ここで死神から残念なお知らせです。 (新潮文庫nex)

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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800226

感想・レビュー・書評

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  • 若い人にも、私のような平均寿命をとっくに半分以上過ぎた人にも読んでほしい作品。

    私がこの10数年読んできたのは榎田ユウリ作品より榎田尤利作品の方が圧倒的に多いのだが氏の作品は読むと必ず何かメッセージを残してくれる。
    この作品は終始「人は必ず死ぬのだよ」と繰り返す。人は死ぬのは当然の事だし、自然の理で誰も抗うことも覆すこともできない事実だ。
    しかし死が10年先か1年先か、明日か、1分後なのか。誰も分からないのに自分の事だと思っていない。それは多分ずっと先の事だと私達はなんとなく思いこんでいる。いや、思いたいのだ。できれば死の瞬間まで自分の死には触れずにいたいのだ。(たとえ墓や葬式の心配はしても)
    必ず来る自分の死を受け入れられないから、生きることも中途半端なのだ。したい事、しなくてはいけない事を怠惰に先延ばししている内に死は目の前に迫っているかもしれないのだ。
    主人公の梶は最後の最後で生き抜いたのかもしれない。それは死神の気まぐれだったのか死神の上司の采配だったのか。色々想像できるけれど、ラストのエピソードがなかったとしても私は梶はちゃんと生きたのだ思うことができた。
    梶は死神の手伝いをしながら人の死に向き合い、自分を慈しんでくれた人達の思いを受け取っていた事を知り、死んでいたけれど生き抜いたのかもしれない。そう思う。だから読み終わって、ひどく切ないけれど救われた思いがするのだと感じた。

  • 人間として生きる意味と覚悟を改めて認識させるところあり、ハートウォーミングなところもあり、で凄くおもしろかった。

  • 主人公がまさに今の自分で、読みながら尻を叩かれているようだった。
    明日から、明日やろう、
    そう思っていて、死ぬ時が明日かもしれない。
    ふと焦りを感じた。
    死生観が自分の考えているものと似ていて、
    読んでいてボロボロ泣けてしまった。
    怖い、悲しい、ではないんだけど。
    死神の妙に明るい口調がテーマを重くし過ぎず中和してくれて読みやすかった。

  • ラストが意外や意外!
    内容も、たった2日間の話なのにすごく濃厚だった。
    続きも買ったので、楽しみに読みます!

  • 献本で読んだ本です。
    こんないい作品に巡り合わなかった自分が不幸と思えるほどです。
    まず、タイトルが良いです。「ここで」があることで物語が始まる予感がします。カバー挿画が印象に残ります。この二つで献本申し込みました。是非本屋で手に取ってください。
    軽ーいノリの死神と暗い引きこもりの漫画を描かない事象漫画家のやりとりがテンポよく進むので、あっという間に読み終えてしまいます。
    でも生きることについては考えさせられる本だと思いました。奥が深い。
    続きがあるようなので、読むつもり。
    一番大切なことを、いつも後も後回しにし続ける人にはぜひ読んでほしい本です。

  • 全く予備知識なしにジャケ買い(^ ^

    死に神と、死に神に翻弄されるニートの
    キャラクター設定が秀逸(^ ^
    また死に神の能力や「設定」が細かく気配りされていて、
    突飛な話ではあるのに素直に楽しく読めた。
    「最後に父に送るメール」も、シャレが効いてる(^ ^

    エンディングは、救いがあるような無いような...(^ ^;

  • 死神さんの言葉がぐさぐさ刺さるなあwww 会話のテンポがいいので読んでいて楽しかった。重たくなりそうな内容ですが、最後まで読めました。実際はどうなんだろうなあ……。

  • 死神の設定がまずぶっ飛んで手面白かった。イケメンさわやかな死神。主人公の方が死神にしか見えない男子。そしてひょんな事から知り合って、少しずつつ主人公が変わっていく中で訪れるどんでん返し!そしてまた最後に面白い趣向が。最後まで一気に読めました。孤独死・・・そして、自分の身の回りのものは整頓しようと思いましたw「成せる事は今すぐ成せ」胸に覚えておこうと思いました。

著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2023年 『妖奇庵夜話 千の波 万の波』 で使われていた紹介文から引用しています。」

榎田ユウリの作品

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