創薬探偵から祝福を (新潮文庫nex)

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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800547

作品紹介・あらすじ

病の原因を突き止め、命をつなぐ――創薬探偵。創薬チーム、それは原因不明の難病奇病に苦しむ者の最後の望み。主治医からの依頼を受け、限られた時間内に病のメカニズムを解明、対応する新薬を創造して患者を助けるのが彼らの役割だ。調査担当の薬師寺千佳と化学合成の鬼才・遠藤宗史。ふたりは、数々の難題をクリアして得た成果で、ある女性を救おうとしているのだが――。化学×人間ドラマ。ミステリの新たな扉が開かれる。

感想・レビュー・書評

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  • 最近、医療系のが続く。

    創薬は大きく分けて5つのプロセスから成り立っている。①基礎研究、②非臨床試験、③臨床試験、④承認申請と審査、そして⑤認可と発売みたい。

    創薬探偵と探偵って名前ついてるけど、犯人を探すとかより、薬を探すというか、作るというか…
    ここでは、①と②ぐらいして、いきなり人に使うという感じ。まぁ、もう効くものないし、これに賭ける!やな。

    さらに、オーダーメイドの薬作りか…
    凄いお金かかりそう…
    実際にこの話でも、高額請求してるし…
    確かに、原因不明の病気を解明するこはお金かかりそう。
    製薬会社も凄いお金掛けて、薬作ってるしな。

    とは言え、最終目的は、お姉ちゃんを治す事!
    その為に、ホントの仕事は結構犠牲ににして、創薬に!
    幾らギフテッドとは言え、そんな簡単にできたら、製薬会社の立場がなくりそうな…

  • 難病の患者から大金を受け取って新薬を創り出すという創薬チームの遠藤宗史と薬師寺千佳。二人は眠ったままの遠藤の婚約者で千佳の姉の姫子を救うために、この仕事を請け負っていたのだ。次々と難病を救っていくのだが、いったいこんなに上手くいくものだろうか。遠藤が化学合成の天才というが、こんな人は実際にいる?ぜひともこのチームに新型コロナを治癒する新薬を創って欲しいものだ。
    人物の描き方も話の進め方も上手くて、ぐいぐい読まされるが、最後がちょっと無理やり感があるかな。

  • 治療の過程をミステリ化した作品は珍しくなくなったが、そこから一歩踏み込んで創薬まで描いたのが新機軸になるんだろうか。いろいろ架空の奇病が出てくる辺り、初期の怪奇コミックに分類されていた頃のブラック・ジャックを思わせて楽しい。

  • 創薬なんて言葉、初めて聞いた。スゴイことだわぁ。

  • こういうの私は好きです!ラブケミストリーも読みたい

  • 希少な難病のための薬を創る医療もの。警察でいう特捜チームのようで興味深いけど、一般人にはお支払が…。


  • 1人の難病患者のために、病の原因を突き止め命をつなぐ創薬探偵。患者や状況等の調査担当薬師寺千佳と、構造を見ただけで全合成ルートが分かる合成者遠藤宗史の2人体勢。URT超希少疾患特別治療なる架空の制度のもと、創薬に挑む。(ウルトラ)オーファンドラッグ制度もあるが、面白い設定。病気の原因を犯人・創薬するのを探偵と呼び、ビトロ試験から人体へあたりの人体実験感が気になってしまうからか、会話の感動感が薄い。iPS細胞も出てきて創薬の進め方が出てくるあたりは面白い。姉の婚約者である遠藤に対する千佳の想いの行方も気になる所。

    URTについて、実質的な人体実験ではないかという批判。費用は全て患者負担で高額。どうせ死ぬくらいなら挑戦という感じであれば、こういったパターンもありか。著者はDSPのよう。
    作中のリュオードというベンチャー企業。医薬品の販売ではなく、特許の使用権を売ることで利益を上げる企業。商品になる特許の出所は、大学や製薬企業。出願されたまま放置されていた特許を拾い集め世の中のニーズを的確に把握した上で、それらを提供する知的ビジネス。各大学や政府がTLOで取り組んでいるが、実際にはなさげ。作中では、ドラッグリポジショニング(既存の薬から、元々の用途以外の病気にも効くものを探すこと)が狙い。昔自分達で合成した化合物で特許を取って売るという話らしい。

  • 創薬チーム、それは原因不明の難病奇病に苦しむ者の最後の望み。主治医からの依頼を受け、限られた時間内に病のメカニズムを解明、対応する新薬を創造して患者を助けるのが彼らの役割だ。調査担当の薬師寺千佳と化学合成の鬼才・遠藤宗史。ふたりは、数々の難題をクリアして得た成果で、ある女性を救おうとしているのだが―。化学×人間ドラマ。ミステリの新たな扉が開かれる。

  • こういう化学とかの専門の人だからやっぱりマニアックに感じる内容も出てきてそれが面白かった。姫子についてなかなか触れなかったからどうなるのか想像つかなかった。最後、遠藤が失認になるのとは思わなかった。姫子が起きたこと?で遠藤も元に戻れたし、良かった。蓮見と千佳は案外合ってるのかなーと最後千佳が笑った辺りで思った。
    創薬ってどんな感じなのかよく知らなかったけど読んでて面白かった。

  • 東大で薬学を学び製薬会社に勤務しているという喜多氏の経歴が本格的に活かされた初めての作品かも。
    ストーリー構成はもう一つだったけれど、URTという架空の制度を編み出した舞台設定まではすごく良いので、続編を期待したいです。

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著者プロフィール

喜多喜久

一九七九年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第九回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、二〇一一年受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー。主な著書に『青矢先輩と私の探偵部活動』(集英社)、『桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎』、「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ、「死香探偵」シリーズ(中央公論新社)がある。

「2022年 『死香探偵 真心は捧げられた死と香る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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