洞窟には興味が無い。狭いところが嫌。

    これまで読んだ他の小説に比べると少々パンチが無い感じでした。
    著者の篠田さんは女性なのに男性が主人公の事が多い。

  • 篠田節子さんらしいっていえるほど、まだたくさん読んでないけど、らしい小説ではあった。

    前半のストーリーは引き込まれるものではあったけど、後半部は急ぎすぎている印象を受けた。

    活動団体の内部の人間関係がすこしおもしろかったかな。

  • 初めて読んだ篠田節子さんの小説です。
    舞台は奥多摩のとある鍾乳洞なのですが、ここに生存する未知の淡水生物と、主人公との触れ合いが中心となっています。
    正直に、この小説の最後は尻切れ感があります。
    読む側はストーリーの良し悪しだけでなく、作家の文体に表れる癖も好き嫌いの判断になると思いますが、篠田さんが書き綴る水の描写にとても惹かれたので、この人の他の小説も読んでみようと思ったきっかけの一冊でした。

  • ファンタジックだが悲しい。

  • 地底湖に住む謎の水生生物。。残念だがどういう物語なのか、いまひとつ掴みかねた。

  • 地底湖、事故死、未知の生物、環境破壊、そして爆弾テロ、何だかとてもいろいろなことが出てくる小説だ。
    地底湖に流れ込む毒、未知の生物のよくわからない能力、事故死の本当の原因と、引きつけられるポイントはたくさんあったと思う。しかし、そのどれもが中途半端に終わってしまったように思う。
    読了後感じたのは、「あれ?ところで本当の死因は何だっけ?」「あの動物学者は未知の生物を悪魔だと言っていたけれど何を知ってたんだろ?」「澪はあの後どうなったんだ?」といった、置き去りにされたストーリーの支線についての疑問だった。
    それにしても主人公は可哀想だ。恋い焦がれていた人に「見られてると思うと気味が悪い」とまで言われて...。

  • 仲間のダイバーが行方不明になったのを探しに行って未知の生物に出会う。
    水槽の魚を大切に育てたり、未知の生物を大事に思ったり、前半ばドキドキして楽しく読めたが後半は暴走し過ぎで面白く無かった。

  • サクっと読める

  • 地底湖に棲む謎の水棲哺乳類、友人の地底湖での謎の死、事故部屋に住む主人公・・
    序盤のファンタジックホラーな部分で期待全開だったのだけど、中盤、主人公が自分本位な理由から環境汚染への反発心を持つあたりが、わからないではないけれど自分勝手に暴走していて共感できない。
    序盤はほんと手に汗握ったのに・・残念

著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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