バリ3探偵 圏内ちゃん (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 670
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800080

作品紹介・あらすじ

ひきこもり探偵、圏内ちゃん、降臨! 生身の人間と会話するのが苦手。でもネットがなくて誰とも繋がれなくなる孤独はもっと苦しい。電波がバリ3表示の場所でだけ生きてゆける、ひきこもりの緑子。しかしひとたびオンライン掲示板を開けば、ハンドルネーム「圏内ちゃん」はカリスマ的存在だ。驚くべき情報収集力と推理力で、”炎上”した匿名アカウントの本人を特定する。そのおかげで、連続女性殺人事件に巻き込まれて……。

感想・レビュー・書評

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  •  『生身の人間と会話するのが苦手。でもネットがなくて誰とも繋がれなくなる孤独はもっと苦しい。電波がバリ3表示の場所でだけ生きてゆける、』ハンドルネーム圏内ちゃんは、ネットの忌女板でのカリスマ忌女。
     上記の『』部分は、文庫の裏表紙に書かれているままなんだけれど、大げさな比喩かと思いきや、まんまの圏内ちゃんがお話の中にはいた。

     圏内ちゃんのこのキャラと、彼女の行動、そして旦那さんとの馴れ初め話があまりにも非現実的なので、ファンタジーみたいに読んでしまうけれど、プロローグでの忌女さんたちの行動を見てると、一気にリアルさが増してくる。
     私、こういう個人情報が特定されてくの、何となくしか知らないけど、実際もこんな感じで、みんながんばってんのかな。

     このお話、すっごい数の人間が殺されてんだけど、その殺人そのものよりも、忌女さんたちの心理のほうが怖い。
     私もだいぶ引き籠ってるけど、出来れば現実の世界だけでなく、ネットの世界でもあんまり人と関わりたくない系の引き籠りだから、心境はよく理解できないですが。

     圏内ちゃんのキャラが突拍子もなさ過ぎて、あんまり好きにはなれなかったけれど、展開はまぁおもしろかったかな。
     ラスト(エピローグでなく、犯人と対峙するところ)が、何かどっちも狂気じみてて怖かったけど。
     この話、犯人もだけど、圏内ちゃん自身が何か怖いよね。

     あと、圏内ちゃんの旦那さんが実際に事件の調査みたいなことをするんだけれど、何人も襲われてるのと同じコースを辿って、聞き込みみたいのもして……自分も狙われるかも…みたいな考えは浮かばなかったんだろうか、て思う。
     何か迂闊だよね。

     それと、圏内ちゃん、自分の書き込みに端を発して殺された人がいることについては反省してるけど、個人情報を晒してつるし上げたことは、少しも反省してないのね。
     そこは一切触れないんだ…。


     それにしても、圏内ちゃんが意外と横柄な性格しててビックリした。

  • ネットへの書き込みには警戒心が必要、と。

  • 読みやすさはあったがキャラ設定がちょっとしんどかったかな?
    相変わらずテンポは良かったけど期待してたほどじゃなかったような気が…

  • ネットの交流や炎上を盛り込んだアームチェア・ディテクティブものミステリー。事件そのものよりも(正直、私的には若干無理を感じる部分はあった)、キャラの魅力、面白さで読ませる作品。ITの闇的部分も描かれてて慣れてない人の参考にもなるか。

  • 忌女板が便利過ぎる節はあるけど、エンターテイメントとしては申し分ない。圏内ちゃんかわいかった

  • 極度の対人恐怖症から半ばひきこもり気味、ネット依存症で電波圏外では生きられないという特性を持った「圏内ちゃん」。うーむ、これは極端だけど、近い状態の人ならいそうな気も……? 現代社会ならではのニューヒロイン、かな。
    近頃ありがちなネット炎上事件から始まったとある事件。過去の殺人から現在の殺人事件へと繋がり、見え隠れする犯人像はどう考えたってミスリードなのだけど。かといって真犯人は……? と悩まされました。キャラの魅力もあって一気読み。続編期待したいなー。

  • 本編の後の既刊案内に松本清張が並んでいてニヤリ。

  • 好みの手を収集し。
    魅せられてしまったからこそ、犯行をする際の感覚が麻痺していたのかもな。
    親子で逃げ切り未だに生きているのであれば、手際よく隠されている可能性もあるよな。

  • ネットに挙げられた情報から個人を特定する技術...忌女ってこわい
    圏内ちゃん含む忌女達がターゲットを追い詰めいていく様子は見ていて気持ちがよかったし、猟奇殺人鬼の過去の描写、有倉親子などのキャラクターの掘り下げが良くて黒幕側の解像度が高い。
    ただ個人的な好みとしては、名前の呼び方以外にも真犯人につながる伏線はもっと散りばめられていてほしかった。あ、なるほどこの人かー!ともっと驚きと納得が欲しかった。気持ちのいい裏切りを期待します。

  • 通信圏内でしか生活できないHN圏内ちゃん。ある日ネット上で拾った些細な投稿から「左手を切断される連続殺人事件」に巻き込まれる。ネットに溢れるあらゆる情報や掲示板に集まる人達を駆使してジワジワ追い詰めていく。外出もままならない圏内ちゃんをあらゆる面でサポートするパートナー朔太郎の存在も良い。可愛い表紙であまり期待してなかったけど(←偏見)もっと早く読めば良かった。雰囲気はライトだけど、しっかりミステリー。シリーズ物なので楽しみ。

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著者プロフィール

1969年、静岡県生まれ。第8回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉として『死亡フラグが立ちました! 』(宝島社)で2010年デビュー。
他の著書に「ドS刑事」シリーズ(幻冬舎)、「山手線探偵」シリーズ(ポプラ社)、「バリ3探偵 圏内ちゃん」シリーズ(新潮社)など多数。

「2023年 『全裸刑事チャーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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