家鳴り (新潮文庫)

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著者 : 篠田節子
  • 新潮社 (2002年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101484136

家鳴り (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  日常にある異界への入り口を垣間みせてくれる。そんなホラー好きにはたまらない7つの短編。どのお話しの主人公も最後はあちらの世界へと旅立ち、けっして日常を取り戻すことはない。現世と決別を果たした者だけが異界へ誘われるのだろう。ホラーとは一種のファンタジーなのだと知る。

  • 一応ホラーというくくりですが
    日常がじわじわと狂気に呑まれてゆく恐ろしさを描いた
    短編集

    非日常的でありながら、むしろリアルな怖さ。

  • パン屋を開いたとたんに、穀物機器から近隣の人々を殺しちゃったり、中学生の女の子一家に寄生されたり、介護ロボットを愛しちゃったおばあちゃんの話…おもしろかった。

  • これは・・・ホラーです!!こわい!!

  • ホラーというカテゴリーに入れて良いのか、やや悩ましい小説。346ページで全7篇の短篇集。
    最初の『幻の穀物危機』が一番面白かった。東京で大地震があり、主人公が暮らす長野県とおぼしきペンション地区に避難民が押し寄せる地獄絵を描いた小説。RVで人をひき殺しながら都会から脱出する避難民。食料を売らない地元民。略奪を始める避難民。竹やりや落とし穴で畑を守る地元民。理性的に振舞おうとする主人公と、現実主義的な主人公の妻。かなりリアルに描かれており、見方によってはホラーというよりパニック小説とも言える。

  • 2013年11月7日読了。ホラー短編集、裏表紙には「何かに執着した人々を描くホラー短編」とある、正しい指摘だが私には「何かに執着しこだわることで『突き抜けてしまった』人を前にした普通の人を描く短編」という気がした。超自然的な要素は1編の(しかもホラーでない)短編以外はないが、地の底からせり上がってくるような怖さはこの作者ならではのもの・・・。冒頭の「幻の穀物危機」から相当にかっ飛ばしている、読んでいて自分も思わず食糧備蓄に走りそうになるコワさ。また著者は女性だが、「男性から見た女性の怖さ・理解不能さ」の的確な描き方も、それもまたコワい。

  • いわゆる「人間怖ぇ」系のホラー短篇集。(そうでないのもあり)
    このジャンルではかなり上位に位置する怖さ。
    耐性のない人にはおすすめしない。

  • 短編集。最初はイマイチだなと思ったが、読み進むにつれ、それぞれの話しに引き込まれた。面白かった。

  • 日常につきまとう生々しさはそのままに、最後の最後に異世界へと踏み込む文章がたまらない。当人たちにとって幸福か不幸かもわからない終わり方が多いですが、ずるくて弱い人間の心性を指さして嗤うのではなく、ただそういうものだと書ききるところにいさぎよさを感じる。

    いちばん好きなのは、豚以外の生き物と心をかよわせない少年の出てくる「青らむ空のうつろのなかに」。“話しあおう。そうすればわかり合える。いつかわかり合える”という言葉がとても空虚にひびく短編。

  • おどろおどろしい話だけど読ませる文章。

  • 全編ホラーの短篇集。首都圏で大地震という設定の「幻の食糧危機」では、情報の来なさ具合などが非常にリアル(今回経験したという意味で)。決死の食料の奪い合いと、今回の電気の奪い合いがつい重なる。その他もいじめや家庭内暴力、会社倒産など、リアルな題目を使ったホラーというより、現代の怪談である。しかも全編救いがないのが辛い。筒井康隆や東野圭吾の暗い版。怖いが面白い。

  • なるほど!
    篠田さん著作初ミステリー・サスペンスだけど、こういう話しを書く人なのね。モダンホラーって奴。
    現代社会に疲れ、蝕まれ、壊れていく人々。ってとこでしょうか。
    「わかるわー」とか「じぶんやばぃ~!?」とか「あの人怖いかもぉ」なんて反応はなかったですけど、純粋に読み物としてゾクゾクさせられました。

    短編のわりにかなり描写的で、足りなくなく、くどくなく。
    難を言えば全般的に落差が。もう少しガツンと落としてくれてもいいかと思いました。

    -幻の穀物危機:趣味で脱サラ、田舎にベーカリーを持った中年と、同じく都会より、本格的に農業を営み始めた、来る穀物危機を異常に憂う青年。東京が大地震で崩壊して、人が流れてきて、本当に危機が起こって・・・統率を失った人間が残酷になる話。
    -やどかり:これ読んだことあるぞ!白のミステリー収録かな?同情から面倒を見始めた貧乏女子中学生に徐々に生活に踏み込まれて、「ヤバイ、俺、のっとられる」のホラー。
    -操作者:孫も嫁も拒否するようになった寝たきりボケ老人と介護ロボットの恋(笑)話はまぁまぁだったけど、自分がやらなきゃ、と、介護に縛られて疲れ果てる嫁と「機械に任せたら楽でいいじゃん~♪」と前向きな孫。ギャップがジェネレーションギャップぽくて感動しました。
    -春の便り:これまた寝たきり婆ちゃんの、打って変わって心が温まる話。息子嫁にほぼ捨てられるように病院送りにされた寝たきり婆さんが、ある日外での出来事をあたかもみてきたように看護婦さんに話す。ま、ファンタジーって言ってしまえばそれまでですが、「操作者」の後だからか「フフフ」と笑みがこぼれる温かさがありました。
    -家鳴り:タイトル作だけどそこまで・・・犬が死んでから狂ってしまった奥さんに、せめてご飯を食べてもらうため料理したのをきっかけに、どんどん奥さんを肥やす旦那。超太った奥さん。家破壊。何だろうね。「幸せとは?」とか問いたかったのかな?
    -水球:タイトルは、密閉されたガラス球に入ってるグッピーから。郊外に家を建てて、仕事も一流会社(一応)、ローンもあるけど、それでも上手く回ってる人生が、会社が倒産&浮気発覚で奥さん子供に逃げられる話。ま、どんなにひどくても死ぬこたないよね、と、グッピーの完全生態系ガラスも破壊します。そうだそうだ。しぬこたーない。
    -青らむ空のうつろの中に:人とは一切心を通わせないため、昔のオウム村みたいなところに送られた子供が豚と心を通わせる話。正直、で?って感じだった。

  • 短編集。
    私は、この人の作品は選ぶようです。題材がSFっぽいというか、超自然的なものはあまり怖くなく、退屈。
    しかし、「家鳴り」は怖かった。この夫婦って何?ってずーっと考えてしまって頭から離れない。次の短編の水球が頭にちらついたりして。閉鎖された完璧な愛。それとも復讐か、どっちがどっちに? この短編で☆5つ。

  • 会社が倒産した主人公の健志。経済的には手芸アーティストである妻、治美の収入が十二分にあるため心配はなかったが、彼は自分の「仕事」を失い、居場所を失ったような気がしていた。愛犬が病死して心身のバランスを失い、摂食障害になった治美。彼女に何とか食事を摂らせようと、健志は料理に打ち込みだす。当初は食べられなかった治美も、次第に健志の料理を喜んで食べるようになった。治美は次第に肥大化していく。しかし健志には「たくさん食べる」妻が健康的で嬉しかった……。
    失った己の存在意義を取り戻した男の狂気を描いた表題作。その他、痴呆の老女が介護ロボットと心を通わず「操作手(マニピュレーター)」、不倫の清算と会社の倒産の末、叩き上げの証券マンを待っていた現実を描いた「水球」など、現代社会の問題を生々しく取り扱った短編7編を収録。

    7編とも、ホラーにつきものの超自然は「怪異の主人公」としてはほとんど姿を現さない。恐怖の主体はあくまでバブル崩壊後に顕在化したとも言えるの社会や人間の心の歪みなのだ。その辺りは菊池秀行による巻末解説に詳しいが、その怖さとは一言で言えば「生々しい」。

  • すごくリアルな描写

  • 短編小説集

    相変わらず上手い。
    日常に潜む狂気のようなものを主題としたものが7篇。
    いずれもぞくっとするけれど、
    表題作「家鳴り」と「水球」が特によかったなぁ。

    【あらすじ:by Amazon】
    ありふれた日常の裏側で増殖し、出口を求めて蠢く幻想の行き着く果ては…。
    巨大地震が引き起こす食糧危機、老女の心の中で育まれた介護ロボットへの偏愛、
    摂食障害のために限りなく肥満していく女、豚の世話だけに熱中する孤独な少年の心の爆発―。
    抑圧された情念が臨界まで膨れ上がり、過剰な暴力となって襲いかかる瞬間を描いた戦慄の七篇。

  • 短編の半分はとてもおもしろく、半分は普通で、星3つ。
    心理的ホラーというか小池真理子の昔の短編と似ている感じ。

  • 短編集。
    どの作品にも悲しい雰囲気が漂っていた。
    特に,「操作手」と「春の便り」は認知症の女性が登場しており,
    その患者自身の視線からこの世界がどのように見えるのか,
    知り合いの顔がどのように映っているのかということを考えたら胸が苦しくなった。

  • ・幻の穀物危機
    ・やどかり
    ・操作手
    ・春の便り
    ・家鳴り
    ・水球
    ・青らむ空のうつろの中に


    星新一風?

  • 表題作『家鳴り』を含む七篇。
    ホラーは読まないほうだけど、なんとなく手にした本。現代に根ざした恐怖を題材にした篇が多い。現実に起こりうるかもと考えると、ゾクッとする場面がしばしばあった。それだけに現代起こっている問題、起こりうる問題についてもっと真剣に向き合わなければなと考えさせられた。

  • 社会風刺的ブラック・ユーモアという印象を受けました。介護ロボットに恋する老婦人の話など、現実に起こる日は近いような気がします。怖いけれど、たかが物語だと一蹴もできず考えさせられます。発想も文章も力強くて魅力的な作家と拝察しました。

  • 現実の中で起こるかもしれない出来事とそも恐怖が描かれていました。怖かった。

  • リアルの中に潜む狂気がいいッス。

  • 最初の『幻の穀物危機』なんて長編にしても良さそうな作品でした。
    どうも主人公に危機が訪れる場面を読むと、「うしろー!」と叫びたくなるのは、「しむら〜うしろ〜!」と叫びながら観ていたドリフの延長でしょうか・・(笑)(2002.10.12)

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