レベッカ (下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102002049

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  • フランクをして「生まれてからお目にかかったなかでいちばん美しい婦人だった」と言わしめたレベッカ。
    人心掌握の術に長け、デンヴァース夫人をレベッカの狂信者へと育て、マキシムの母までもその心を完全に支配してしまったレベッカ。
    マンダレイの豪壮な屋敷を手に入れ、自らの欲望の果てに行きつこうとしたレベッカ……。

    いや、待て。
    ①デンヴァース夫人があの調子で気持ち悪くて、②レベッカの従弟のファヴェルがいかにも胡散臭くて、③マキシムのあの告白があったればこそ、レベッカ=(すなわち)悪女となってはいるが、もしマキシムの言っていることが作り話だったら? 裏で乱れた性生活に惑溺してたのがマキシムの方だとしたら……?

    そうなると今度、自殺して遺体で発見されるのは”わたし”の番に違いあるまい。

  • レベッカの遺体が見つかってからの展開は、上巻のマンダレーを一瞬で激流に放り込むようだ。それは、疑心暗鬼だった主人公(実は名前がない)のキャラが性格が、展開を推し進めるようだ。それが、レベッカのマンダレーを徐々に変えてゆく。

    結婚したマキシムとレベッカは、きっと、上流階級ではよくある関係なのかもしれない(あくまで小説としては)。そして、二人は、お互いに最高のものを手に入れていたから。

    マキシムに”悪徳の権化みたいな女”と言わしめたレベッカは、ダンヴァーズ夫人の語る「誰にも恋などせず、男のことはみんな軽蔑していた」姿で、自分を愛していた。かもしれない。
    さらに、病気を利用して嘘をつくところは、”レベッカ自身”、”マンダレー”そして”夫・マキシム”をすべて、我が手中にいれる離れ業を堂々と演じた。

    本書のタイトルが、”レベッカ”である理由が胸に拡がる。
    だから、本当の意味でレベッカを失った”マンダレー”には、その存在意義は無くなってしまった。最後の場面では、炎に消えるしかなかった。
    主人公が夢に見る”マンダレー”は。

  • もっと重厚な緊迫感を期待したけど。レベッカの存在感も薄れてしまった。「わたし」の通俗的な妄想にはちょっとうんざり。上巻ではもう少し賢い女性と思ったのに。終始おろおろしてるだけ。翻訳のせい?

  • まさかの「レベッカ重病→だから自殺じゃない?」という雰囲気でマキシムの犯行が隠れる形に。本文読み返したけど「癌」なんてベーカー先生言ってなかったよね?
    最後はちょっと不完全燃焼(何でマンダレーが燃えたのかが分からない)。解説読んでちょっと納得。映画とSETで楽しむものなのかも。

    イギリスの大邸宅で現代でない話を読んでいるので漫画「エマ」を読み返したくなります。イギリス人ホントお茶好きね。

  • 上巻まではサスペンス。下巻の途中からミステリー。

    下巻の途中から怒涛の展開が待っていますので、お楽しみに。
    全部読んでから、また上巻に戻ると味わい深い。

    詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120810/1344550863

  • 解説にあるとおり、『「わたし」の愛と成熟』の物語という印象が強かった。
    それだけにレベッカの死についての謎解き部分が、すこし唐突でちぐはぐに感じられた。
    他の訳のものも読んでみたい。

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