青の数学 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800721

感想・レビュー・書評

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  • 題名に数学と書いてあって、なかなか手が出せなかった。
    しかし、インターネットでおすすめの本として出ていたので、暇つぶしにバスの中で読んでみた。
    そうしたら、とても面白くて読み終わるまで、いつも降りるバス停を通過していることすら気づかなかった。
    こういうお話は、スポーツ系しか読んだことがなかったので、少し驚いた。

  • 青の数学

    「考えつづけなければ、閃かない。
     そして、閃きは決して何もないところからは
     湧いてこない。」

    1.購読動機
    数学が好きではなかった私が、読者レビューを通じて、数学に興じる高校生たちの世界を覗いてみたくなったから。

    2.主人公たち
    数学オリンピックに出た、または出るほどの数学得意な高校生です。

    しかし、数学を志す動機はそれぞれ違います。
    ①他者よりも秀でたい人
    ②難問を1人で解くことが好きな人

    そんな彼らが一同に夏休みに集います。
    E2 数学得意なSNS管理者の「夜の数学者」に招集されて、、、

    3.高校生の志のまっすぐさ
    人生半ばの私のような読者からすれば、高校生たちの物語は、ただ、まぶしかったです。

    物事に集中する。
    そして、そこに、それぞれの理由を見出して。
    飲食忘れて、数学、目の前の問題にひたすら取り組む。

    小学生、中学生がいるご家庭では、親子そろって輪読してみるのも良い著書かもしれません。

  • 本の装丁とかがラノベっぽかったのであまり期待していなかったのだが、思わぬ誤算でめちゃくちゃ面白かった。
    私は正直数学があまり得意な方じゃないけど、それでも読み終わった時には数学を解きたくなっていた。恋愛小説読み終わった後に恋愛したくなるのと同じ感覚。
    不思議。

    著者はきっと数学科卒とかなんだろうなあ…と著者紹介を見たら、なんと普通に早稲田の一文卒。
    めちゃくちゃ文系。
    でも逆に、その輪の外にいるからこそここまでのものが書けるのか、とへんに納得もした。
    数学の魔力に取り憑かれている当事者だったら、ここまで冷静に伝わりやすく面白く、数学の計り知れなさを書けないかもしれないな、と。
    シリーズもので続刊があるそうなので、それももちろん読む。

  • 「数学」を中心につながる高校生たちの物語。幼い頃に師と交わした約束を果たし、数学の世界へと足を踏み入れ、学生生活を過ごす主人公が、様々な人と出会い、E2というインターネット上のサイトに足を踏み入れる。そこで数学とは?数学で競う意味は?などの哲学的な疑問の答えを探りながら、数学を学ぶことを朧げながら掴んでいき、物語が展開される。後半ではE2に集ったライバルたちが合宿で顔を合わせ、切磋琢磨しながら、自分たちが数学を続ける理由を見つけ、トップを目指していく。E2が数学の才能を持った者たちの集まる場であることは確かでも、彼らが解いているものは、まだ「数学」ではなく「青の数学」。数学の面白さと、数学の決闘のハラハラ感、青春小説としてのもどかしさ、色々な楽しみが詰まっていて一気に読み切れた。続編もぜひ読みたい。

  •  タイトルが気になって買ってみたら、すごい……。
     数学に青春を捧げる高校生って なかなか居ないと思うけど、青春だった…。
     最後の方の戦い、こちらにも緊張感が漂ってくるみたいで、面白い。
     数学オリンピックって言うのも、前から気になっていたから楽しかった。
     数式が難しかったけど、分かりやすい法則とかをしっかり読んで納得出来たのは嬉しい……。
     面白いです。

  • 面白かった!
    青春を数学に捧げるという人は少ないかもしれない。
    でも、彼らが感じる高揚感や不安感、達成感や挫折感は、まさに青春そのものだ。

    いくつになっても青春小説を読むのはいいものだと思った。
    10年後もう一度読みたいと思う。

  • 数学に全てを賭ける少年少女の物語。完璧文系脳の私でも楽しめる、寧ろ今まで無縁だった世界に触れられて嬉しい。まるでスポーツ小説を読んでるかのように胸が熱くなる!数式分からんとかそんなの気にならんくらい小説に浸れる。

  • 自分が高校生だったとき、数学に向かっていた時間が一番長かった。問題を解くためのノートは10冊を超えていた。何日も考えて、ようやく答えを出した問題があった。大学受験も数学を選択して臨んだ。結果は散々だった。周りと比べてちょっとばかりできることに自惚れて、途中からほとんど数学をやらなくなった。やらないから解けない。解けないからつまらなくなる。それで解けなくなった。
    この物語に出てくる高校生たちを見ていると、自分がいかに浅かったかがわかる。人と比べてどうかなんてどうでも良くて、ただひたすらに問題に向かい続ける。それが数学に向かうということなのかもしれない。

  • 数学は、苦手です。しかし、数学とは何か考える主人公とそれを取り巻く学生達の数学青春ストーリーは、とても面白かったです。どこか爽やかさもあり読み易かったです。続編が楽しみです。

  • 数学オリンピックに出場するような数学好きな高校生たちの青春小説。
    ライトノベルに入るのかな。

    「数学って何?」
    E²というオンライン数学スタジアムで秀才たちと数学の問題を競いながら、主人公が漠然としたテーマの答えを模索していくお話。

    才能の壁や青年期ならではの苦悩が描かれている作品です。青春の方にもウェイトを置いているので、数学少年でなくても充分に楽しめるお話に仕上がっているのだと思います。

    私は数時間で1.2巻を読了。軽いタッチなのでサクっと読めますが、その中でもはっとさせられるような数学の魅力が巧妙に描かれています。

著者プロフィール

一九七八年八月、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。二〇一四年、第十回C★NOVELS大賞特別賞を受賞した『天盆』(「天の眷族」を改題)で鮮烈なデビューを飾る。著書に、奇病に冒され、世界中を跳躍し続ける少女の青春を描いた『マレ・サカチのたったひとつの贈物』(中央公論新社)、本の雑誌社『おすすめ文庫王国2017』でオリジナル文庫大賞に輝いた『青の数学』(新潮文庫nex)がある。

「2018年 『マレ・サカチのたったひとつの贈物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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