- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102001073
感想・レビュー・書評
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ヘッセの処女作。自然を愛するペーターの成長を描いた作品。失恋や親・親友の喪失など、人生の壁に何度もぶつかりながら、強く、清く、正直に生きようとする。ヘッセの他の作品と比べると、自然に対する細やかな美しい情景描写が特長のひとつではないだろうか。小説を読みながら、自然に溶け込むような一体感をも感じる、素晴らしい作品である。
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この本は、学生時代に友人から薦められたのですが、当時の私には理解できず、積読状態でした。
あれから数十年、都会で暮らすことは一度もないけれど、故郷三重県で生きてきてよかったな、と思っている今、殊に松尾芭蕉の生涯について読んだ今、ペーターの思いが心に沁みました。美しい故郷の空、山、何より美しい雲。
荒井良二さんも、「チロルくんのりんごの木」で言いたかったのではないでしょうか。「ぼくの うまれたところ」が「いちばん かがやいている」ことを。 -
#3199ー22
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川野隆昭さんこんにちは。
コメントありがとうございます。
コメントの返信の仕方が未だにわからないので、大好きなヘッセの本を利用させてもらいま...川野隆昭さんこんにちは。
コメントありがとうございます。
コメントの返信の仕方が未だにわからないので、大好きなヘッセの本を利用させてもらいました。
ちひろさんの絵は、子供の頃から好きでしたが、何歳になっても感動と優しさと平和の祈りを感じます。
川野さんの本棚も興味深い本が登録されています。時間が許せば何冊も読みたいものですね。
読書の喜びを共有できますように。
これからもよろしくお願いします。2023/01/22 -
ひだまりトマトさん、こんにちは。
ご丁寧な返信をどうもありがとうございます。
本書は、大学の時の友人が(彼は一時期、小説家を志望していま...ひだまりトマトさん、こんにちは。
ご丁寧な返信をどうもありがとうございます。
本書は、大学の時の友人が(彼は一時期、小説家を志望していました)、大学時代、僕が入院していた折りにプレゼントしてくれた本で、この度、初めて通読することができました。
僕の本棚まで、おほめいただき、たいへん恐縮です。
ひだまりトマトさんのご本棚も、今度、拝見させていただきますね。
ひだまりトマトさん、心がとても和やかになるような、素敵なハンドルネームですね。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたしますね。2023/01/22 -
川野隆昭さんこんにちは。
ありがとうございます。
素敵なコメントに感動と本への愛着を感じさせていただきました。
私はあと一年で七十才に...川野隆昭さんこんにちは。
ありがとうございます。
素敵なコメントに感動と本への愛着を感じさせていただきました。
私はあと一年で七十才になります。
まだまだ若いつもりですが、心の平穏と、心の温まる本を求める気持ちが高まりました。
ハンドルネームもそこから選びました。
ゆっくりと読書をしていますので、週にに三冊くらいがやっとですが、長い読書歴がありますから、ブクログデビュー一年半になりますが様々な本との出会いがありますから、登録以外にも思い出はつきません。
楽しい、素敵な本との出会いは続けていきたいものですね。2023/01/22
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ヘッセ処女作。
とある村では、右も左も前も後ろもカーメンチント姓だらけ。そんな村から、牧師になるべく村を出た主人公カーメンチントくん。
初めての世界や体験に、穏やかに身を焦がした彼の行末は…。
原題、ペーター・カーメンチントの名に恥じぬ、ペーター・カーメンチントっぷりが最高!
そしてヘッセの表現も好きだと再認識。
このストーリーもそうだけれど、ヘッセの文体って郷愁というか、牧歌的というか、無垢な心の時を思い出させる懐かしさと自然さがあるなぁ。
読む年代によって、この作品に抱く感想が変わりそうだけれど、これを書いた時のヘッセ20代なの信じられない。人生何回か経験してないと書けないよ。-
2023/03/13
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2023/03/14
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2023/03/15
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あらすじ
豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが。 -
『春の嵐』の後に読んだせいか、やや流れが似ているのと、春の嵐の方がすきなためこの評価に。
体の不自由なボピーとの交流が1番印象に残っていて好きだな。 -
自分の人生観を美しく強い自然の描写と主人公の視点から眺めている気分になった
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冒頭の描写の美しさ!
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もう幾冊とも読んだので、ヘッセの作品の傾向がさすがに掴めてきた。
けして恵まれてはいない環境に生まれた少年が見いだされ学校へ上がり、そこで芸術に目覚め、しかし大抵挫折し、真珠のように美しい友情を手にして、しかし精神的に満たされぬ思いから放浪し、放浪し、そして最後には真理を得る。
その主人公達は大抵が少し人嫌いで難しく、悩み深い、酒飲み。
もちろん多少の違いはあるにせよ、こういった傾向が強い。
これは描きやすいと言うよりもヘッセその人の人生の影響が強いんだろうと思う。
いわばこの人の作品のほとんどが自画像的な作品なのだ。
自分のある一面を切り出しそれを描く。作家なんてみんなそうだろう、と言う人もいるかもしれないが、ヘッセの場合そのニュアンスが強いというか、筋と言える様な物があまりないだけに精神、というか思想を支柱に置く作家なので特にそれを感じるんだろうな。
本作『郷愁』に関しては正直そこまで響く所はなかった。
どちらかと言えばいつか読んだような感覚を得た。ヘッセお得意の題材なのだ。ボピーのくだりが個人的には美しかったと思うが、ああ言った感動はやはり『知と愛』には及ぶまい。