その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

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著者 : 河野裕
制作 : 越島 はぐ 
  • 新潮社 (2015年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800349

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)の感想・レビュー・書評

  • 『その白さえ嘘だとしても』読了。同作品は階段島シリーズ第2弾としての作品で、端的に説明すると階段島という閉鎖された島の中で様々な問題が繰り広げられ、それについて主人公たちが何かを考える物語である。同作の作者である河野裕さんは物事の本質を捉える文章を書くことに長けており、地の文の隅々までその特徴を反映し、私たちを魅了している。例えば一本の細長い針金について考えてみる。一本の針金はそのままにしておけば真っ直ぐの美しい線のまま保たれる。しかし、生きる上ではどうしても意識的であれ無意識的であれ「歪み」というものが必要になり、針金をぐにゃぐにゃにしなければならなくなる。そして私たちはその歪みを少しでも矯正すべく手を施し、真っ直ぐにしようと努めるのだ。そのように、同作品では比喩表現が的確に綴られている。私たちの世界でも、あるいは本質的な物事を紐解くとすれば比喩表現が必要になるのかもしれない。そう考えさせられる作品だった。

  • 時任が真辺由宇を危険視しているのが気になる。次作に何が起こるのか?

  • 今巻で魔女が誰なのか分かってびっくり。
    堀が魔女だったのか。
    最初堀かなーとは思ったけど、途中からやっぱ違うかなって思ったから少し驚いた。
    でも、七草の発言が気になる。
    時任さんは恐らく魔女だって言ってたのに、堀が魔女だと確信して聞いたから一体どういうこと?
    時任さんだと思ってたけど、E線を持ってきたのが掘だからそこで堀だと確信して思い直したってこと?
    それとも時任さんのことも魔女だと思ってる?
    魔女は2人?
    そこがちょっと気に掛かった。

    七不思議のトリックは見事だった。
    豊川が仕組んだとはね。
    そんなにバネの上の店主に演奏聴かれたくなかったのか。
    というか、店主がバイオリン奏者だったなんてな。
    もう弾くことは無いのかな階段島にいる限りは。

    トクメ先生が超絶ゲーマーとかまじか。
    しかも、美女。
    トクメ先生何者なの。
    これ掘り下げてくれるよね!?
    トクメ先生のこともっと知りたくなったわ。

    委員長が結構腹黒で笑ってしまった。
    でも、由宇との距離が縮まったみたいで良かった。

    七草と由宇はまた少し良い感じに。
    由宇はやっぱり七草相手だと違うよなぁ、委員長の言うとおり。
    他の人には確かに無頓着だけど、七草のことはちゃんと考えてるもんな。
    プレゼント渡してたし。
    手袋だと思ったわ(笑)

    一巻で結構綺麗な区切りがついたからどう続くのか不安だったけど、杞憂だったわ。
    これなら次も読んでみよう。

  • 〇クリスマスイブに向けて起こるたくさんの謎。解決する七草たちの姿は愛おしささえ。
    突然、階段島で起こる事件。
    突然ネット通販の荷物が届かなくなり、島のみなが大混乱に陥った。
    真辺は七草と共に探し始める。
    しかし、他にも次々と事件が起こり始める。
    大量に配達しなければならないクリスマスカード(時任さんの仕事)、中等部の少女の切れてしまったE線(探すのは七草のクラスメイトの佐々岡の仕事)、豊川さんに浮上したストーカーされている疑惑(水谷委員長の仕事)、大地くんがいなくなってしまったこと。探したい魔女の正体。
    そして、クリスマスに関する七不思議が、島中に広がっていて、それが少しずつ実現してきていること。
    七草と真辺、そして水谷・佐々岡・時任たちはこの謎を一人ひとり連携しながらバラバラに探していく。そこでそれぞれがたどり着いた真実と、謎が起こった理由とその結論は・・・!


    一つひとつの謎が一つの結論に収斂していくさまは秀逸。
    すべてが違うように見えて実は一つの課題を解決するために一人によって仕組まれたことだとは、明かされるまでは全く気付かないだろう。―――前作も読んでいる勘のいい人以外は。犯人がわかっても、どのみちその思考までは読めないはずだ。

    再読してはじめてわかったこと。
    p247をじっくり読まないとタイトルの意味を推測できなかった。
    水谷が、真辺に嫉妬する(ようにわたしには見える)場面がある。水谷は真っすぐに正しいつもりなのだろう。しかし、真辺は水谷以上に真っすぐだ。自分の行動の軸がどちらにあるか、の違いなのだろうか。どちらも正しく、どちらも間違っているようにも思える。
    しかし、"白はなんにも混ざらない色だ。あらゆる混色が決して届かない色だ。まっ白なヒーローを目指す混色の少年は、まっ白な優等生を演じる混色の少女は、きっとそのことに自覚的だ。なのに純白から目を逸らせない。それが美しい色だと知っているから。純白を目指す混色の幸福とはなんだろう?僕にはその答えがわからない。(p247)"
    と七草に筆者が語らせているように、真辺は純白だ。真辺は誰にも混ざらない。誰からも混ざらない。混ざってはいけないのだ、と七草が願っている。
    たとえ、水谷や佐々岡が嘘の白さだったとしても、(彼らの高校生らしい一生懸命さには嘘の白さも読者は感じることはないのだろうけど、)本当の白さはこの物語では、否、ほとんどすべての人間は持ち合わせていないのではないか。真辺以外は。


    p66の比喩の意味はわからない。
    でも、七草と真辺の関係性を示しているのだろうし、きっと次作以降を読んだらわかるかもしれない。しかし信頼しあっているが恋愛関係ではないかもしれない、みたいなこの関係は切なくなる。悪い意味ではなく、応援したくなる意味で。

    たくさんの謎を解決する七草は頼もしい探偵だが、それ以上に、この物語に出てくるお互いがお互いに思いやりやそれに近い感情を持っていて、愛おしい。ここに出てくる感情を大事にしたいな、と思った。

  • クリスマスの七不思議を調べていくと思いもよらない事実が浮かび上がり面白かった

  • ただただ面白かった。
    このシリーズがどう続いていくのか、"群青"を読んだ時は疑問しかなかったが、こんな展開になるのか。
    個性的だが読んでいて楽しいキャラクターたちの掛け合いや、好ましい主人公がとても良い。

  • クリスマスを間近に控えた島では、いくつかの噂があった。
    それは七不思議と言われ、急速に拡散した。
    そして不思議なりに届いていた通販物品が急に届かなくなった。
    今回は主人公の七草以外の視点も。
    それでもクリスマスはやってきて、様々な噂を拾い上げていくうちに七草は魔女にたどり着く。
    魔女の正体はあの人しかいないだろうなと思いながら読んでいた第二弾でした。
    島にいる人々が捨てた自分であるならば、現実世界の彼らはいったいどんな人間になっているのでしょう。

  • 階段島シリーズ。
    そうなんだよな、彼はそして彼女は探偵役より犯人役の方が似合ってしまうんだよな。
    誰もが欠けていて、寂しい、寂しい寂しい寂しい。なのにどこか幸福でもある。
    意外なようで当然のような魔女の正体と、次巻も読まねば。
    七草と真辺と、みんなが笑顔になればいい。

  • 2月5日読了。図書館。

  • 階段島の大きな謎がひとつ、解き明かされたのだけれど、だからといって事態が大きく動いたわけではなく…。

    真辺に同調しつつも、堀にも寄り添う七草が、最後はどのような決断を下すのだろうと思い至る巻でした。

    彼らの行く末にじっくり付き合ってみようと思います。

  • あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。

    クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

  • 【状態】
    貸出中(予約0)

    【内容紹介】
    クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない―。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

    【キーワード】
    文庫・シリーズ・青春・ファンタジー・高校生・恋愛・友情


    +++2+3

  • シリーズ2作目。全作と同様、どの登場人物も違和感があり嘘っぽい。物語に入り込めず、完全に置いてきぼり。

  • 階段島2作目
    階段島の成り立ちの不思議に目をつむれば,少しミステリータッチの青春物.だけどこのクリスマスイブのちょっとした七不思議をも有効利用して,階段島あるいは魔女の謎をとくヒントにする七草の頭脳のさえに感服.

  • 「あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、寸断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。」


    いいよいいよ~、1作目の良くわかんないままに「ああ、美しかった…」で終わった時とは違い、今作はこちらに心の準備ができていたので、がっちり世界観とキャラクターの心情を楽しむ事が出来ました。
    やっぱり私はこのシリーズを青春恋愛ものとして読んでいこう。

    主人公のヒロインに対する想いが、もう痛いくらいに切実でつらい。つらいけど、あまりにそれが綺麗なので、尊いな、とさえ思えてしまう。
    主人公七草は、どちらかといえば探偵とかヒーローではなくて、犯人役が似合うような子なのだけれど、ただただヒロインの真辺由宇に対する想いが純粋で切実で、それだけで愛しくなる。
    今作では島民である他のキャラクター、時任、佐々岡、水谷、それぞれの視点でそれぞれの物語が同時に描かれるのだけれど、彼らの事も愛しく思えてしまって、だからこそつらかった。特に佐々岡の物語な!ずるいでこれ!

    純粋で、まっすぐで。「白い」ということは、美しくもとても危うい。何よりも汚れやすいという事だから。白いままでいることって、本当に苦しい。その色が美しいと知っているからこそ。

    自分が捨てた欠点は、もしかしたら、かけているからこそ美しく純粋であるんじゃないか。
    欠点は、個性として愛されるべきものなのかもしれない、という優しい肯定がほの見えて、少し救われた。

  •  「いなくなれ、群青」に続いてシリーズ二作目は、階段島のクリスマスイブの一日を描く。

     島唯一のライフライン、インターネット通販で注文した品物が島に届かなくなった。

     島に逃げ込んだ天才ハッカーの仕業という噂を聞きつけた真辺由宇はハッカー探しを始める。

     学校で偶然出会った後輩の頼みで、切れたヴァイオリンの弦を探し、
     
     委員長の水谷は真辺にイブのプレゼントに何を送ろうかを探し、

     郵便屋の時任は、噂になっているクリスマスイブの七不思議を探す。


     みんな探し物ばかりしている。

     その中で七草も動くが、彼の探し物とは。


     今回も七草が暗躍しての探し物。

     視点がコロコロ入れ替わり、それぞれ別の行動をしているように見えて、最後はわらしべ長者のようにモノがヒトへと渡っていく。

     それぞれの探し物は見つかるのか。

     クリスマスイブに奇跡を起こす。

  • 二冊目。不思議で静かで冷たい雰囲気のお話。この作者さんの他の話ではそこまで思わないのだけれど、このシリーズの言葉の書き方がきれいで好き。
    2016/9/7

  • それぞれの登場人物たちの視点で少しずつ話が進んでいくのが面白かった。
    七草は想像以上に黒幕が似合う。

  • 皆の気持ちが細いE線の上を渡るように、臆病に覚束なく繋がっていくのがいじらしい。
    物語だからじゃなく、イヴの夜くらいこんな結末があって良いと思う。

  • 「階段島」シリーズ2作目。島のライフライン遮断事件とクリスマスの七不思議。前作とは趣向を変えた群像劇。欠点が強調された描写なのに登場人物に愛着が湧いてくる。階段島の性質が今回も生かされていたのと色の使われ方が印象的。

  • 階段島シリーズ第二段。
    クリスマスイヴを控えて、階段島には七不思議の噂。
    それに追われてか追ってか、走り回る七草と同級生達。

    最後まで読んでみて、大地誘拐のくだりと時任さんの動きだけがイマイチ、わかりかねたので、また時間を作って再読します。

  • 前回の小説が素晴らしかったので、辛くなってしまった。途中で、中だるみがあり、詠むことがつらい部分があったが、やはり、青春の傷つきやすさ、完璧な白さでなくても、不完全な部分があってもいいというメッセージには、感動してしまった。やはり、この筆者は、SFとヒューマンドラマが組み合わさり素晴らしいと思った。他のただの面白さだけのライトノベルと違うと思った。

  • クリスマスはみんな誰も彼も、探し物をしてる。佐々岡と委員長を中心に、七草や真辺も動き回る。そして最後に魔女の正体も!階段島第二作、時任さん、怪しすぎます。

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あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、寸断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

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