御手洗潔と進々堂珈琲 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 511
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800257

作品紹介・あらすじ

京都の喫茶店「進々堂」で若き御手洗潔が語る物語(ミステリー)。進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四つの物語。『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』改題。

感想・レビュー・書評

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  • ティーンズ向け島田荘司!と思って飛びついたけど、かなり重いテーマな4篇。

    京大を目指して予備校に通う、ぼくは珈琲店「進々堂」で京大医学部の御手洗さんと出逢う。
    最初は大学や勉強について相談していたけれど、世界放浪の旅から帰ったばかりの御手洗さんが語る話は興味深くて。

    ぼくが地元の漁師街で体験した大人の女性との切ない思い出
    御手洗が英国で出会った発達障害をもちながら、重量上げの競技に打ち込む青年とその父親の奮闘
    御手洗がLAで出逢った韓国老人の戦中の過酷さと悲願花
    御手洗がシルクロードの西域、カシュガルで出逢った老人の過去と桜

    ぼくのコークハイの思い出以外は、とにかく重くて辛いお話ばかりなんだけど、最後は少し光がほんのり灯るように終わっていて、ホッとする。

  • 島田荘司さん2冊目。凄いぞこのシリーズ!京都大学にある進々堂、2月に行きたいと思っているが、何とドンピシャ本屋で進々堂の文字を発見し衝動的に購入。予備校生のサトルと京大生の御手洗の回想により話しが進む。全ての話がインパクトがあり、ノスタルジーを醸し出し、本当に素晴らしかった。アメリカンパブの美紗、学習障害の店員、IQが低い重量挙げの選手、朝鮮人姉弟、ウィクルの老人と美人ダンサー、全てが圧倒的に面白かった。御手洗のパーソナリティはとてもいいね。以前読んだ「占星術殺人事件」も御手洗さんだったのね。

  • こういう話だと、御手洗潔氏は作者の代理人みたいな印象が強いですね。
    個人的にはあまり好きではない。

    若き日(と言っても幾つなんだろう)の御手洗氏と聞き手の予備校生の青年との会話及び海外語り。

  • ”御手洗潔と進々堂珈琲”島田荘司著 新潮文庫nex(2015/01発売)
    (イラスト:toi8 2011/04発売 新潮社”進々堂世界一周 追憶のカシュガル”改題)

    ・・・進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語。(公式サイトより)

    ・・・どの話もそれなりには読めましたが、”若き日の名探偵”で一冊丸々使っておいて、ミステリなしという構成ががびっくり(笑)
    進々堂ブレンド1974・・・語り手のサトル君の思い出。
    シェフィールドの奇跡・・・学習障害の重量挙げ選手の話。
    戻り橋と悲願花・・・韓国人徴用工の話。
    追憶のカシュガル・・・西域の老人が語る思い出。

    あー、三話目と四話目で”御手洗(作者)ってそんな話を信じてるの?”というエピソードがあったのでマイナスに感じるところも多かったです。
    御手洗(作者)の格が落ちたように感じるので熱心なファンの方は読まない方が良いかと。

  • 若き京大生時代の名探偵が語る、世界で出くわした「悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語」(うち冒頭の一篇は聞き手であるサトルの物語だ)。謎めくミステリー要素は御手洗潔が登場する割にとても控えめであるが、歴史や世界の大きさや深さを豊潤なストーリーで楽しむことが出来る。そして慈愛に満ちたその姿はいつもどこでも変わらないのだということに、私のような名探偵のファンはとても満足する。

  • 進々堂、に惹かれて読んだけど、イマイチよく分からないお話でした。御手洗さんの経験を語る感じなのかな…。シリーズもののようなので、順番から読めばまた面白い話だったのかもしれません。

  • 京都、旅、戦争。若き日の世界放浪帰りの御手洗潔が語る悲しい物語。街の描写が旅愁を誘う。
    謎を待ちながら読んだので、肩透かし。

  • いやこれミステリーのカテゴリ!?学生時代の御手洗なのか!!読んだよかったけれど☆

  • 今年の読書は若き日の
    御手洗潔から。
    どの話も歴史の奥行き
    を感じさせるミステリーでした。

  • 若かりし日の優しい御手洗潔が新鮮。ファン必読。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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