孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)

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著者 : ルソー
制作 : 青柳 瑞穂 
  • 新潮社 (2006年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102007013

孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ルソーの晩婚の精神面に関わる小説と言える。
    感性的な表現が多く、一度の通読では咀嚼できない部分の方が多かったかに思える。

    再三にわたってルソーが主張していることは、幸せは自己の内面からしか引き起こされないということである。これは、もっぱらなことと思えるが、単純に個人が感じてることを他人が感ずることができないということではない。ルソーはこれを、幸せの人ではなく満足した人と表現している。

    ルソーは自己で自己のプリンシプルを作り、それを守ることを前提においている。そうして、他人や外界のものによって影響を受けることがなくなった、自己によってこそ真の幸せをえることができるのだと。

    これは、7つの習慣の第一法則にかなりつながっている。あの本が、今までの本から幸せの法則を見出した本であるのであれば、それは当然のことだろうが。

    しかし、ここに商業誌、ビジネス本として売られている7つの習慣とルソーの思想とは明確に区別しなければいけないと強く感じる。

    それが、一体何なのか未だ表現する言葉をもたない。

  • 度重なる迫害の影響で神経衰弱の晩年のルソーが、自己を見つめることに究極の喜びを見出し、思うままに書き綴ったメモ書き集。サン・ピエール島で独り植物採集する喜びを綴った「第五の散歩」は、フランス語で最も美しい文章とされているらしい。
    「社会契約論」や「人間不平等起源論」を読んでからもう1度読みたい。

  • あと2年経ったら、読み返そう。
    会社も中退して、孤独を楽しみながら。

  • 社会契約論で有名なルソーのエッセイ。エッセイというか思いの向くままに書き連ねたもの。それがエッセイか。当時のヨーロッパの状況が垣間見られて面白いが、ちょっと難解な部分もある。こういう本は読みなれるのが必要か。

  •  ルソーの先見性は計り知れない。
     彼の自我や自意識への拘り及び探求が、その後の学問や近代文学に与えた影響の甚大さをみても、それは証明される。彼も、当時の人間には理解されないところの所謂、天才の一人に数えられている。特に、精神分析の発達こそがルソーの捻くれた性格や相反する感情の衝突などの現象を解明させる契機となった。文学では、かの有名なトルストイなどはルソーの影響を直接に受けているらしい。
     幸福とは、本人の中に眠っているもので、外部にそれを求めようとしても無駄に終わると、彼は語っている。彼は、作家として若い時期に華々しく文壇にデビューしたが、自分の子供を全て孤児院に入れてしまったり、激しい思想の著作が一部の人間の反感を買ったりして、フランス社会から追放処分を受けてしまう。作品「エミール」は教育論として優れた著作だが、孤児院に子供を預けて親としての義務を放棄する行為との矛盾を指摘され、作品も吐き捨てられた。
     ルソーの性格は、とにかく過敏で神経質だったらしい。今でいう統合失調症のようなものだと謂われている。人間関係では常に対立を繰り返し、友人との絶交が相次いだ。そして、孤独な後半生を送らざるを得ないところまで悪化していった。穏やかで善良な資質も十分に持っていたが、不器用で疑い深い性向の為に、周囲にそれを理解される事はなかった。彼の文章は激しい口調で、己の精神を分析して掘り下げていく。その毒々しい執念の強さが却って思わぬ反感を買う原因でもあった。
     晩年、フランスへの入国が許されるが、一切の著述活動をしない事を条件にとられた。無理解だった当時のフランス社会にとっては、ルソーは危険人物だったのだ。天才は、しばしば同時代の人間からの無理解に苦しめられる。社会にまだ受け皿が整っていない事によって、天才は公から放擲される。哲学や文学などで自意識が大きな主題にクローズアップされるより一歩先に、ルソーは必死になってこの自我の問題に取り組んだ。ルソーの文学は現代にも大きな影響を及ぼしている。
     しかし、日本でルソーは余り読まれていないようだ。本作の訳者はそれが残念だ、と嘆いておられる。学問の研究テーマとしても孤独な現代人の心の渇きを埋める読書の対象としても、ルソーの文学は非常に魅力的だ。本作は、晩年の最後に書かれた遺書のような一品。ルソー本来の人間性が、瑞々しい文章の間から滲み出ている。一度、読まれる事をお勧めする。

  • 翻訳が相当まずい。

  • 難しいです…。
    と、いうか、読んでいて苦しい。一気には読めない。読み終わるまで、すごく時間がかかりました。
    ルソーの苦しみが、正直に、赤裸々に書かれ、その思考のめまぐるしい展開(夢想だから仕方がない。)や、彼の人間くささにこちらが苦しくなるほど…。

    もう少し年をとってから読むと、また違うかな…?

  •  40になった時に、読み返す必要がある。

  • 「社会契約論」で有名なルソーが過ごした、孤独な晩年。
    そこで彼が散歩しながら考えた、「自分自身」について。
    自分の内面を深く深く掘り下げる、孤独な旅路。

    「彼らの哲学は他人用なのだ。僕には自分用のものがあればいい。」
    「自分が学ぼうと思った時には、それは自分自身を知るためであって、
    教えるためではないのである。」
    など、俗世的に生きる人々(彼を疎外した人々?)に批判的意見を飛ばします。
    自分の内心を居所とする人間が最も強い、とするかのように。

    こうした姿勢は独善的、自己中心的と批判されそうなものですが、
    まあ、どっちもどっちでしょう。ただ、
    「判断を練りに練ったうえで、その感情を選択することが肝要だ」
    という一行には共感しました。
    感情を選択できるという境地に至るほど自分を知ることができれば、
    心強いように思います。

  • 2010.11.14

    ルソー。強がり。
    『告白』を読もう。

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孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)の作品紹介

十八世紀以降の文学と哲学はルソーの影響を無視しては考えられない。しかし彼の晩年はまったく孤独であった。人生の長い路のはずれに来て、この孤独な散歩者は立ちどまる。彼はうしろを振返り、また目前にせまる暗闇のほうに眼をやる。そして左右にひらけている美しい夕暮れの景色に眺めいる。-自由な想念の世界で、自らの生涯を省みながら、断片的につづった十の哲学的な夢想。

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