レベッカ (下) (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102002049

感想・レビュー・書評

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  • わたしはマキシムが元妻レベッカのことを愛していないと知る。この真実を知っただけで、敵視され殺されかけたダンヴァース夫人に対しよくあんなに堂々とした態度を取れるなと思った。レベッカの呪縛から解放された後のラストシーン、圧巻だった。

  • 下巻も面白かったです。結局、主人公の名前出てこなかった…すごい。
    原作は、主人公はちゃんとマキシムと並んで立ってるのが良いな。映画はひたすら守られてる感じの弱々しい若い女性だったので。原作では成長して妻になってる。
    ふたりを執拗に追い回すレベッカの影は、失われたマンダレーを伴って濃くなった気がします。でもウィンター夫妻は離れることは無いだろうな。
    マンダレーが燃えてるっぽい…で終わるラストも良かったです。上巻の冒頭でマンダレーがどうなったかはわかるし、全てを語らなくてもよいです。

  • 死んだ人には敵わない
    …というような話かと思っていたら、下巻で話は急展開に。この展開は読めなかった。
    最後まで「わたし」の名前も何者なのかも詳しくは明かされず。でも心理描写が素晴らしくてまるで自分が「わたし」であるかのような気持ちで読んでいた。
    訳も読みやすく、終始映画を見ているようだった。

  • 読み終わってしまった‥
    もう今はいないレベッカの影にじわじわと追い詰められたような上巻とは逆に、下巻では次々と明らかになる真実にドキドキしっぱなしだった。
    でも読み終わった今、頭に浮かぶのは「わたし」と一緒でマンダレーの美しい庭や、フリスやロバートたち使用人によって儀式の様に繰り返し調えられる日常のことかもしれない。
    この余韻に浸るためにまた読みたい。

  • 「ダフネ・デュ・モーリア」のゴシックロマン小説『レベッカ〈上〉〈下〉(原題: Rebecca)』を読みました。

    「泡坂妻夫」のミステリー作品『花嫁のさけび』が、『レベッカ』を彷彿される内容だったので、原作を読んでみたくなったんですよね。

    -----story-------------
    〈上〉
    ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た― この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。
    海難事故で妻を亡くした貴族の「マキシム」に出会い、後妻に迎えられた「わたし」。
    だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻「レベッカ」の存在感が色濃く遺されていた。
    彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、「わたし」は不安と嫉妬に苛まれるようになり…。

    〈下〉
    マンダレーで開かれた豪華な仮装舞踏会の翌日、海底から発見された「レベッカ」のヨット。
    キャビンには、一年以上前に葬られたはずの彼女の死体があった―。
    混乱する「わたし」に「マキシム」が告げた、恐ろしい真実。
    変わらぬ愛を確信し、彼を守る決意を固める「わたし」。
    だが、検死審問ののちに、「マキシム」すら知らなかった「レベッカ」の秘密が明らかになっていく。
    魅惑のサスペンス、衝撃の結末。
    -----------------------

    上下巻で約800ページの大作… 上巻の中心となる「わたし」と「マキシム」のやりとりは、少しもどかしい感じがしますが、下巻の仮装舞踏会から「レベッカ」のヨットが発見され事件の真相に迫る展開は面白いですねぇ、、、

    前半のもどかしさは、後半の急展開の伏線として必要なパーツなんでしょうね。

    長篇でしたが、面白かったので、意外と早く読めちゃいまいた。


    「アルフレッド・ヒッチコック」監督作品の映画『レベッカ』は何回か観ていますが、原作の雰囲気を巧く表現できているなぁ… と感じました。

    特に「レベッカ」を崇拝する「ダンヴァース婦人」のイメージは原作とぴったりですね… でも、本作を読んで、原作と映画では、一部内容が異なっていることに気付きました、、、

    前半は原作に忠実な感じですが、後半部分で、

    ○「レベッカ」の死因が異なっていたり、
     (原作:「マキシム」が銃殺、映画:「マキシム」が押し倒した拍子に事故死)

    ○「レベッカ」が映画では妊娠したと信じている描写があったり、

    ○「ベーカー医師」に「レベッカ」の診察内容を確認に行くメンツが違っていたり、
     (原作:「マキシム」に「わたし」が同行、映画:「マキシム」に「フランク」が同行)

    ○映画では、マンダレーが炎上する場面で、燃え上がる屋敷の中に「ダンヴァース婦人」のシルエットが浮かぶ場面が追加されていたり、

    という違いがありましたね。


    ちなみに、最後まで「わたし」の名前は明かされないのですが、、、

    これは「ダフネ・デュ・モーリア」が「(珍しい)名前を思いつかなかったから」なんでそうです… 意外な理由でしたね。

    久しぶりに映画も観たくなりました。

  • (上巻より)

    雇い主の強引さのせいで知り合い、
    彼女がインフルエンザにかかっている間にデートを重ね、
    結婚までいたる冒頭の部分も、
    お屋敷に住みながら女主人になりきれない部分も、
    真相を知りそれが暴かれることにおののく部分も、
    とにかく目が離せない。

    読みやすかったのは、
    思ったよりホラーでもないし、ゴシックでなかったのもあるが、
    実際に読んだ本が昭和46年発行、翻訳大久保康雄と古い版だったからかもしれない。
    単語の選び方や、登場人物の話し方がしっくりしていた。

    雰囲気が古典的で、ストーリー展開も面白かったけど、
    お客様とのアフタヌーンティーは楽しそうではなかったかな。

  • 完全に騙されてましたー!やられたー!ってなりました。上巻では『わたし』への感情移入が強くマキシムがが亡くなったレベッカを忘れることができず、次第にわたしが壊れていくって感じかと思っていたので、まさかマキシムがレベッカを全く愛していなかったなんて、、!レベッカもなんたる悪女!
    最後は老いていったりするならさっと死にたいと言っていたように、妊娠した風を装い、マキシムに自分を殺させるように仕向けるのもすごい!
    まさかの癌だったとは、、、
    ダンヴァーズ夫人がレベッカを崇拝していて、最後マンダレーに火をつけるところまでレベッカの計画だったらと思うとゾゾっとした。

    本当に何回も騙されていた。面白かった!

  • 実際にはハードカバーで読んだのでリストに出てこなかったので…

    ・本が重いのもあり、また、最初のマンダレーの描写がまどろっこしくて、なかなか読み進められない。
    ・マキシムが登場したあたりからようやくハマり始める。
    ・中盤まで特に、ヒロインが読んでて本当にイライラさせられた。うじうじしてて、翻訳独特のまどろっこしい繰り返しとかそういうので更に。
    ・そして途中からはマキシムにも更にイライラ。
    ・レベッカの死の真相が語られたあたりでようやく登場人物に対するイライラか消える。
    ・終わりがあっさりすぎて、ページをまとめてめくっちゃったのかなと思ったくらいだった。

    上の箇条書きでは、なぜ4つ星?と思われるかもしれないけど、読み終わった後は、じわじわ思うところもあり、面白かったので。

    ヒロインがレベッカに重なる描写があったが、それ以降はベーカーの話などが入ってきて、また、震えるヒロインに戻ってしまうんだけど、冒頭を思い出すと、結局レベッカのようにはならなかったってことなのかな。30代に至るまでにどう過ごしたのかとか、見てみたかった気がした。
    マキシムは、ヒロインのざっくり言ってしまうと幼さや、あどけなさ、自信のなさに魅力を感じているようだつたけど、事件の真相話した後のヒロインは、明らかに変わったと思う。
    それでもマンダレーがなくなったあとも、結婚生活は続いていたようだし、マキシムとの間に新たに生まれた感情は愛なのか、それとも秘密の共有によるものなのか、、とか色々考えさせられる。

    また、フランクの献身も、なぜあんなにと思ってしまうのだけど、時代的にはそんなものなのかな?

    訳者解説によると、時代的には少女が女性になっていく物語がウケていたそうなので、その視点で見ると、面白い物語だったと思う。

    そして、作者が出版社にこの作品を送った際に添えたという「サスペンスを醸し出すようにしたが、最後はちょっとあっけなくて、なんだか暗い」というのが、まさにその通りすぎて、ちょっと微笑ましく思えた。


  • 情景や心理の描写が素晴らしい。
    ヒッチコックの映画を見てみたくなった。

  • 2018.03.27

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