- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800073
感想・レビュー・書評
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狼に喰い千切られたかのような少女の遺体が連続して見つかる。美しい金髪の少女”此花ねむり”は鈴原楓という少女との出会いをきっかけに事件とそれに関連しているとみられる薬物について調べ始める。
相沢さんの作風は日常の謎と丁寧な少女の描写の印象が強かったですが、今作は耽美で背徳的、そして官能的な面もある伝奇。今までの作風と全く違う作品ながら、
少女たちの恍惚としたシーンの筆力がかなりのもので、相沢さんはこんな作風でも書けるのか、と意外に思ったとともに多才な方なんだな、と思いました。
ミステリとしては展開が急な印象は受けましたが、この作品はミステリというよりも、上にも書いたように耽美で背徳な伝奇として、
そして何よりも真相に近づくにつれ明らかになってくる逸脱者たちの絶望と孤独、かすかな希望を描いた物語のように思います。
そうした絶望や孤独は今までの相沢さんが描いてきた普通の少女たちの抱えてきたものと、どこか似ているようにも思います。
そのため相沢さんの新境地を開いた作品でありながらも、しっかりと相沢さんらしさを残した物語だと個人的には思いました。
話としてはこの本でまとまっていますが、その後について明言されていない登場人物もいて、続編もあり得そうな雰囲気なのでぜひとも期待したいところです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったです。
ダークな世界に美しい人々…人外の。
人外だから美しく生まれつくのか…?
でもそれを受け入れて楽しむ人と、悩み続ける人と。
ちょっと、どころじゃなく百合なのもいいです。
あなたがいるから生きていく、って強い想いです。素敵でした。 -
好きな作家さんだけど、これまでの著作とはだいぶ世界観が違います。伝奇物は好きだけど、これは普通かな。題材が同じでも、もう少し料理の仕方が違ったら、印象は違ってたかなと思う。
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ファンタジー。ミステリー。サスペンス。ホラー。エロ。グロ。伝記。
個人的にはファンタジーの印象が一番強い。
序盤は入り込みにくかったが、中盤からはいい感じ。 -
いままでの著者の作品とは異なる雰囲気の作品でした。少女の描写は相変わらずですが、ラブコメをイメージしていたのでエログロ耽美で驚きました。官能小説のような描写に思わずドキドキしてしまいました。女子高生とはそれだけで神聖なものなのに、先生の描写でさらに艶やかで犯しがたい空気を感じました。
とてもラノベ寄り。流行りの異能系ミステリでしょうか。視点と場面がコロコロと変わりすこし読むのに苦労しました。しかも近未来なんですか?設定の説明がなくてわかりづらい…そしてシリーズものかと思うくらい、説明のない設定が盛り込まれている。探偵さんをメインにした話しを作れそうですよね。むしろあるのかな。シリーズものじゃないんですよ、ね…?終わり方もあれだし…全体的にちょっと消化不良でした。 -
”スキュラ&カリュブディス: 死の口吻”相沢沙呼著 新潮文庫nex(2014/09発売)
(イラスト:清原絋)
・・・初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた―。性と死、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。(公式サイトより)
・・・読みやすい話でしたが、グロ多め。お薦めしにくい。
まぁ、こういう厭世感のある少女も大阪に20年住めばただのオバちゃんになんねんけどなぁ・・・。
(そういう話とはまったく違いますが(笑)) -
基本は嘆美系のホラー。ちょっとミステリーの要素もあります。
何人かの視点で物語が進行しますが、ちょっと焦点がぼやけちゃった印象。個人的にはもっと紫視点でもよかった気がする。オチはちょっと唐突な感じ。
血の量はかなり多いですが、それほどスプラッターな感じではないです。 -
女の子の不安定な感情が爆発するときのエネルギーってこんなものかと感じる。
ミステリ要素もあるけど全体的にはメフィストっぽい伝奇ものって感じ。 -
面白かった!表紙も綺麗で…。
ただ、突出して面白いとは思えないかな。
本格ミステリーで疲れたときに読む、間に読む本かな、と。重くなくていい。