シャーロック・ノート: 学園裁判と密室の謎 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 631
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800301

作品紹介・あらすじ

学園裁判。暗号。密室。謎vs論理の青春ミステリ。剣峰成は退屈していた。都内屈指の進学校にもかかわらず、クラスメイトは凡庸な生徒ばかり。目指す高みには到底たどり着けそうにない……。そんな成の前に現れた少女、太刀杜からん。彼女との出会いをきっかけに、成は鷹司高校の真の姿を目の当たりにする。論理と論理をぶつけ合う学園裁判。殺人と暗号。連続密室爆破事件と犯人。若き才能が放つ、青春×本格ミステリの新機軸。

感想・レビュー・書評

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  • 探偵学園モノ。学園裁判と書いてあり、ルヴォワールシリーズのような感じかと思いきや、第1章の少しだけでした。ミステリ四大奇書、黒死館殺人事件と、鮎川哲也さんの小説からオマージュされた登場人物が出てきます。他にもいるのかもしれないですが、気付きませんでした。
    また、円居先生の小説からもスターシステムで何人かの登場人物が出ており、西尾維新的というかラノベ的というかなんだかなぁと感じてしまいました。プロットは格別面白いかと言われるとそーでもないです。

  • 新入生歓迎行事として行われる”学園裁判ゲーム”。生徒会長を相手に,得体のしれない今年度の特究生を指名し,立証,そして論破する。辻褄さえ合えば何事も許される円卓上で繰り広げられる論理の攻防戦。先の見えない戦いはこの言葉から始まる。「汝は稀人なりや?」

    日本に二つしかない探偵養成学校に入学した剣峰 成。そこで同級生・太刀杜からんと出会う。探偵士という職業が高い地位を持つというラノベ的な世界観の中にもしっかりとした本格ミステリの軸がある。

    ユニークな名前にもちゃんと理由があって納得できた。

  • この作者の本は初めてだったので後味悪かったらいやだなーって思いながら読んだんだけど、さわやかに終わったのでよかった。
    鬼貫警部のキャラ勝手に使って大丈夫?っていう心配と、もしや他の名探偵も既存キャラなのかな?っていう期待感とがある。
    地味だとか人気ないとか言われてたけど私は好きなんだけどな、鬼貫警部。
    鬼貫警部シリーズ読み返したくなった。

  • 作者によると、ルヴォワールシリーズとパラレルワールドになっているとかいないとか…
    さて、円居挽と言えば頭脳と頭脳が音を立てて削り合うコンゲームを得意とする作家といったイメージがあります。
    この新シリーズでも、その力は如何なく発揮されており、ルヴォワールシリーズのファンも安心して手を出せるでしょう。と言っても丸太町しか読んでないのですが…
    1話では双龍会を彷彿とさせる、私的裁判のような展開が楽しめます。ここでは、真実を問わず、相手を納得させれば勝ち、とコンゲームを戯画化し、限りなくゲームに近づけた印象です。
    2話は、一見普通の事件に見える序盤から、あれよあれよと主人公vs警察という構図に持っていくのは、なんともらしい笑
    3話も結局は爆弾魔との頭脳戦となり、壮絶なバトルの末、新たな決意をします。
    一冊まるまるプロローグといった感じでしょうか。
    次巻から、本格的に剣崎少年の探偵修行が始まるようです。

  • この作者さん、頭のいい人のディベート物が好きなのかな?第1章はルヴォワールシリーズに似た展開。リアルではありえない大仰でぶっ飛んだ設定の学園物。有りそうで無さそうを素通りして清々しくもある。こちらもそういうものだと思って調子を合わせて受け入れるように読むといいかも。タイトルの“シャーロック”は“探偵”繋がり以外あまり関係ないかも。

  • 学園裁判が双龍会のような会話劇で楽しかった!
    五条会長好き。
    探偵養成学校、日本探偵公社、黒衣の天親獅子丸通称キングレオ、って某JDCのようで心が躍るよ!!
    独自の推理方法とかね、ときめく。

    次巻以降はまた学園もののノリに戻るのかな?
    一癖も二癖もありそうな寮生活楽しみにしてます。

    「我らの祖たるシャーロックの
    名にかけて問う。汝は稀人なりや?」

  • 探偵を養成する高校。事情があって進学した主人公は学生生活に馴染めずにいたが、毎年新入生と在校生が対抗して行われる学園裁判に参加することになる。
    面白かった。けど、みんな事情あり過ぎでは…。犯罪被害者か探偵の身内じゃないとこの学校来れないのかな?ぐらいに事情盛り盛りなのが少し気になった。

  • 剣峰成は退屈していた。都内屈指の進学校にもかかわらず、クラスメイトは凡庸な生徒ばかり。目指す高みには到底たどり着けそうにない…。そんな成の前に現れた少女、太刀杜からん。彼女との出会いをきっかけに、成は鷹司高校の真の姿を目の当たりにする。論理と論理をぶつけ合う学園裁判。殺人と暗号。連続密室爆破事件と犯人。若き才能が放つ、青春×本格ミステリの新機軸。



    3つの章で成り立つ物語。学園裁判、成くんがなぜこの学校に来たのか、成くんの後見人と宿敵の決着。学園裁判は、スピーディに話が進み面白かった。なるほど、そういうふうに持っていくのねと思った。成くんの過去は、少し悲しかったけど、なんだか盛りすぎじゃない?と少しだけ思った。殺人事件と航空機爆発事件が同時に起こることなんてあるの?それもどちらの事件もある意味関係者が同じなんて。


    そして、最後の事件は少し呆気なく終わってしまったかんじがした。プロローグに出てきた爆弾魔が再び現れたのはいい。何かの目的で成くんに近づいたものいい。だけど、案外簡単に捕まってしまったのか残念だった。「フハハハ!探偵諸君、私を捕まえてみたまえ!」じゃないけど、逃亡してほしかった。なんか、裏に謎の組織があるような雰囲気だし。



    たぶん、これはシリーズ的なかんじでこの後にいろいろ続いていくんだろうなという雰囲気はある。だって、今から所属する寮が決まるって言ってたし。裁判と事件がわずか2日の間の話だったとは思わなかった。突然、狙われすぎじゃない?成くん。


    2023.10.12 読了

  • ミステリーとバトル要素を掛け合わせたような話だった。どう話が進むのかわからなくて読んでて面白かった。

  • 日本に2つしかない探偵養成学校鷹司高校に入学した剣峰成はクラスメイトの太刀杜からんと星覧試合に参加することに。
    第1章 学園裁判と名探偵
    第2章 暗号と名探偵

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著者プロフィール

ミステリ作家。1983年、奈良県生まれ。2009年に『丸太町ルヴォワール』で講談社BOXからデビュー。同作から始まる〈ルヴォワール〉シリーズ(講談社)のほか、著作に『キングレオの冒険』(文藝春秋)、『シャーロック・ノート』(新潮文庫nex)など。

「2022年 『円居挽のミステリ塾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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