父と子 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102018064

感想・レビュー・書評

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  • ニヒリズムに毒された、厨二病なバザーロフ。てっきり主人公の友人として出てきたので脇役かと思いきや彼が主人公らしい。予想通り周りの人間は幸せになり、彼一人だけこじらせ死んでいく。

  • GW中に読みきることができた。本作はアレクサンドル2世の農奴解放令のときの作品である。本書を読んでいて、てっきり主人公はアルカージイかと思っていたのだが、若きインテリゲンチャたるバザーロフが主人公のようである。父世代の古き貴族的文化と新しい民主的文化の相克がモチーフであるが、この主題はグリボエードフの知恵の悲しみを彷彿とさせた。解説にはバザーロフのような若きインテリゲンチャのエネルギーの重要性を説いてるとあったが、バザーロフのロマンチズムへの揺らぎと最期を見ると、果たして本当にそれだけなのか疑問に思った。

  • 観念を重点を置き、世界を変えようとしない親の世代。

    対して、若い世代は行動することを重点ををおいた。

    これは、先に観念を作ったもの達がいたから、次に繋がったのではないだろうか。

    世界は日々進歩している、前進するたび、過去のことは古く考える。
    しかし、過去があるからこそ、新しいものが生まれるのだと知りました。

    また、恋愛感情は必要ないと、考えていても人は誰かに恋をして、最後に求めるのは安心、恋したものを選ぶのだと思いました。

  • じ、人名が多い...

  • 新時代の子たち、旧時代の父たちの衝突をテーマにかかれたもの。この主人公?バザーロフがニヒリストの元祖。功利主義者で、現実主義者で、観念的なものはなんの役にもたたない!というバザーロフだけど、なんかかわいい。ロシア文学の大御所をとってかわいいは失礼だけど。笑
    恋愛なんてロマンのさいたるものをもちろん愚弄嘲笑するけど、やっぱり感情には逆らえなくて、葛藤して、だからすごく歯がゆい結果に。でも、最後には……

    友人アルカージイの恋との対比もおもしろい。

  • 初恋を読んだ頃はまだロシア文学に本格的に触れる前だったので感動は薄かったのだけど、この物語にはとても感動しました。

    物語の展開にも文章にも一切の無駄がなく、描かれる自然や人物は素晴らしく魅力的。

  • 作者は詩人
    物語を俯瞰的に眺めながらの進行におどろき。
    作者のすごさを感じた。
    当時のニヒリズムはまだまだ甘い。ニヒリズム的な黎明期だったからか。
    考えが甘いと思った。

  • 他人の親の悪口をいうのは止めましょう。従来の親子意識に加え、貴族意識が絡まってくるので、この時点で小説のネタとしては合格なのだろう。父と子のやりとりはもどかしい。でもあるんだよな、こういう感じ。みんな仲良くしてよね。

  • 農奴解放という歴史的な1862年に書かれた作品。

    初めて主人公に「ニヒリスト」を配し、この言葉を確立させたと言われる。これも「ニヒリスト」=「短絡的な無神論」ではなく、
    硬直した思想や論理に現実的な考え方で臨む重要性を謳っている。

  • はじめてのツルゲーネフ。知人に薦められて読む。
    予想に反して、ニヒリストの話であることに驚く。
    ロシア文学は、ドストエフスキーにしてもこの本にしても、政治的・改革的な熱情の発言が多い。

    すがすがしい本。

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