- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800967
作品紹介・あらすじ
謎と浪漫の読書俱楽部に貴方もいかが? 東京、山の手に広々とした敷地を誇る名門女学校「聖マリアナ学園」。清楚でたおやかな少女たちが通う学園はしかし、謎と浪漫に満ちていた。転入生・烏丸紅子がその中性的な美貌で皆を虜にした恋愛事件。西の官邸・生徒会と東の宮殿・演劇部の存在。そして、教師に没収された私物を取り戻すブーゲンビリアの君……。事件の背後で活躍した「読書俱楽部」部員たちの、華々しくも可憐な物語。
感想・レビュー・書評
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文体は慣れるまでに少し時間がかかった。
でもそこがより世界観に惹き込まれる感じ。
読書好きには読書クラブと書かれるだけで
魅力的に感じてしまいがち。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伝統的な女子校の退廃的な雰囲気と宝塚歌劇団のような世界。こういうジャンルってある程度確立してるから初めて見た!斬新!って感はないけど、好きです。
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この本が、というか、作中に出て来る読書クラブが持つ仄暗く耽美な魅力に高校生の時からずっと魅了され続けています。
演劇部がかつて使ったバルコニーやドレスやら、エゾシカや狸の剥製やら、ミラーボール等と言った誰かが残した統一性のない大量の物に囲まれたカビ臭い本だらけの空間で、お茶を飲みビスケットを齧りながら気の済むまで本を読み、時に議論し、また偶に訪れる不可思議な事件に耳を傾ける…なんて素敵な部活動なんだ!こんなファンタジーみたいな素敵空間が現実にあればなぁ!と、ずーーーっと憧れています。
どこが好きなのかを具体的に語るのが難しい作品なのですが、一見ひねて周りに埋もれてしまいそうな意見の中に、偶にハッと目が覚める様な利発さ、善良さ、真に迫った考え方が散りばめられている所がとても好きなのかもしれないというのが今の感想です。
様々な経験や読書体験を経てこの本に帰って来る時に、読んだ当時の懐かしい気持ちと新しく見つけるこの本の持ち味の両方を噛み締められる本だと思います。 -
聖マリアナ学園はパリの修道会を母体として設立された、伝統ある女子校である。その敷地内にある赤煉瓦ビルの三階に、異形の少女たちが集う≪読書クラブ≫の部室があった。
少女たちは学園の正史には消して残らない様々な事件をクラブ詩に書き残す。
読書クラブを通して、聖マリアナ学園の美しく儚い少女たちの100年を描く短編連作。
いかにも桜庭一樹らしい世界観にうっとりしつつ読み進めた。
きれいは穢ない、穢ないはきれい。まさしくそんな物語。
少女しかおらぬからこそ王子やサムワンに焦がれる、熱狂的で繊細な心と、夢から醒めたときの残酷さ。少女の時分にしか存在しないものは危ういが、とても愛おしい。
コンセプトは少女版『百年の孤独』だそう。 -
「女子高を舞台にした少女版『百年の孤独』」というコンセプトがすごく気に入った。
南米の村マコンドで起こるいくつもの出来事とは、規模も奇怪さも比べものにならないけれど。生きる者の希望とか、滅びに向かう雰囲気の寂しさと諦めとそれでも不思議に残される希望とか。そういうのは場所も時代も関係なく繰り返されているのだ。その規模に関わらず皆同じなのだ。
たったひとりで孤独や絶望にうちひしがれている人にはこの本を手渡して「未来をまだ信じましょう、若い人たち。よき人生を」と言ってあげたい。 -
読書好き耽美派の私のための本、という感じでした。
相変わらずの桜庭一樹さん、好き嫌いは分かれる文体ですが、私は大好き♡
いつか、「慣習と振る舞い」のお店で、桜庭さんとコーヒー飲みたいな。 -
20180506