未成年 下巻 (新潮文庫 ト 1-21)

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制作 : 工藤 精一郎 
  • 新潮社 (1969年6月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (633ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102010167

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未成年 下巻 (新潮文庫 ト 1-21)の感想・レビュー・書評

  • 『未成年・上巻』の終盤あたりから面白さが増してきて、下巻は過去に起こった出来事や事件が、主人公・アルカージィを通しながら明るみになってゆく。

    感銘したのは、アルカージィと実父ヴェルシーロフが感情をむき出しにして、じっくりと語り合うシーン。
    父親をだんだんわかりはじめてきたと率直にその場で告白する息子と、父親は息子のナイーブな喚声が大好きだと言いながら、語る言葉一つ一つに深い思想がしみとおっている。

    『未成年』はアルカージィの成長過程を描く手記で、回想と記述のプロセスによって自分自身を再教育している。
    私が個人的に好きな登場人物、タチヤナ・パーヴロヴナ伯母さんは、主人公をバックアップするいい立役者であり、最も厳しい教育者であったように思う。

  • 私には難しかったです。まず登場人物の名前! 同一人物でも何の断りもなく複数の名前で呼ばれるので、中盤辺りからは誰が誰やらわからなくなってしまいました。そこを圧して最後まで目は通しましたが、テーマも非常に複雑で、どこがメインで、なにをどう考えれば良いのか、個人的には理解できませんでした。新しい訳がでたらまた読んでみようと思います。
    ただ1つ、面白く思ったのは、解説の「マカールの言う神の名を頻繁に唱える無神論者とは、ドストエフスキー自身のことではないのか」という指摘です。通読中は気付かなかったのですが、言われてみれば確かにそうかもしれません。個人的に、ドストエフスキーは神を信じてはいないが、神を信じる人々を尊敬し、自身も信じられるようになることを望んでいるのではないかと常々感じながら彼の作品を読んでいるので、こうして自分の信心の薄さをこっそりと告白しているというのは充分ありうると思います。そういう深い読みができるようになれれば、もっと読書が楽しくなるのでしょうね。精進したいと思います。

  • 下巻は上巻と比べてスピード感があり読みやすい。
    でも、疾走感という表現はしっくりこない。
    ドタバタ感というのか、展開の振幅も大きく、
    ストーリーから振り落とされそうな気分になる。

    それにしてもドストエフスキーの作品には、
    相変わらず「まとも」な人が出てこない気がするなぁ。

  • ドストエフスキーの本は一度読んだだけでは理解が完全ではないと言われてますが、この本は苦戦しました。
    まず、登場人物が多い!
    これから読む方は書き出しながら読むのをお勧めします。

    内容としては、とにかくごちゃごちゃしています。
    というのもヴェルシーロフが何人もの女性を抱えるのは今で言う「ゲス不倫じゃないか!」とも言えますが、調べてみるとこの頃のロシアは離婚という法律がなく、一度結婚したらずっと離婚をせず、ヴェルシーロフのようにカテリーナに結婚を申し込むような二重三重結婚はよくあることだそうで、日本人の感覚で言うとちょっと信じられないから余計に混乱してしまう理由の一つでもあると思います。

    一番好きなシーンは戸籍上の父親マカール公爵とアルカージイとの会話。
    マカール公爵は彼にとって有益な言葉を沢山残して、またその語口が凄く好きだなと思いました。

    まだ、よくしっかり内容を掴む為に、時間を置いて再読したいと思います。

  • 登場人物たちのこの生々しさはなんだろうと考えたら、「気分の変わりやすさ」だと気づいた。そして、常に内面の美醜が同居しているところ。また、思想と行動との乖離。

  • ドストエフスキーの中で、頭一つ抜けて面白い。紙とインキでこんなことができるともっと早く知っていたら、物理をやってはいなかったに違いない。

    繋がりがあるようでばらばらな話(逆のパターンは世に溢れている)が、未成年の思想を糊付けする、そんな、ばらばら感の点で最もドストエフスキーらしい。

    物語の中に、罪、罰、白痴、悪霊、といった言葉も登場するが、これらは…ちょっと気を利かせ過ぎかも知れない??

  • 瞬間的に社会に強く訴えかけるような迫力は感じつつも、語られる思想と、行き当たりばったりの物語がちぐはぐな関係にある作品に見えた。でも思想の部分で理解が追いつかないのは半分はぼくの問題でもあるなぁ・・・。

  • 養父マカールが亡くなってからの終盤の実父ヴェルシーロフの独白に近い対話が迫真。写真について、神について、恋愛における慰みでなく愛について。

    白眉はヴェルシーロフが聖像を叩き壊す場面。その後も分裂する人間像が余すところなく描かれる。

    タチヤナ・パーヴロヴナの人の良さも少ない叙述ながら、光っていた。

    完全な理想的人物はありえず、どこか破綻しているが、憎めないのがドストエフスキーのメインキャストか。

    最後の先達のコメントがこの小説の歴史的な意義を示しているのも嫌味がなく、構成的にさすがという他ない。

  • 片手で人物相関図を作りながら読んだのがかなり助けになった……。

    『白痴』や『悪霊』なんかに比べると"日常"との距離が近いような印象を受けた。生きている人間の体臭さえ感じさせるリアルさがあった。一人の未成年者が巻き込まれた怒涛の出来事の連鎖と彼の成長。1300ページ?ぐらいあるうちの半分はほぼ一気読みだった

  • 解説に「難解」とありましたね。確かに、結論というものはなくて、考えさせられます。
    主人公のアルカージイが最初は軽蔑していた父の考えること、思想を尊敬し、好きになり、母を幸せにしてくれると思っていたのに、父は彼の言うところの分身のせいでもう一度不倫の道に進む。どんなに高潔なことを考える人間でも、そういう耐えがたい、抗いがたい欲求がある、そこをコントロールしきれない人間の性(さが)を描いているのかな、と私は思いました。主人公もまま高潔な思想を掲げながらその場の興奮だけで変な言動を繰り返していましたし(似た者親子なのかしら)。
    登場人物が主役から脇役まで魅力的。利発で早熟な妹のリーザ、巡礼をしていた農奴、主人公の戸籍上の父であるマカール・イワーノヴィチ、冷笑的な叔母のタチヤナ・パーヴロヴナ、その手伝いのつむじ曲がりのフィンランド老女、のっぽの相方で好青年のトリシャートフ、ラムベルトの女であるアルフォンシーヌ・・・・みんな個性的で活き活きと描かれています。この書き分けは流石のひと言。
    難しいけれど、例の手紙がどうなるのかずっと気になって苦なく読み続けられました。面白かったです。

  • ドストエフスキーの小説のストーリーはいつもよめないですね。だからこそ飽きずに読んでいられる。

  • ドストエフスキーの登場人物って、みんな激情家で、矛盾しまくってて、でもすんごい素直で、なんか憎めない感じだよなー

  • 散漫な印象ながらもかなり面白かった!
    高い理想を掲げながらも、混沌とした現実に巻き込まれる主人公アルカージイの一人称で語られる文章と心情がリンクしてて、狙ってこの文体を書いた
    のならドストエフスキーはやはりさすが!というほか無い。

    この頃のドストエフスキーは保守派の思想なのだが、決して社会主義を排他するものでないのが分かる。社会主義=無神論では決してなく時に矛盾す
    る「民衆の心理」を鮮やかに提示している

  • 未成年とは、主人公のアルカージイでありその父ヴェルシーロフであり、そしてようやく農奴解放が成ったばかりのロシア自身の姿であるのかもしれません。

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