仮想儀礼〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 篠田節子
  • 新潮社 (2011年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (623ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101484167

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仮想儀礼〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ゲーム作家に憧れて職を失った男が金儲け目当てに教団を創設。インターネットを足掛かりにしてトントン拍子で組織を大きくしていく。

    金儲け目当てだったんだが、信者の暴力事件、殺人などのトラブルで悪に徹しきれないまま組織はどんどん大きくなる。巨額の金銭も動くようになり、宗教法人を隠れ蓑にした巨悪も忍び寄る。

    トントン拍子に進みすぎて、いくら何でもあり得んだろう・・・って箇所が多すぎる。当然、ハッピーエンドの結末は予想されないが、どんな落とし所になるのかが、さっぱり読めない。下巻も読むしかないか・・・

    (2012/4/21)

  • 『聖域』『ゴサインタン』『弥勒』の宗教三部作に続く第四弾!ゴサイ~が僻村に嫁入りしたネパール人妻が神懸り状態になり自然発生的に教団が形成される過程を描いたのに対し、本作では失業中の男二人がほどほどの金儲けを目的に似非教団を作る。ところが思惑を越え信者の数は増え続け、やがて二人は現代日本の宗教を取り巻く大きなうねりの中に呑み込まれて行く。教祖役は元都庁職員であり、詐欺師にも拘わらず社会常識に長けた堅実な人物として描かれており、物語の目撃者の役割を果たしている。終盤、宗教を食い物にする怪人物登場。読み応え有。


    荻原 浩の『砂の王国』が似たような設定らしい。φ(.. )

  • 諸事情により職を失った二人の男が、たまたまニュースで目にした9.11事件に光景に感化されて、事業としての宗教を始めるという話。

    個人的には面白い、というか興味深い本だったけど、あまり人にはお勧め出来ないと思ってしまった。篠田節子の小説は何かひとつ伝えたい主題もないし、感動があるわけでもなく、いま自分たちが暮らしている日常の中で起こりうる、あり得る世界を提示するものだと思っている。宗教的な超常現象を絡めながらもそこに恐ろしくリアリティを感じさせてしまうのがこの著者の凄いところ。宗教が人間を象徴するものであるというのもあるけれど、今回もかなり引き込まれてしまった。

    ちなみに、この後は平野敬一郎の『決壊』を読もうと思っていたけど、本作がかなり重たかったのでしばらく時間を置いてから読もうと思う。。

  • 教祖視点の信者に対するつっこみが面白い。
    救いようの無い話し。

  • 2017.2.1(水)¥250(-2割引き)+税。
    2017.4.3(月)。

  • とにかく長い。上下巻をあわせると1200ページを超える長編である。
    長いの飽きさせない。ページ数の多さに負けない中身の濃い物語だった。
    失業しこれといった夢もなくなった二人の男が軽い気持ちで立ち上げた「宗教」。
    教義のもとになったのは、正彦が書いていたゲームブック。
    その場しのぎの対応を続けた結果、いくつものトラブルに巻き込まれることになる。
    宗教にハマったことがないので、雅子たちが暴走していく心情がよくわからなかった。
    それなりの理由はもちろん理解できるのだけれど。
    何でも一番いいのは「ほどほど」なのかもしれない。
    絶対的な存在としての「教義」。
    雅子たちの狂気は、やがて偽宗教家の正彦をも喰らいつくしていく。
    もしも彼女たちのお祈りの場に居合わせたとしたら、何かわからないけれど不健康で不穏で歪な空気を感じて逃げ出してしまいそうだ。
    宗教によって心の平穏を得る者。
    宗教によって心を狂わせていく者。
    正反対に見える両者の違いはそれほど大きなものなのだろうか。
    自分と向き合い自分と対話する。
    簡単なようで難しいはずだ。
    繰り返される祈りの言葉、単調なリズムが生み出すトランス状態。
    徐々に変貌していく内側にある信仰心。
    教団に対するマスコミのスキャンダラスな扱い。
    編集され、真意のカケラも伝わりようのない映像。
    たび重なる嫌がらせ、直接的な暴行、拉致。
    弾圧を受けていると感じたときから、正彦たちは自ら被害者となる。
    自分たちこそが被害者なんだと。
    自分たちは何も悪いことはしていないと。
    孤立していくことを怖れなくなる一方で、正義は自分にあると思い込む。
    宗教が絡む事件がたびたび起きる。
    そのたびに不思議な・・・不気味な思いを感じていた。
    「洗脳」という都合のいい言葉が登場したときには、すべてこの言葉で辻褄があうとでもいうようにあちこちで「洗脳」という言葉が飛び交っていた。
    なぜ宗教を求めるのか。
    教えの中に何を見出すのか。
    宗教が何を与え何を奪っていくのか、関心すらもなかった自分にはわからない。
    教祖面しているというくだらない理由で教祖になった正彦。
    怒鳴りたくなる場面でも教祖として我慢をし、面倒臭い放り出したいと思いながらも、結局ずるずると引きずられていく。
    なぜ宗教を求めるのか。
    ひとつの答えがこの物語の中にあったように感じた。

  • なにこれ!面白い。一気読み。
    旅のお供に借りたのに出発前に下巻も読み終わりそう。

  • 文章は淡々としているが、冷徹さと熱っぽさが共存していて心地よい。 テンポよく話もすすみ、久々の期待どおりの作品になった。続きが楽しみである。

  • なんだか正彦さんの応援してました。

  • まだ途中だけど感想。まずメリハリがない。
    篠田節子らしくない。どうしちゃったの。
    ぐいぐい引き込んでくれる構成や筆力はどこ?この調子で上下1,200頁はさすがにキツイんじゃない?

  •  禍々しい宗教家の誕生秘話ではない。突然、神の声を聞き教祖になったという話ではなく、普通の人がビジネスで宗教を起こして成功するという小説である。普通といっても元ゲーム作家というところが現代っぽい(笑

  • 平成27年3月2日読了

  • 宗教に取り込まれていく話はたくさん読んだけど、教祖側の話ははじめて。とても面白い。

  • 失業し、奥さんや不倫相手も去っていったどん底状態の正彦&矢口。この2人がビジネスとしての新興宗教を立ち上げるところから物語が始まります。
    食うや食わずの貧乏時代を経て、森田社長を信者として獲得したあたりから宗教団体は大きくなり、宗教ビジネスは軌道に乗っていくのですが、、、というところまでが上巻です。

    正彦が元都庁職員の知識と経験を生かして信者を獲得していくところは結構リアルで、こんなにうまく行くわけないやんな〜と思いつつも引き込まれていきました。教団は順調に大きくなっていくのですが、なんとなく破滅への影もチラチラ見えてきて、「この辺でやめといたほうがええんちゃう??」とドキドキ。
    正彦&矢口、それから初期の信者の方たちが幸せになってほしいとめっちゃ感情移入してしまうのですが、きっと誰も幸せにはなれそうもないだろうな、という気もめっちゃします。

     

  • 宗教団体に惹かれる人々の多くは教義に惹かれてるわけではない、と思う。 #D68104

  • 上下まとめて感想

    サービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。

    上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。

    エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達。深い信仰を持った信者とエセ教祖様の立場の逆転。どんどん落ちていきつつも、エセ教祖が最後の最後で信者たちを守る姿に、教祖なのか、父性愛なのか分からないが、導こうとする人の信念を感じることができた。

    かなり面白い小説でした。

  • 拠り所を探す人たちが徐々に集まってくる、そして巨大化していく‥話の展開としては面白かった。ただ、上巻だけでも長いと感じた上に、これで下巻もあるのか、と思うとその点はなんとも。

  • レビューは下巻にて

  • 感想はまとめて下巻に。

  • 金目当てでエセ宗教を立ち上げる二人の男のいわば栄枯盛衰。世の中をこういうアングルから見た事はなかったので新鮮、かつ、宗教というものが一部の人間の心の闇に巣食う過程が実にリアルで恐ろしい。
    ある意味ミイラ取りがミイラになる・・・最後まで緻密で読ませる怖いサスペンス。主人公が最後まで「普通の人間」であり続けるのが救いか。

  • 宗教は、いつの間にか自分の中に入りこまれているから怖い。

  • 職のない男が2人で宗教を興すお話。
    金儲けの為に始めたのですが、トントン拍子に信者が集まり、それに伴い教団の収入も増えていく。

    上巻ではあまりにトントン拍子な気もしますが・・・
    でも適当に始めた割に(ほんとに始め方がすごい適当!)、あれよあれよと大規模になっていく様子は中々面白いものがあります。

    でもこういうお話はきっと最後は転落するんだろうなって思いながら読んでいます(笑)

    教祖となった正彦ですが、これが案外真面目で堅物。
    新興宗教なので胡散臭いのですが(そもそも何の宗教的思想もない人が興した教団)、自分でそこは自覚していて、信者ともなるべく真摯に向き合おうとする様は好感が持てました。

    金儲けの為に始めた事なので、霊媒師の真似事とか「このままでは不幸になる」とか言って壷を売ったりとか、やろうと思えば手っ取り早く金儲けできるのですが、正彦はあくまでビジネスとして先を考え、人としての道は外さぬよう努力しています。

    ただあくまでビジネスとしてしか考えていないので、金にならなそうな信者はあっさり切り捨てようとするのですが、そこはもう1人の矢口が担当し、変にバランスも取れている。

    中々読み応えがあって面白いです。
    上巻の最後の方から不穏な空気が漂い始め、下巻も楽しみです!

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