黄泉がえり (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101490045

作品紹介・あらすじ

あの人にも黄泉がえってほしい-。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして"黄泉がえった"当の本人もまた新たな悩みを抱え…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。「泣けるリアルホラー」、一大巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、梶尾真治さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    梶尾 真治(かじお しんじ、1947年12月24日 -)は、日本のSF作家。熊本県生まれ。ニックネームはカジシン。

    1971年、SF同人誌『宇宙塵』に掲載された『美亜へ贈る真珠』が早川書房の『SFマガジン』に転載されてプロデビューした。家業であるガソリンスタンド・チェーンのカジオ貝印石油を亡父・真蔵より引き継ぎ、社長業兼務で作家活動を続けていたが、2004年に「専業作家宣言」を行った。

    熊本県在住であり、熊本を舞台にした作品が多い。作風はリリカルなもの、純愛もの、ドタバタもの、グロテスクものまで幅広い。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。「泣けるリアルホラー」、一大巨編。

    ---引用終了

    著者の作品、初読みと思いましたが、ブクログ登録済みの『70年代日本SFベスト集成1: 1971年度版 (ちくま文庫)』で、読んでいました。

  • ずっと昔から大好きな作品。

    熊本県熊本市でのとある出来事をきっかけに,家族・友人・恋人らを亡くした経験を持つ人々の元へ故人が帰ってくるようになる。この現象は『黄泉がえり』と名付けられる。

    生者と(元)死者の交流が,群像的に描かれる。読みやすいタッチで,ストーリーの引きもある。
    ファンタジー,ホラー,SFの要素が複合するが,中心にあるのは人間ドラマ。黄泉がえりは生者のためか,死者のためか。

    ちなみに映画化もされたが中身は別物。(映画のほうは「泣き」に寄せすぎ……)

  • ひさびさの再読。設定が好きなお話です。
    結末が少し甘いかな、と思わなくもないけど、新聞小説だったことを考えればこれぐらいの塩梅がいいのかな?

  • 面白かった
    映画化されたSFファンタジーの物語
    感涙とまではいきませんでした。
    こういう話だったのね。っていうのが正直な感想..

    ストーリとしては
    熊本のみで「黄泉がえり」現象が発生。
    死んだ当時の姿でよみがえった人々。とはいえ、全員がよみがえってくるわけではありません。そんな現象に混乱する行政、対応に追われるといった展開が前半続きます。
    黄泉がえりのからくりは「彼」と言われるエネルギー体ですが、この辺はあまり語られず、この現象に遭遇した人々の群像劇が悲しく、時には面白く語られていきます。
    しかし、蘇った人々にもリミットが..
    そして、その日が訪れます。

    愛し合う二人がどうなるとか、家族がどうなるとかいうパターンを期待していましたが、そこまでべたではありませんでした(笑)

    映画見てみたい!

  • 映画化されてるし読み応えもありそうと思って読み始めました。映画はでも観ていないけれど、熊本で様々な立場の方が黄泉がえりを果たす‥でも、それは長くは続かない‥いい作品でした。

  • 読み進めていくうちに、段々面白くなり、そのうち段々飛ばして読み始め、結局は何処に行こうとしているのかと思い始めた。テーマはどこなのか。著者の優しさでそうなったのか蘇った人達の中でそのまま残れる人もいて…。涙が出た瞬間もあっただけに中途半端さが残念。これはSFなんだろうか?

  • 映画とは少し違うストーリーだが、これはこれで良かった。少し風呂敷を広げすぎたきらいもあるが、群像劇としてはこれもありかと思う。

  • ホラーというジャンルでは絞れない作品だと思う。
    亡くなった人々が"黄泉がえって"きて、受け入れ、共存してきたのにまた別れがくるのかと思うと切ない。
    自然の理としては、亡くなった人は帰ってくるのはおかしい。帰ってくるべきではない。でも帰って来て欲しいと思う…

  • 死んだはずの人々が帰ってくる、熊本市内だけの不思議現象。
    うーん、ラスト、謎は解明されないまま雰囲気でめでたしめでたしってのがもやった。感動系ファンタジーですわ。

  •  宇宙空間に偏在するエネルギー分布、宇宙を漂う ”彼” 、その ”彼” はある種のエネルギー体のよう。
     宇宙空間をさまよえる ”彼” はエネルギーの放出と取り込みを永遠の時間の中で繰り返してきた。
     そして、エネルギー補給のためにたどり着いた惑星、地球。
      ”彼” がそこで初めて体験する刺激 ―― 生命体の持つ「意識」。
      ”彼” が地球の生命体 ―― ヒトの「意識」とのかかわりの中で、熊本市周辺だけで発生する黄泉がえり(蘇り、甦り)現象。そこから舞台は始まる。

     熊本日日新聞日曜版に1999.4.10~2000.4.1連載、2000.10.15新潮社発行。

    (内容紹介)
     あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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