精霊探偵 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 359
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101490090

感想・レビュー・書評

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  • 背後霊が見えるという設定だから
    巻き込まれてしまう事件の内容も
    単なる失踪ではないだろうと思っていたが
    怪しさを深める、中心の物語を進めながら
    ホームレスを立ち直らせたり、虐待を防いだり
    途中で細かな日常の事件解決を続けていくのかと思いきや・・・

    事故で失った妻を悼みながらも探偵の真似事で
    生きる気力を取り戻していった先に待ち受ける
    驚愕の真実、真のラストとは!!
    と煽りもほど程に
    ヒューマン・ファンタジー・ミステリー
    という感じ?

    猫が活躍するので星一つおまけ

  • 始めはなんだか面白くなる雰囲気やと思ったが、うーん。子供向けかなー?と思う節々が多々ある。

  • 帯の煽り文に魅かれ、思わず購入した本。
    内容は確かに面白い、面白かったが、私の下した評価は『微妙』
    確かに流れとか勢いとかは面白い。不思議系でSFチックではあるが悪くはない。しかし、途中までだ。非常に残念だとおもう。終盤が
    ヒーローもので、悪の組織のトップといざ闘おうと言う時に悪の親玉が「もうここに興味はない、次を目指す、さらばだ」と言って消えちゃうような感じだ
    終盤手前まではとても面白かった。特に黒猫の生かし方がとてもよかったと思う

  • 前知識もなく初読みの作家さんで、あらすじの『ちょっと不思議でほんわか切ないスピリチュアル・ミステリー』のフレーズに惹かれて読みました。
    交通事故で奥さんを亡くして茫然自失の男性が主人公なのでスロースタートで始まります。
    テンポ的に、あんまり合わない作家さんかも……と思いつつ、前半を半ば惰性で読み続けてたら、中盤から後半と、もうどこに着地するのかサッパリわからないくらい振り回された挙句、大どんでんを迎えました‪w
    古代の遺物まではまだ良かったんですけど、SFはあんまり得意ではないので、前もって知って起きたかった‪。
    後半にある一文で、『異獣の存在が、妖怪的なものからだんだん滑稽なものに存在を変えつつあるような気がした』ってのがあったのですが
    これ読んだ時、いや異獣っていうか、この小説自体がコメディに転がってるしっ!と胸の中でツッコミが入れてしまいました。

  • 2019/9/3(火曜日)

  • 最愛の妻を事故で失って以来
    人の背後霊が見えるようになった主人公
    頼まれ始めた探偵もどきで人探しをするうち
    1枚のカードからとんでもないことに巻き込まれるハメに。

    ホラー寄りのファンタジーって感じ。
    途中までは面白かったが、解決はあっけなく
    そして真相にびっくり

  • 精霊探偵 (新潮文庫)

  • 事故で妻を亡くして以来引き籠もり背後霊が見えるようになった新海が、人捜しを依頼され能力を使い探偵の真似事を始める。除霊によりホームレス男性が成功したり、動物霊を手懐け小学生女子が押し掛け助手になったりする中現れた、人に取り憑く異獣の侵略。わくわくしたけれど、意外な真相やその先の結末が何だか皮肉。

  • 事故で妻を喪った主人公。
    ぼんやりとした世界で死人のように生きる彼の目には「背後霊」が見える。
    彼の唯一の社会との接点は喫茶「そめちめ」。
    そして「そめちめ」の縁をきっかけに人探しの依頼を引き受けたことで、密接に絡み合う不可解な事件に足を踏み入れることとなった。

    背後霊が見えるという特殊能力で人を救い、少しずつ社会との繋がりを取り戻す主人公。しかし捜査をする中で、手がかりの1つである不可解な「カード」の存在が徐々に闇を帯びてくる。物語前半は主人公の特殊能力が活きる展開であり、繋がらない解決の糸口が面白い。
    後半はテイストが変わり、SF?ミステリ?いや、ホラーのような印象を受けた。
    鵺が人間に憑依し支配しようとした理由として語った、思考や行動が多様な人間は効率が悪く、鵺と共生する方が幸福になれるという主張は少し陳腐な気がして残念だった。テレビ局を巻き込んだことや、にんにくや虫除けの下りはもっと別の展開でも良かったのでは…。
    終盤、主人公自身が背後霊だったことには素直に驚きを感じた。
    だが最後の最後、モヤっとした終わり方だったなぁ…。

    全体的にテンポよく一気に読み進められた。特に前半が面白い。☆3。

  • 表紙とタイトルでハズレかな?と思ったけど、読み始めて初読の作家ではないことに気づいた「ちほう・の・じだい」の作家か。星新一みたいなやんわりとした文体で進む長編。

    妻を事故で亡くし、呆然自若となった主人公は、他人の背後霊を見たり話したり出来る能力を身につける。その能力を使って、失踪した女性を探し始めるが、手がかりがほとんど無く…。

    SFってほどSFでもないけれども、因果関係や弱点など、対応させるように書かれているあたりが、ポッと出のハズレ本作家とは一線を画していて、読んでいて非常に安心感が伴う、良い文章である。

    ただし、時々ほころびが見られるんだよなあ。この作者の本には、今回同様SFというよりも霊魂だとかをテーマにしたものが多いようだけど、その原点部分が危うく見えることがある。

    たとえば、人には人の背後霊が付くというような話かと思えば、急に昆虫が付いていたり、霊には塩という図式が万能だったり万能でなかったりと言う点である。万能でない方は良いのだが、万能なときは万能すぎるんで違和感を感じるよね。

    また、オチもなあ。

    縄文よりは弥生のほうが良かったのでは?とか、過去の人間(?)が苦労して閉じ込めたものの弱点がそれ?とか、クライマックスのドタバタの中途半端さ(これは仕方ないか…)など。

    眉村卓あたりのジュブナイルもののような楽しく、安定した手法ながら、頭のなかには和田誠のイラストが浮かぶ、ちょっとした気分転換にオススメしたい1冊ではある。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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