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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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遠慮がちなくちびるで娘の口に触れたとき、はげしい身ぶるいが彼のからだの上を走った。彼は瞬間的にふるえてたじろいだが、娘は彼の頭を両手でつかまえ、自分の顔を彼の顔に押し付け、彼のくちびるを放さなかった。
― 183ページ -
なにか彼の心の中で変化が起こったのだった、少年が青年になったのだ。彼の心はいわば他の国に移され、そこで不安げにおちつかずに浮動して、まだいこい場を知らずにいた。
それは死の恐怖のせいでも、善良なヒンズーに対しての哀悼のせいでもなく、ただハイルナーに対して突然目ざめた罪の意識のせいだった。
― 115ページ -
おもむろにヘルマン・ハイルナーは腕を伸ばして、ハンスの肩をつかまえ、たがいの顔がまぢかになるまで、ハンスを引き寄せた。それからハンスは突然、相手のくちびるが自分の口に触れるのを感じて、なんともいえず驚いた。
― 94ページ
みんなの感想・レビュー・書評
少年の心情にリンクした自然描写が美しい。
それからギムナジウムの少年たちの生き生きと描かれること、心情の変化、流れるように話は進み惹きこまれたは自然な流れ。
どうにも噛み合わなかった少年と大人たちとの歯車が、淡々と切ないラストを運んでくる。
適切な時期に適切なものを与えられなかったハンス。
どうしてハンスはこうなってしまったのか。母親の愛を知らずに育ったからか。ハンス自身にも問題があったのではないか。考えればきりがない。
物語のはじめから、言いようのない「取り返しのつかない」感じが漂っている。
もっと早くに読んでおくべき本だったかもしれない。しかし、大学受験を終えた私にとって、今が一番〝適切な時期〟だったのではないかと思う。
教育がハンスを押し潰すずっと前から、ハンスは壊れかけていたのではないか。母の不在、父の存在、生温く閉鎖的な田舎。ちょっとずつずれ始めて、車輪が転がるように加速していった。
また、男の子たちの壊れやすい愛って、日本の風土や宗教ではあり得ないな。キスシーンは効果的、狙ったとこにきてくれた。
10代の頃読んで以来久々に読了。
今思うに、主人公ハンスが周りから受けた扱いってそこまでひどくない気も。。
ハンス自身も自分は特別だという自負や優越感はあったわけだし、勉強漬けの生活もまんざらでもなかったはず。
性格が繊細すぎだったに尽きるのではないかな。
母親がいないのは気の毒だったとは思うけども。
ヘッセが過ごしたとされる作品内の風景描写は格調高く圧巻。
子供が子供の時に友達と遊び、隣人とふれあい、大人に反抗したり、そういう誰もが通る大切な時期が奪われ禁欲生活を強いられた子供の抑鬱
「読書力」の35ページにある本…
法政大学第一中・高等学校で岩井歩教諭が実践した、定期テストに読書問題を取り入れた実践。
3冊目…中3の定期テストに
中学受験を考えさせられる本かな。
私の人生の1冊と言っても過言ではない本。
青春の「自分とは何者か」という疑問を
逃げる事なく追求し続け
結果的に押しつぶされてしまう主人公は
ヘルマンヘッセその人自身を投影しているが
同時に
文明の世界に生きる全ての思春期の若者に共通の不安だ。
中学生の頃に出会い、
一言一句暗唱できるほど繰り返し読んだ本。
大人への迎合を取るか、自分を貫くか。
自分につぶされるか、自分を乗り越えるのか。
今青春の直中にいる若者にこそ読んで欲しい名著。
詰め込み教育イクナイ。人に惑わされるのイクナイ。 年少期に必要な経験が足りず、思春期に刺激が強すぎる経験となり価値観が逆転してしまう。 人生の落とし穴にはまった話。 今まで読んだ小説の中でもなかなかバッドストーリー。 一生懸命勉強して 名門神学校へ入学する。 これは小さな町ではひとつのニュースになるぐらいすごいこと。 ウキウキで入学するが色んな人キャラのひとがいて、最初はがり勉... 続きを読む »
生きる世界の筋道が見えはじめるのと同時に、そこから外れたがる自我も芽生える。多感ゆえに翻弄され、自分を持て余す。そんな時期が誰しもにあって、車輪の下敷きにならなかった者だけが大人になる。その完成度は二の次だとしても。
高校の先生のすすめで。1度読んで受験期の自分と重ね、2度読んでドイツ文学とヘッセに関する授業で学んだことを重ね合わせた。輝くような自然の中で自由に遊んでいたハンスこそ本来のハンスで、彼を押しつぶしたのは社会という名の歯車。
ヘルマンヘッセの著作の中でも最も知られた作品。物語を感じるだけでなく、作者目線で読み解いてゆく事が大切な小説。ミッション系スクールに通っていた頃読んだので、私の人生に少なからず影響を及ぼした一冊であったと思います。
絶対に子どものころに読んだことがあるはずなのですが。どんな話だったかなあと思い借りて読んでみました。
それにしてもヘッセ本人の自叙伝的作品と解説に書いてありましたが母親が居ると居ないでヘッセとハンスの未来がこんなにへだたれてしまったのかと悲しく思いました。思えば自分と同い年の子どもしか存在しない学校生活と言うのはなかなか特殊な環境だよなあと思いました。もっと自由に社会人も子どもも一緒になって同じレベルの人間が学べる場があっても面白いのになあなどと関係の無いことをつらつら考えました。
秀才の少年が、村人の期待を一身に背負って神学校に入るけど、少年の本当の幸せはそこにはなかった。
豊かな自然の描写は素晴らしく、生きいきとして
鮮やかに頭の中に情景が広がる。
そのなかで閉じこもって勉強を続けなければなかった少年は
犠牲にしたものとうまく折り合いがつけられない。
やっぱり子どもは子どもらしく育たなければいけないのだ。
そのときにしか感じられないもの、得られないものがある。
作者の体験を通した警鐘でもあるんだろう。
少年の成長とともに揺れ動く心がとても丁寧に表現され
感情移入しやすかったしよく理解できた。
高校生の時に出会えてよかった。この時ばかりは読書感想文なる強制労働に感謝した。名門と呼ばれる高校に進学したが、学ぶ意味を見失っていた自分と過剰に重ね合わせて、辛かった。自分の人生を真面目に考えさせてくれた、素晴らしい本。

いわゆる自叙伝ってやつです。
秀才のハンスは苦行の末神学校に合格する。しかし、そこでの規則ずくめの生活にノイローゼになり 田舎で機械工としてやり直そうとする・・という物語です。
自叙伝...





