汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800561

作品紹介・あらすじ

これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。七草は引き算の魔女を知っていますか――。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 階段島シリーズ第3弾。

    第2弾の停滞期(←失礼な)を経て、物語が動き出した。今回は、階段島ではなく、現実の世界(と言っていいのかよくわからないけど)側の七草や真辺のお話。
    こちら側では、魔女は「引き算の魔女」と呼ばれ、彼女を探そうとする七草が行動を起こすところから物語が始まる。「引き算の魔女」を探す七草が出会ったのは安達という少女。安達のことをなんとなく不思議に思いながらも、魔女探しという名目で協力しあう二人。七草は魔女に会い(正確には電話をもらい)、自分の一部を捨てることに成功。続いて、真辺も、大地も自分の一部を捨てたよう。

    今回は七草と真辺が捨てたものがはっきりしたわけだけど、なんとなく興ざめしたのは私の性格がひねくれているから。
    結局、七草と真辺はお互いがお互いを思いあってるってことね、はいはい。
    「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない(by B’Z)」
    「あなたさえそばにいれば他に何もいらない(by大黒摩季)」
    「あたしは君のメロディーやその哲学や言葉、全てを
    守る為なら少し位する苦労もいとわないのです(by 椎名林檎)」
    と往年の名曲を3曲ほど歌ってしまった。

    ま、でも、こうできゃ人格を捨てるほどには至らないよね。物語にならないよね。

    「正直者になるために嘘をつく」とか「そうかもしれないけれど、全く違うかもしれない」とかいう言い回しに少々疲れてきたけれど、シリーズ完結まで読み切ろう。

  • 【無界】
    小説です。

    第三弾
    娘に借りました。

    今回ははじめから吸い込まれました。

  • シリーズ3作目。
    1作目の謎が少しずつ解明された感じがある。
    引き算の魔女に引いてもらった物について深く考えさせられた。
    モヤモヤする気持ちが嫌で引いてもらったのはわかる。しかし、それで本当にいいのかとも思ってしまった。

  • 捨てたい自分で捨てたくない自分。
    それは自分のことが好きで嫌いというのと同じである気もする。
    階段島にいない七草と真辺、大地の状況がわかって面白かった。
    信仰を捨てても真辺は変わってほしくないと七草は願ってしまうし、七草を頼ることを捨てても真辺は七草を呼んでしまう。
    それは結局お互いにとってお互いがヒーローであるからなのかもしれない。

  • 至って普通。惰性で読み進めたのみ

  • いよいよ話が動きだした

  • 階段島ではないあの時期の捨てた方の彼らのお話。
    ヒロインが(どうしてか名前が覚えられない… マカベだったかマナベだったか…)私はヒーローを呼ぶ人間だ、と語った事で何でこうもこのヒロインが苦手なのかわかったような気がしました。結局(そうでは無いのかもしれないけれども)彼女は自分では何も解決しないんですよね。もっと解決策を見つけるのには適した人が居るからと思考を七草に丸投げしているように見える。それが偶々成功していたから彼女もそれで良いんだと成長せずにいた。そこに痛烈な違和感を感じていたんだろうな。そういう意味では二年の別離と別れの際に傷をつけられた彼女の方が人間的で好感は持てる。

    階段島の彼女は正論だけを持ち解決法を持たないから苦手なんだな…となんか腑に落ちた気がします。誰もそれが正解だとは思っていない。間違いだと知っている。でもそれをどうただしていいのかわからない…と皆が手をこまねいている所に彼女はズカズカ入って行って「それは間違っている」と断言する。じゃあどうするんだよ?と問うと「それはわからない。でもコレは間違っている」と指摘だけをする。基本的にはKYというか人の感情がわからない人間なんじゃなかろうかと。

    そんなヒロインの周囲に迎合出来ないまっすぐさを愛する主人公もある意味同じ人種なんだろうなって思います。子供が思ったことをすぐに口にする事で、周りを傷つけたり、疎まれたりする事があってもそれを無邪気と呼び大人になってもそのままでいてほしい…というような歪んだ願望を彼は彼女に押し付けようとしていた。この二人はよく似ている。ある意味二人だけで居られる世界ならきっとカンペキなのだろうし、二人はそれで問題ないのだと思う。でも世界は二人だけでは構成されてないのだと気づいた二人が引き算した結果が今の二人だとしたらそちらの二人の方が私は好感を持つなぁ…という感想。

    そしてなんか意味ありげに力を持つもう一人の魔女登場。私は堀さんが好きなので結構ドッキドキです。

  • 階段島シリーズ三作目。
    表紙だけでもお金を払う価値がある、と思える美しさ。
    物語は非常に静かな展開。ミステリーではないよなぁ。
    確かに、前のニ作よりも真辺由宇を魅力的に感じない。七草くんの気持ちも少しわかるかも。

  • 相変わらず淡々と進んでいく印象は変わらないが、ついに物語が動き出す予感!!

  • 今回は現実世界の話。安達に対してイライラしてしまう。個人的には、階段島の話の方が面白いと感じた。
    次回、階段島がメインのようなので、期待。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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