貧しき人びと (新潮文庫)

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制作 : 木村 浩 
  • 新潮社 (1969年6月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102010068

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貧しき人びと (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 他レビューにもあったが、この作品がペリー来航よりも前というのがびっくりする。
    ロシアの貧困。どんよりとした救いようのない作品。
    母が大学時代に線引きしている箇所が興味深い(家の本棚からこっそり持ち出したので)一番最後に、1983.3.3とメモがあった。

  • 僕の住んでいるボロアパート、の向かいの部屋には女子大生が!ワーレンカみたいなもんです。

  • 読みやすさに感動した(罪と罰の後だったので…)

  • 今まで読んだドストエフスキーの作品の中で一番読みやすかったです。
    親しい友人という設定でしたが、ジェーヴシキンとワーレンカは完全にお互いを愛し合い、信頼し合っているけど、日常の様々な不幸や遣り切れない思いを手紙で報告し合い、慰め合い、励まし合い、でもそれがとても悲しい風向きへ向かう度に胸がキュッとなります。
    とても切ないやり取りです。

  • 滑稽なほどに悲しい。こんな現実は(少なくともブクログにアクセスできるような我々には)ほど遠いもの。
    テンポのよさもあり、さっとよめる快作。

  • 2016.9.30
    ドストエフスキーの処女作らしい。なんというか、読んでいて悲しくなる小説である。貧しきものは貧しきものの心の中に絶望を照らす光を見る、それは苦しみを共有することによる慰めであり、苦しみを共有できることによる相互への愛である。しかし愛で心は慰めることはできても飯を食うことはできないのであって、現実的な問題に直面した時は、自分の心を救ってくれた恩人を助けることはできず見殺しにするほかなく、もしくは見殺しにされるほかはない。これは辛い。運命に見放され、自分は何でこんな人生を生きなければいけないのか、そもそも生きる必要なんてあるのか、自分に価値なんてあるのか、そういう、運命や社会に虐げられた人間が、そんな自分を理解してくれる人間に出会った時、もしくは自分の苦しみゆえに相手の苦しみがわかり、それに共感することで感謝される時、生きていてよかったと、自分にも価値があるのだと、この出会いのための苦しみだったのかと、そう思えるのではないだろうか。しかしその心の友が現実という名の怪物に喰い殺されようとする時、自分は何もできない、自分もまた怪物に虐げられるだけの弱い存在だからである。この無力。こんなに辛いことはない。しかしなぜ、虐げられるものは心が善良なのだろうか。痛みを知るゆえに人の痛みにも敏感になるからだろうか。いや、苦しみを知る人間は善良である、とは言えないか。貧しいものは善良である、とは言えないだろう。貧しく、周りから舐められ軽蔑される小役人と、両親を失い孤児となった病気がちの娘との、プラトニックな恋愛物語であり、また苦しみと貧しさと痛みを共有する二人の友情物語である。なんか改めて思ったけど、ドルトエフスキーの小説は〇〇小説と一概に言えない多様な側面を持つ小説が多い印象だけど、それは我々の小説のジャンル分けという狭い認識に無理やりあてはめるからそうなのであって、彼はそれらを組み合わせようとか考えたのではなく、ただただ人間を、人間のリアルを、生活を、真実を、心を、苦しみを、人生を描こうとしたのかもしれない。部分に還元できない、全体としての有機的な、ダイナミックな人間の人生を描こうとしたのかもしれない。

  • 結末の悲劇ぶり、圧倒的悲哀が見事。女性の立場と老人の立場が交錯する中で、喜びと社会的貧しさが描かれ、あまりに呆気ない終わりを迎える。

  • ドストエフスキーなのに読みやすい。
    なんでああいう人生になってしまうのか…
    ポクロフスキーの話のあたり、ロシアの人たちと情景と空気が浮かんでくる。手紙から浮かんでくることに感動した。
    ロシアものが読みたくて読んだが、やはり日本にはない描写、人々の感覚? 面白い。

  • ドストエフスキー!って言ったら難解で何言ってるか分からんていうか、謎の哲学的なコメントをまき散らしてるのかと思ってたけど、もうちっとというか、全然庶民的で、ていうかむしろ頭悪すぎて何言ってるか分からんわ、こいつ、って感じでびびった。もしかして貧乏でお金もないから頭おかしくなってるよ、みたいに見下してんのか、このドスおっさんは。まぁ違うか。ていうか翻訳古すぎるのか。後は昔の小説では大概皆がシェイクスピアばりに語りまくるんだけど、昔の人は皆こうだったのか。ただ語っている内容が概ねどうでも良いのには好感が持てるわけで。そして貧乏なおっさんが普通に金持ちのおっさんに負けるのは今も昔も変わらずで、うむ、やっぱこうでなくっちゃな、という水戸黄門的な安心感があって。やっぱ金だな。

  • 【印象】
    高齢男性と若年女性の、貧困に圧しつぶされる愛情の行方。

    【類別】
    小説。
    書簡体。

    【脚本構成】
    頁211-212の情景が好みです。他の部分との対照で栄えている部分もあるかもしれません。

    【表現】
    書簡体、つまり手紙のやりとりが全てである作品です。そのため、口語的で平易です。

  • 若き日に読んだ恋愛小説。貧困が招く不幸。それでも、その中にある希望。貧困に打ち克つ想いの深さ。現実だけがすべてではないと教えてくれた貴重な一冊。

  • どの登場人物も貧しく、過酷な運命に見舞われ続け、限りなく暗い。が、全編を通じて魂が叫び続け、生きるとはこういうことだ、これくらいの思いがなければ生きる意味はない、と語っているかのよう。本棚の断捨離中にこの本を見つけ(おそらく母が学生時代に読んでいたもの?)、一度読んで手放すつもりだったが、処分するのが惜しくなったので本棚にcome back。

  • ドフトエフスキーの処女作で知られるが、人物の心情が激しく伝わり、とても素晴らしい小説である。

  • あらすじには恋の物語とあったものの、そうは受け取りたくない内容。
    書簡形式なので、それぞれの人物たちが隠している本音を汲み取るのは読み手の技量なのかもしれないけれど、金銭のやりとりに関してはどうしてこうも分別を失った挙句にとぼけた言い訳を書き綴っているのやらとなってしまって、ひたすら暗いし惨めな話のように映った。

  • 最後に向けて身につまされる物語でした。

  • ずいぶん前に、ドストエフスキーについて研究されている方とお会いしまして。そのとき何もしゃべれなかったのが悔しいのでデビュー作から読んでみました。下級官史と娘のお手紙のやりとりを中心にくりひろげられる、簡単に言えば恋愛ものでした。むずがゆくなる台詞も古典だと思えばなんとか持ちこたえました。カラマーゾフの兄弟も読んでみたいと思います。

  • 悲恋の美しい物語というよりも、どこか現実的で殺伐とした印象を持った。
    特に、結婚の身支度に奔走する場面における「女の人って結局こうだよね・・」という哀しさとがっかり感。(こう描かれてしまうことも、実際こういうものだということも否定できない)

    読んでいて本当に痛かった。
    男女どちらの気持ちも分かる。悶絶してしまう。

  • 年末、神保町の古本屋で買った。
    ドストエフスキーの小説は初めて。
    ギリギリの生活、ギリギリの精神状態…、悲しい物語。

    『貧しき人びと』は、貧しい男女による手紙のやりとりがそのまま内容になっているのだが、僕はこういう手紙の文章で構成される物語がけっこう好き。

    極限状態の人間を描いた小説を読むと、自分の人生が夢のような、ぼんやりとした軽い何かに思えてくる。

  • 2014/12/24

    貧しき人びとは、ドストエフスキーの処女作です。
    書簡形式を取って読みやすく書かれた本書は、2人の男女の肉声がそのまま現れたようで、深く心を揺さぶられました。

    総じて悲しい恋の物語ですが、一筋の希望もあります。報われない人びとに向けるドストエフスキーの愛の眼差しを感じました。

  • ドストエフスキーの処女作。往復書簡形式で涙を誘う名作。

  • 自分をなにか意義のある人間のように考えるのは、とんでもないことのように思いました。いや、それどころか、わたし自身何かしら不作法な、ある程度だらしない人間だと考えこむようになったのです。こうして自分自身に対して尊厳を失って、自分の長所と品位を否定するようになると、あとはもう何もかも、がらがらと崩れさって、ほんとの堕落がはじまったのです。(マカール・ジェーヴシキン)(p.208)

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4102010068
    ── ドストエフスキー/木村 浩・訳《貧しき人びと 19690624 新潮文庫》
     
    ── ドストエフスキー/北垣 信行・訳《貧しき人びと ‥‥ ドットブック版》
    http://www.gutenberg21.co.jp/poor.htm
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20071219 貧者士之常 ~ 越後長岡藩訓 ~
     

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貧しき人びと (新潮文庫)の作品紹介

世間から侮蔑の目で見られている小心で善良な小役人マカール・ジェーヴシキンと薄幸の乙女ワーレンカの不幸な恋の物語。往復書簡という体裁をとったこの小説は、ドストエフスキーの処女作であり、都会の吹きだまりに住む人々の孤独と屈辱を訴え、彼らの人間的自負と社会的卑屈さの心理的葛藤を描いて、「写実的ヒューマニズム」の傑作と絶賛され、文豪の名を一時に高めた作品である。

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