ヘッセ詩集 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001196

感想・レビュー・書評

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  • ヘッセの詩集ですね。
    ドイツ最大の抒情詩人の18才のころの処女詩集から70の晩年に全詩集からの代表作の抜粋集です。
    高橋健二さんの訳も素晴らしく、どの詩編も心を打つものばかりです。
    生きる希望と、大自然との語らいは、生命の偉大さを吟え揚げています。
    病気の私にとっても、励みと癒しでじっくりと味わいました。

  • ヘッセの全詩集から抜粋された代表作。この詩集には、ヘッセ自身の孤独感、寂寥感といったものが強くまとわりついているように感じる。彼の小説には、家庭の温かみを描いたものが少ない。この詩集でも、そうした絆や人との触れあいのようなものがほぼ感じられない。ヘッセらしいと言えばらしいのだが、今の私ではなかなかシンクロできなかった。それにしても、これだけの叙情的な詩を訳すのは難しかったのではないだろうか。

  • 車輪の下のイメージが強いけど

    詩もいいな。

    寂しさの中にも生きるつよさがある


  • 1898年のロマン的な歌から1939年の詩が収録されています。

    夜の慰め、新詩集がお気に入り。


    老いたる人よ、葬られよ、
    元気な少年に席をゆずれ、
    身を投げ出して、死を恐れるな!
    春のことば より

  • 心の均衡を保つもの。

  • わたしは詩というのはとにかく相性だと思っていて、
    そういう意味でいうと、ヘッセのものしずかに
    流れる川のような詩は心に染み入った。

    ただたぶんこの本の場合、訳がすごくいい仕事をしていて
    翻訳されたものを読んでいるという意識がほとんどない。

    寝しなに、なんとなく手に取っていたのだけれども
    しおりをはさみ、しおりでは足りなくなり
    付箋をとるためにたちあがり、
    読んでいるうちに涙が出てきた。

    図書館で借りた本だったのだけれど、買って
    自分の手元におき、何度でもくりかえし読みたい。

  • 「詩人になるか、でなければ何にもなりたくない」と言って学校を中退したのは有名な話ですが、ヘッセは小説のイメージが強く、詩集はあまり知られていないような気がします。人生を賭してまで詩人になろうとしたヘッセの生み出す詩は、触れると壊れそうなくらい繊細で、だけど力強い部分もあって。その振れ幅によって取り扱いに困ってしまうようだけど、時折この美しい世界に没入していきたくなります。ヘッセに興味があるならイチオシです。

  • いつか原文で読んでみたい。好き。

  • 晩年がナチス政権と重なってしまったヘッセ。政権から「時代に好ましくない」とされたヘッセ。平和主義。諸行無常を歌った詩もいくつか。無常「命の木から葉が落ちる、一枚また一枚。。すべてのものは死ぬ、喜んで死ぬ。。」ある友の死の知らせを聞いて「無常なものは速やかにしぼむ。枯れた年々は速やかに散り去る。。魂にとっては無常も永遠も等しく貴くもあり詰まらなくもある。。」春のことば「老いたる老人よ、葬られよ、元気な少年に席を譲れ、身を投げ出して、死を恐れるな!」

  • 小説でも感じたことだが、ヘッセの悩みには自分と通じるところが多い気がする。そのためか詩も全体的に馴染みやすかった。なかでも個人的に特によくて、動揺と感動の渦が沸き起こる感じがしたのは次の5つ。

    眠れぬ夜(p80)
    陶酔(p150)
    ある友の死の知らせを聞いて(p189)
    新しい家に入るに際し(p192)
    夕暮の家々(p195)

    年代によって著者の悩みの種が移り変わっていることが窺えるが、終盤の詩からはついに全ての悩みを乗り越えて一つの境地に到達したという感じがして一段と味わい深い。

    "そしてわれらは感じる、危きもの、人間を、
    永遠なものは特別な愛をもって愛しているのを。"
    (沈思 p204)

    私も早くこの境地に到達したい。

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