- Amazon.co.jp ・本 (632ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102010150
感想・レビュー・書評
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ドストエフスキーの後期五大長編作品の中の一作品。
主人公アルカージィは二十歳そこそこの青年。
過剰すぎるほどのプライドの持ち主で、読んでいるほうが恥ずかしくなるようなことをしでかしてしまうしで、青二才なんですね。
アルカージィには父親が二人いる。
実父は貴族、そして戸籍上の父は家僕で庭師。
私生児で育てられ、子供のころは苛められっ子だったせいか素直さがなく反骨的。
父親の存在が常に抑圧されていて、愛憎が激しくバランスの悪い精神状態で危なっかしく思えた。
登場人物の名前が覚えられなくて途中、何度も引き返して読んでいたので、すんごく読了まで時間がかかってしまった。
下巻は早めに読めたらなぁと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドストエフスキーの五大長編のひとつ。
他の四作はすでに読んだが、これが一番読みにくかった。
読みにくいというか…話の筋がよくみえないというか…話に乗りづらいというか…。
あと名前の覚えにくさも一番だったかもしれない。
同じ名前の公爵が二人もいるし…。
主人公のアルカージイはまさに『未成年』というかんじで、いわゆる若気の至り的な部分が多く、読んでいて恥ずかしくなってしまうような場面も多かった。
本書は『偉大な罪人の告白である』とされているので、これから下巻でいろいろあったり、アルカージイが成長したりするのかな?と思うけど実際はどうだろう…。
実父のヴェルシーロフとの関係性もどうなるのか。
最後はエッ!?となる展開だったので下巻が楽しみ。 -
なんだかよくわからないままに上巻を読み終わってしまった。ちょっと訳文が古いかんじ(仕方ないです)で語り手が”未成年”にはあまり思えない。言動とか考え方とかのこじらせたかんじはまさしく”未成年”なんだけども。何の話だかよくわからないままに読ませてしまうのはさすがドストエフスキーならでは、なのか!?
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アルカージイって私にそっくりだと思う。
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ドストエフスキー五大長編の中でも、難解な作品と評されることのある「未成年」。
少年から青年への成長途中である主人公が、父との再会、女性への恋、理想の追求と挫折などの様々な体験をし、一段上の精神の成熟さを獲得していく物語です。
経済的・社会的には「未成年」という留保がつきながらも、思想的には自身を「成熟している」と考え、そのコンフリクトに苛立ち悩んだり、「自分が正しい」という自信と「自分は未熟なだけではないか」という懐疑との間に揺れ動き、一貫性を保てなかったりという主人公の苦悩は現代人にも共感できるのではないでしょうか。
大変示唆深い作品でした。 -
ドストエフスキーの五大長編の中ではもっとも好きな作品です。まだまだ無力さを持った未成年の主人公が力を尽くして未熟さから脱しようとしている様が好きだったりします。
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世間は「不倫」した人に対して「正義」をふりかざして批判しているけれど、ドストエフスキーの主人公はいつだってスタートからだめなやつで、性格がわるくて、賭博したり浮気したり盗みしたり…、なんだか世間が設定する潔白な正しさにつかれてしまったとき、いつもドストエフスキーはそういう人に誰よりもよりそってくれるなと思う。ドストエフスキーの本がこの世にあり続ける限り、私のバランスはなんとかたもって生きていけるような気がしている
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登場人物が多くて、読み返さないといけない。もしくは、読みながら相関図を作るとよいかと思う。
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まだ上巻だけなので、なんとも言えないけど、たいして面白くはない。
グダグダしてる。
ドストエフスキーはいつも前置きと時間の流れがおそーい長いが、これは次読もうと思える引っ張っていく力がなかった。私にとって、だけど。
事件と言えば後半には出てくるけど、あぁそうだったの。…という感じで。
アルカージィ、未成年だよなぁ。なんだかイラっとくる。
最後まで読むけど、下巻は面白くなるのかしら。