こちら、郵政省特別配達課(2) (新潮文庫nex)

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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800189

感想・レビュー・書評

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  • 2023/07/15-07/23

  • なんでも採算度外視で届ける、郵政省特配化の活躍を描く完結編。

    今回は対官僚、省庁再編との攻防に。郵便配達に公務員としての矜持をかける主人公たちの戦いが熱い。

    もともとはソノラマ文庫で出ていた作品。
    新潮文庫NEX版では、3.11当時の三陸を舞台とした書き下ろし短編「暁のリエゾン」が追加収録されてます。

  • 軽くてササッと読み終える。元祖ラブコメともいえるか。多分いろんな人に影響与えていそう。

  •  前作「こちら、郵政省特別配達課」の続編。本作は省庁再編で存続危機に陥った特配課の抵抗を追う長編。
     前作のような派手な配送シーンがメインではなく、存続危機に陥ったメンバーがどのように抵抗を試みていったのかが主に描かれている。何でもかんでも機械化が進み、それは配送事業にもいずれは訪れることのようにも思える。しかし、人から人へ送るものだから、やはり人の手を経由して心や思いまで届けるということは大切なことかもしれない。そうした部分ではやはり機械は人にはかなわないし、忘れてはいけないことのようにも思えてくる。

  • 物語としては面白かったのだけど、前半のレーシング小説的な内容と、政治的駆け引きが主体の後半への転調、更には突然の幕引きと、一冊の中でのあまりの変化に戸惑いました。
    本当はもっと長く続くシリーズにしたかったところが、何らかの事情によって二巻目で終わらざるを得なかったのか。
    少し残念な終わり方でした。

  • まさかの特配課解散…。驚いたわ。
    そんな展開が待ち受けてるとは露知らず、カーレース熱いなーと呑気に楽しんで読んでたら…いや、予想外という点に関してはいいのかな?うん?
    G-NETか、将来的に実装されそうなシステムだよなこれ。
    地下鉄とか作ってるくらいだから、こういうシステム導入するようなことが未来ではあるのかもな。
    どんどん近未来化していくもんな、ここ最近の日本というか世界は。
    首都移転とかも本当に現実問題たびたび浮上する話題でもあるし。
    かなり現実的な話作りしてるよなこの作品って。

    それにしてもカーレース熱かった!
    やっぱ美鳥の運転スキルって並じゃないよな(笑)
    一巻読んだ時に、絶対ドライブテク上級者だと思ったもん。
    まさか走り屋のトップに上り詰めた相手をぶち抜いてしまうとは…・
    しかも、仕事の最中の出来事って。なかなか凄いよな。
    ちはるにとって、美鳥と対戦出来たことは良かったよな。
    やりたいことが分かるってのは大事。
    それにしても静の年齢いくつなんだろうか(笑)
    めっちゃ達観してたから気になる。
    というか、まさかのカナがレーサーになるなんて思わなんだ。
    なるとしたら静の方がまだ有り得ると思ってたのに。
    まさかのカナの方だったか。
    ちはるはお父さんを継いでトラックの運転手になったんだろうな、あのまま。

    水無川長官も、元々根は良い人なんだろうけど履き違えちゃったのが敗因だな。
    ただ最後、妻にきび団子届けることでようやく初心に戻ったのは偉い。
    しかし、一体遭難した水無川を助けた先での避難小屋でどんな説得したのやら(笑)

    慧も灘も自分を見なおせて良かったな。
    あの年齢くらいに自分の身を振り返れるのは大きい。
    きっと灘はちゃんと前を歩いていける。
    それに慧がしっかり寄り添っていくんだろうなぁ。

    で、ようやく美鳥と鳳一納まった!
    前回くっついたとこで終わっちゃったからな。
    今回はちゃんとプロポーズもして納めたな、偉いぞ鳳一!
    鳳一、なんだかんだこういうとこちゃんとしてるから言うとは思ってた。
    遭難した水無川助けに登山してたときも、体力温存を念頭に行動してたしな。
    ちゃんとしてるよな。

    最後の震災の話は泣きそうになった。
    タイムリーすぎた。
    こういう救助に来てくれる人いたら本当に心強いよねきっと。
    鷹野はお姉ちゃんと会えて良かった。

    これで終わりっぽいよね?
    綺麗に納まったし、良い作品だった。

  • 【収録作品】本編/暁のリエゾン

  • 前巻に続いての荒唐無稽な設定に、やはり若干の違和感を隠しきれない展開。荒唐無稽なればこそ、もっと大胆にホラを吹いて欲しいな、というのは贅沢なのか。文章のリズムがワシと合わないのもあって、折角の設定に入り込めなくて残念。

  • シリーズ2作目。
    相変わらず突拍子もない設定で、かつ前作より話のスケールが大きくなってました。
    政治はよく分からないけど、色々あるんだなぁと。

  • 郵便ならどんなものでもお届けしますが、モットーの郵務部特別配達課、通称 トクハイ の仕事を描いた作品の第二巻。
    今回はそんなトクハイの存続を脅かすG-NETと呼ばれる配送システムに美鳥と八橋の二人が挑む。そのなかで二人は郵便物を運ぶということがどういうことなのかを改めて実感することとなる。果たしてトクハイはどうなってしまうのか、そしていい感じの二人の関係もどうなるのか。

    一巻を読んでこの作品に引き付けられたのでこの二巻を読むのを楽しみにしていた。実際にこんな仕事があったら面白そうだなと思う。この作品では所々に車などの機械についての説明が細かく描写されていてそういうのが好きな人には面白く感じられると思う。

    あなたは郵便物にどんな気持ちを込めますか? そしてその思いは相手に届いていますか?

著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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