ロミオとジュリエット (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784102020012

感想・レビュー・書評

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  • 新潮文庫のシェイクスピアは表紙が好みで訳も読みやすかった。
    ただ第一幕第一場のしょっぱなのサムソンとグレゴリのセリフのなかの「石炭(コール)かつぎなんて仕事は……」が「虫を殺すのは……」とだいぶん意訳されていた。
    「石炭coal(コール)」は続くセリフの「石炭かつぎcollier(コリア)」「癪cholar(コラー)」「絞首索collar(コラー)」という語呂合わせとなるもので、読み比べした岩波文庫『ロミオとジューリエット』ではそのような訳のままだった。
    うーん、日本語で英語表現のそのような面白さを表すのはなかなか難しいのだろうな。

    岩波文庫版の訳もよくて、だけどジューリエット(ジュリエット)が「乳母(ばあや)」を「あんた」と呼んだり、乳母が「ジューリエット」を「お前様」と呼ぶのは、私のイメージとはちょっと違うんだよね(←細かい)。
    やっぱりジュリエットには「乳母」のことは「ばあや」と呼んでいてほしいし、乳母も「ジューリエット」のことは「お嬢様」と呼んでてほしい。
    ちくま文庫や角川文庫、白水社などのものは読んでいないのでわからないのだけど、これからも数冊を読み比べてから、どの戯曲も手元に一冊はおいておきたい。でもいちばん表紙がお気に入りなのが新潮文庫だから、そのシリーズを揃えたくなるんだよなぁ。

    さきに映画を観たり朗読を聴いたりしていたおかげで、文字からだけでも人物像や情景は十分想像できたので戯曲をスムーズに読むことはできた。でもやっぱり文字だけではあじけない部分もあって、戯曲は演じられることで命が吹き込まれるものなんだと改めて感じる。
    なかでもマキューシオとティボルトの、ロミオとティボルトの決闘シーン。たとえばロミオとティボルトが剣を交えるとき、セリフ以外は「(両者闘う。ティボルト倒れる)」の一文であっけなく終わる。そりゃそうだよね、小説じゃないのだから。
    だけれどシンプルに書かれているからこそ、自由に想像を広げることができるのも戯曲の脚本なんだなって思う。
    シェイクスピアの脚本では、ロミオが初めてジュリエットを意識したシーンは、ダンスをしているジュリエットに気づいてという、まあオーソドックスな出会いなんだけど、私が観た映画はもっとドラマチックな出会いのシーンとなっている。
    それはロミオがマンチュアへ追放となる前夜のシーンも同じことで、ジュリエットと過ごした最初で最後の甘く切ない時間をシェイクスピアは書かずに、いきなり場面は朝の窓辺となる。
    思ったのは、その余白があることで、これからも演じられていく『ロミオとジュリエット』にたくさんの素敵なシーンが生まれるのだろうなってこと。

    原作を読んでよかったなと思ったのは、初めて知ったことがいくつかあったこと。
    キャピュレット夫人が、ティボルトを殺しマンチュアへ追放となったロミオに毒薬を飲ませるつもりでいたこと。
    パリスとロミオの邂逅、そしてパリスの最期。←これには大変驚いた。
    モンタギュー夫人がロミオの追放の悲しみによって、死んでしまったこと。
    そしてモンタギューとキャピュレットの和解まで描かれていること。
    これらを知って、ロミオとジュリエットの両親とパリスへの見方が変わった。

    その上で、やっぱり原作が魅力的だったのは、ロミオとジュリエットの数々のセリフの美しさ、そして若々しさを詩集のように味わえたこと。
    原文にも触れてみたくなる。

    • 淳水堂さん
      地球っこさん
      読み進んでますね〜

      >セリフ以外は「(両者闘う。ティボルト倒れる)」の一文であっけなく終わる。そりゃそうだよね、小説じ...
      地球っこさん
      読み進んでますね〜

      >セリフ以外は「(両者闘う。ティボルト倒れる)」の一文であっけなく終わる。そりゃそうだよね、小説じゃないのだから。
      これ本当にそう。私はそれで戯曲がいまいち読みづらい。
      マクベスで「子供刺される。『ぼく殺された!』子供倒れる。女悲鳴を上げて走り去る」残念ながらこれでは悲惨さを想像できなかった…_| ̄|○
      シェイクスピアでは、本を手に持ちながら映画見てたりします。

      >だけれどシンプルに書かれているからこそ、自由に想像を広げることができるのも戯曲の脚本なんだなって思う。
      この読み方こそが戯曲ですね。もっと読まなきゃだなあ。
      2023/01/09
    • 地球っこさん
      雄志さん

      情報ありがとうございます!
      まずは1巻読んでみます~
      雄志さん

      情報ありがとうございます!
      まずは1巻読んでみます~
      2023/01/09
    • 地球っこさん
      淳水堂さん こんばんは☆

      私は映画とか朗読から入って大正解でした。
      先に原作を読んでたら、きっと挫折…か、面白く感じられなかったはず。そこ...
      淳水堂さん こんばんは☆

      私は映画とか朗読から入って大正解でした。
      先に原作を読んでたら、きっと挫折…か、面白く感じられなかったはず。そこで終わってたかもしれません。
      マクベスも、それでは……ですね。
      「ハムレット」の朗読ドラマもオススメしていただき聴いたのですが、ハムレットの運命にもう絶望しちゃってしちゃって、聴き終わったあと突っ伏してしまいました。
      次は「ハムレット」にいきたいと思ってます。
      でもこれも先に読む方からはじめたらそこまでハマれなかったはず。
      淳水堂さんオススメの映画と一緒に読み進めることもしたいでーす。
      2023/01/09
  • 2012年フランス・ニース フィギュアスケート世界選手権。17歳羽生結弦選手の「ロミオとジュリエット」。戦うロミオ様。ニースの奇跡。あのロミジュリが大好きで、繰り返し視聴していた。

    14世紀イタリアヴェローナが舞台の恋愛悲劇。こちらは、グローブ版を底本とされているとのこと。(上演座によって幾つかあるのかな?)地口問答と言われる言葉遊びみたいなものや、押韻ふんだんの詩の形式が全編に広がっている。訳者は、はしがきで微力の限りは尽くしたけれども、と遺恨を書き加えている。まあ、日本文学で考えても、江戸時代の物もなかなか理解しづらい。多くの注釈が付けられていて、その内容からも訳者の苦心が感じられる。
    すごーく、大変な翻訳だったろうなあと思いますわ。なんですが、私には読み物としては、面白くないです。致し方ない。たぶん、かなりの増版ですし、解説を含めての味わいと資料としての意味合いで、存在価値が高いのでは。
    とはいえ、今回、初めて通読したことで、今まで知らなかったことも幾つか知りました。
    ○あまり上品でない会話が散在する。これは、笑い    をとるところなのかなあ?
    ○ロミオは、ジュリエットを見る前は、別の女性を好きだった。一目見て、乗り換える。
    ○二人の家の仲の悪さは、皇帝派と教皇派との対立からきていて、根は深い
    ○ジュリエットに求婚していたパリス青年は、イケメンで人格者で財産家で良い人だった。
    ○そのパリス青年も、ジュリエットとロミオが死ぬ時、一緒に死ぬ。パリスが一番悲劇かも。
    ○多くの若者が死んで、対立に反省して仲良くしていこうね、って感じになる。
                        以上

  • よく考えたらきちんと読んだことのないロミオとジュリエット
    そういう展開でそんな悲劇が起きちゃったのね!ふむふむ
    そして二人の恋愛と二家の敵対問題だけではなく、乳母、友人、親戚、神父など
    結構多くの個性的な登場人物が物語を盛り上げていた
    (毎度思うが登場人物結構多いのよねシェイクスピアって…おまけになかなかの名脇役も結構いるのよ)

    幼さを残した二人が恋に落ち、両家の敵対関係から悲劇が生まれるのだが、展開も早すぎるししっくりこないところも多い
    そして未だに馴染めないのが、冗談半分かと思っていたら、あれよあれよと展開して本気の喧嘩で死んじゃう…みたいなやつ(結構ビックリするのだ)
    味方だと思っていた両親にジュリエットが従わないとジュリエットにボロクソ言い、勘当宣言までしてしまう(ひどい)
    この時代はやはり子供というのは親に所属している「モノ」に過ぎないのかしら…

    相変わらずのテンポと歯切れの良さで気持ちよく展開するため非常に読みやすい
    セリフや表現の美しさと、反面、文句や悪口がかなり下品(笑)、喧嘩になると一気に急変化…
    この乱高下にシェイクスピアらしさを感じる

    巻末の解説を読んで改めてシェイクスピアは劇作家であることを認識し、劇としての読み物だと思わないことには違和感を覚えることが多い上、言葉の多さに溺れそうになる理由もよくわかった
    解説に「シェイクスピアの劇を正しく理解するためには、絶対にエリザベス朝劇場に関する一応の予備知識が必要になる」
    とあったので「エリザベス朝劇場」についてまとめておくことにする

    ①小劇場であった
    無背景の舞台であったので、俳優の口を通して聞くセリフが圧倒的に重要な要素
    言葉のオンパレード
    芝居は、見るものではなく、聞くもの

    ②太陽光線の劇場
    舞台上のみ屋根がある
    客席は青空の下
    (昼と夜は言葉による説明が必至)

    ③無背景
    能と同様
    観客に強度な想像力を要求した
    セリフの陰影に一心に聞き入ったのだ

    ④舞台前面の幕がない
    芝居と観客との距離を近づける効果

    ⑤女の役はすべて少年俳優が扮した
    女優が生まれるのは、1660年以後


    この予備知識をもって読むと印象が結構変わる気がする
    芝居は「見るもの」ではなく、「聞くもの」!(おお、なるほど)
    だからここまでセリフがてんこ盛り
    そしてあえての無背景、道具も少な目(能と同じ感じ)により観客の想像力をあおる
    そして女優がいない!
    (ジュリエットは少年が演じたのね… ん?乳母も⁈難しくないかい?)

    そして前々から気になっていた「ロミオとジュリエットはなぜシェイクスピアの四大悲劇に入らないのか」
    これをチャットGPTに聞いてみた(笑)

    作品のテーマと構造の違い: 「ロミオとジュリエット」は愛と若さ、家族の対立などをテーマにしていますが、他の四大悲劇とは異なる要素も含まれています。四大悲劇はより壮大なスケールや政治的な要素を持ち、主人公の個人的な運命がより広範な影響を及ぼす場合があります。一方、「ロミオとジュリエット」はより個人的なドラマに焦点を当てており、他の四大悲劇とはテーマや構造が異なると言えます。

    文学的なジャンルの違い: 「ロミオとジュリエット」は一般的には悲劇とされますが、その中でもロマンティックな要素が強く、恋愛物語としても非常に有名です。一方、四大悲劇はより古典的な悲劇の形式に従っており、政治的な陰謀や野望、道徳的な問題などが重要な要素となっています。

    時代的な位置づけの違い: 「ロミオとジュリエット」はシェイクスピアの初期の作品であり、四大悲劇は彼の後期の作品に含まれています。シェイクスピアの劇作スタイルやテーマの発展は時間とともに変化しており、四大悲劇はその成熟期の作品とされています。そのため、「ロミオとジュリエット」が四大悲劇に含まれていないのは、その作品の位置づけによるものかもしれません。

    (なかなか真面目で正統派の回答がきました)


    最後にとっておきの粋なセリフ
    恋とは…「息の根もとまる苦汁かと思えば、生命を養う甘露でもある」
    バラの名前…「わたしたちがバラと呼んでいるあの花の名前が何と変わろうとも薫りに違いはないはず」


    あとはリア王とマクベスを制覇するぞ!


    • アテナイエさん
      ハイジさん、こんばんは。

      >能は個人的に何より能面の効果が想像力を掻き立てるのに凄まじい威力を発揮する!と思っているのですが、戯曲のセ...
      ハイジさん、こんばんは。

      >能は個人的に何より能面の効果が想像力を掻き立てるのに凄まじい威力を発揮する!と思っているのですが、戯曲のセリフの多さではなかなか想像力が働かず困っていたところでして(汗)

      あの能面ね、たしかに静寂な威厳が漂っています。それからすると、シェイクスピアの戯曲はセリフが多くて長いですよね。能楽のような空(くう)や間が少ないかな(当時の実際の劇ではどうなのかわかりませんが…汗)。

      これは勝手な想像ですが、ギリシャ悲劇もそうだけれど、西洋の作品は呆れるほど饒舌で、ことば、ことば、ことば、ときに騒がしくて食傷気味になることもしばしばあります。でももしかすると、戯曲のセリフは小説のようなそれ(ぎゅう詰めの言葉)ではなくて、古い時代の吟遊詩人の言葉のように、描写であり、色であり、音楽であり、匂いや空気のようなものかもしれません。なので何回も楽しめるのでしょうけど(笑)。

      そうですか! でもお堅いチャットGPTが本気で遊びだしたら、結構コワイですね~どうしよう(-_-;)

      『唐代伝奇』のレビューをお読みいただきありがとうございます。
      いつかぜひ手にしてみてください。こちらは東洋の摩訶不思議な世界が広がっていま~す。
      2023/07/01
    • 淳水堂さん
      ハイジさん、こんにちは

      >「ロミオとジュリエットはなぜシェイクスピアの四大悲劇に入らないのか」
      これをチャットGPTに聞いてみた(笑...
      ハイジさん、こんにちは

      >「ロミオとジュリエットはなぜシェイクスピアの四大悲劇に入らないのか」
      これをチャットGPTに聞いてみた(笑)
      おお、使いこなしてる!私は機械やシステムが苦手で全然わからんです(-_-;)

      また、当時の演劇では「芝居は、見るものではなく、聞くもの」で「観客に強度な想像力を要求した セリフの陰影に一心に聞き入ったのだ」ということを教えてくださってありがとうございます。
      そんな演劇の見方したいなあ、本もそんなふうに読みたいなあ。

      当時の舞台が無背景で幕もない、ということで「誰かが死んだら死体を片付ける場面を書かなければいけない」とは読んだことがあります。
      それで『ハムレット』ではラストで片付ける必要がないとばかりに死体増やしたのか?と思いました 笑

      >⑤女の役はすべて少年俳優が扮した
      『夏の夜の夢』のヘレナとハーミアが、背が高いとか低いとか色白とか書かれていますが、初演の少年俳優さんに合わせたんでしょうかね。

      >味方だと思っていた両親にジュリエットが従わないとジュリエットにボロクソ言い、勘当宣言までしてしまう(ひどい)
      シェイクスピア戯曲に出てくる駆け落ちカップルって女性側が父親から猛反対されていますが、まさに父親に逆らうのって命掛けなんですよね。
      『オセロー』ではデズデモーナに対して父親が「父親の自分の意に沿わない結婚した娘など死んでくれたほうがまし」、『夏の夜の夢』ではハーミアの父親が「娘が自分の決めた結婚を嫌がっているので、アセンズの法で裁いてほしい。つまり、父親である私が決めた相手に嫁ぐか、死刑になるか、修道院に入り一生世間との交わりを断つか。」と訴え出る。(父親が娘の処罰を訴える時代なのか…)

      『ロミジュリ』も『オセロー』も駆け落ちから悲劇に繋がりますが、父親に逆らう娘は死刑になるような時代だったら、そりゃー自分の意志で駆け落ちするよなあと思っています…。
      2023/07/02
    • ハイジさん
      淳水堂さん こんにちは
      コメントありがとうございます!

      淳水堂さんに「死体を片付ける…」という舞台ならではのリアルさを教えていただいたのも...
      淳水堂さん こんにちは
      コメントありがとうございます!

      淳水堂さんに「死体を片付ける…」という舞台ならではのリアルさを教えていただいたのもあって、やはり戯曲を小説のように読むべきではないなぁと痛感しました

      父親に歯向かう娘は死刑かぁ
      私はとっくに死んでますね(笑)
      それにしてもかわいい我が子を後継ぎの駒くらいにしか考えていないのか?と思うと切ないですね

      淳水堂さんの情報でいろいろ読み方のヒントをいただきました!
      ありがとうございます(^ ^)
      2023/07/02
  • アンジャッシュ

  •  いがみ合う両家のすれ違いで起こった悲劇の恋愛を描いた言わずと知れたシェイクスピアの代表作。
     演劇の脚本なので、読む前は地の文で描かれるはずの描写を想像して補わなければいけないところもあるんじゃないかと危惧していたがそんなことはなく、とても楽しく読めた。
     ロミオはジュリエットに対し一目惚れをして神父に浮気を窘められるような惚れっぽい描写がしっかりなされていたが、ジュリエットはロミオにキスされた時にはお洒落な言い回しなだけかもしれないが婉曲的な表現で返事をしていたのに実は恋に落ちていたという展開で、そこは納得できなかった。また、最後の薬や手紙がどうもご都合主義に感じられてしまった。けれど、解説によるとこの物語には原作や元になった話が存在するようで、それを踏まえた理由があるのかもしれない。
     他の文学でもシェイクスピアの作品からの引用があることが度々あり不思議に思っていたが、実際に読んでみると、ウィットに富んだ思わず口にしたくなる台詞が多々あり、腑に落ちた。

  • 難しかった…いつかもう一度読もう

  • 結末だけなんとなく知ってるくらいでした。
    装画に惚れ手にしたのですが、思った以上にテンポよく話しが進むしとても愉しめる作品だと思います。


    ロミオとジュリエット若さゆえ恋の衝動がすごく恋は盲目とはまさにこれという感じでした。

    過ぎたるは及ばざるが如し…
    運命のすれ違いで起こった結末はまさに悲劇的。
    でもなんとなく知ってるで済ませてはもったいない!現代でもなお愛され続けているのには納得。(読んで良かった)


    お気に入り?といいますか
    可笑しかったロミオの台詞は、

    『 いっそのことあの(ジュリエット)手を包む手袋になってみたい。』です。
    400年も前なのに昔も現代も好きな人の〇〇になりたいな思考はかわらないんだなと。笑

  • 舞台はヴェロナ。
    敵仇同士のモンタギュー家とキャピュレット家の、情熱的でロマンチックかつ悲しい内容でした。
    新装版なのか注訳のおかげで、とてもわかり易く一気読みでした。
    卑猥な表現もあれば、シャレもあり、そういう意味では大変楽しめました。

    あの「おお、ロミオ。どうして貴方はロミオなの?」の原文が読めた時、ゾワッとなりました。
    ここがあの件か!と。
    ロミオとジュリエットの会話は非常にロマンチックで詩的なものがあり気持ちもポッと温まるというか染められるものがあります。

    この物語の中で二人の味方は僧ロレンスのみ。
    キャピュレット家の掌返しが凄まじく残酷。

    たった一日で一目惚れをして猛烈な恋に堕ちたロミオとジュリエットが、たった一日の夫妻であり、一週間で命を落とすという短いようで、長い物語。
    舞台で観たら泣いてしまいますね。

    名作といわれた名作。
    素晴らしい作品です。
    シェイクスピアの他の作品も読みたくなりました。

  • 「恋をやさしいものだとねえ?恋はつらい、あまりに残酷だ、暴君だ、茨(いばら)のように人を刺す。」
    「恋が君につらければ、君も恋につらければよい。向こうが刺せば、こっちも刺せ。すりゃ恋が負けにきまってる。」

    最近、失恋した僕に結構効く言葉でした

  • ストーリーは何となく知ってたが、
    読んだことなかったんで読んでみた。

  • 16世紀に書かれた英語の戯曲を1951年の日本語訳で読む(読ませる)こと。作品自体が2022年新潮文庫の100冊に選出されていることに異議はないが、21世紀に生きる中高生に何かを伝える意識が本気であるのなら、中野好夫訳はそろそろ再考が必要だと思う。

  • こうして敵同士の両家は、手と手を取り合うことになりました。めでたしめでたし。

    ってなるか?

  • 16世紀のお話のため、文章はかなり読みづらい。
    が、話しの展開は現代の恋愛ストーリーにも通ずる恋愛の障壁、すれ違いから生まれる悲劇の数々で
    シェイクスピアらしい物語で楽しめた。

  • 世界的に有名なシェイクスピアの代表作だが、歴史的背景や知識がなかったので、本書だけ読んでも内容が素直に入ってこなかった。できれば、舞台などを鑑賞して理解を深めたい。

  • シェイクスピアの歴史的傑作であろうとも、中世に書かれた戯曲を文庫本で読んで面白いかと謂われると、読み難いし退屈さは否めない。モンタギュー家とキャピュレット家との反目し合う両家の御曹司と御令嬢の悲劇の恋愛物語であるが、以前読んだスティーブン・ピンカー著『暴力の人類史』に「中世の恋愛小説の流行が人々の他者共感力を向上させ暴力を減らした」とあった。なるほど『ロミオとジュリエット』も当時の衝撃と現代の評価から察するにひょっとすると人類史に貢献した作品であったのかもしれない。

  • 名作なだけはある。
    読んで良かった。
    引き込まれる文章によって、読み進める手が止まらなかった。単なる小説と違って、演劇感が伝わってきてセリフの迫力が凄い!!

    かの有名なロミオとジュリエットがバルコニーで逢瀬するシーンや、月の光に照らされてお互いに求め合い、永遠の愛を誓うシーンはとてもロマンチックだった。何よりも、表現が豊かで重厚で味わい深い。

    最後の落ちのストーリーは唐突だったので、ええええ?と驚いた。。。そいえば、ロミオとジュリエットの現代版•ウエストサイドストーリーもそんな感じだったな。詳細は違うけれども。描き方違ってどちらか見てても楽しめます。

  • ジュリエットのいる2階の窓辺にて、「どうしてここへ、何のためにいらっしゃったの?」に対し、「こんな塀くらい、軽い恋の翼で飛び越えました。」というキザな台詞が印象的で好き。ティボルトは血の気が多いが憎めない。

  • 中2のときに文化祭でジュリエット役を演じた。姉の服を借りた。そのときに新潮文庫を読んだと思う。

  • 新型コロナウィルスでロックダウンされている中で、話の舞台となるヴェローナでヴェランダ越しの恋が実ったなんて話を聞いたもので、本家本元をインターネット・アーカイブより借りて読みました。感想:「ロミオって?」の一言。ジュリエット以外の女性に執心で思い悩んでいたのに、出会った瞬間に恋に落ちて、翌日に結婚、数時間後に花嫁の従兄弟を殺害、死ぬ間際にも伯爵家の王子に手をかけている。事情はあるにせよ、現代的価値観からするとクズすぎない?

  • 新潮文庫のシェイクスピアは全部福田恆存訳なのだと思っていたら、中野好夫だった。なるほどこれか、というような部分があったりして面白かったものの、これ、全部坊さんが悪いのでは? という感は否めない。

  • 急展開の悲劇。あらすじは知っていたものの、こんなに言葉遊びや下ネタが多いとは思わなかった。面白い。ただ1952年の訳なのでもっと現代に寄せた猥雑さのあるロミオとジュリエットが読みたい。難しそう。

  • 苦手に感じてずっと避けてきた戯曲。
    読まず嫌いは良くないと感じ、一度は読んでおこうと思った。そうなると物語自体は知っているものが読みやすいだろうと思い、「ロミオとジュリエット」を読んでみることにした。

    有名な悲劇。
    物語それ自体よりも台詞のあちらこちらに聞いたことのあるものがあり、これがあの有名な台詞かと実際に物語の流れで読むと感慨がある。

    ロミオもジュリエットも若いとは思っていたけれど、ジュリエットが14歳にもなっていないことや、物語がほんの一週間程で進む怒濤の展開ということを知らなかった。
    若いというよりは幼いふたりが、まさに恋の炎が燃え上がるように互いに愛し合うというところは、世間知らずの幼さ所以の悲劇だと改めて感じた。
    道理ですぐに結婚するの死ぬのと大袈裟なことになるわけだ。
    幼いふたりなら、障害があればあるだけ気持ちも昂り、意地になったり見境もつかなくもなるだろう。

    ロミオがジュリエットに出逢うまでは別の女性を思って、まさに恋煩いだったのに、ジュリエットに出逢うやアッサリ心変わりするところなど幼さが出ている。

    ロミオの心変わりもだが、他にも喜劇のような部分は多く、笑いと涙という吉本新喜劇のよう。
    特に乳母のキャラクターは憎めなくてとても良い。

    また、翻訳のかたが敢えてそう訳したということらしいが、台詞が意外に上品でなく結構皆口が悪い。
    時代背景など詳しい知識はないが、昔であっても若者の言葉はきっと乱れていると思う。
    好みはあると思うけれど、こういう訳でいいのではと思う。

    「ロミオとジュリエット」が書かれた頃の舞台の様子などの解説もあり、興味深く読める。
    芝居を観る現代とは随分異なる、芝居を聴く時代とわかり台詞が多く説明的であることにも納得がいく。

    十分年を取ってからはじめてのシェイクスピアだったが、思った以上に面白く読めた。
    次は「マクベス」あたりを読んでみたい。
    苦手だからと敬遠せず、いくつになっても挑戦することが大切だ。

  • シェイクスピア悲劇として至極有名な一作。
    ヴェロナの街で、互いに反目し合うモンタギュー、キャピュレット両家。
    仇敵同士のモンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットは、ある夜の舞踏会で、相手の素性を知らぬまま、一目で激しい恋に落ちる。
    「ああ、ロミオ様、ロミオ様! なぜロミオ様でいらっしゃいますの、あなたは?」
    とバルコニーで嘆くジュリエットのセリフはあまりに有名である。
    その後、2人は極秘裡に結婚するが、ロミオは重罪を犯し、街から追放されてしまう。一方で、ジュリエットは何も知らぬ両親の意向で、別の男との結婚が決まる。
    2人の婚姻を仲介した修道僧は、若き2人を一緒にし、両家の不和も解決しようとはかりごとを巡らせる。だが、どこまでも冷徹な運命の手は、互いを求める恋人たちをすれ違わせる。
    かくして、激しい恋は、狂おしい破局へとなだれ込む。

    巻末の解説によると、若い2人の悲恋を描くこの物語の原型は古くから綿々と語り継がれていたようである。
    シェイクスピアの手による改変は、主に、ジュリエットの年齢設定と、出会いから破滅までの期間である。20歳、18歳等であった令嬢は、実に14歳前の少女となり、数ヶ月の物語が1週間足らずとなった。
    それにより、純潔で美しい2人が、情熱的に濃密な時を過ごし、一挙に悲劇へと突き進む、鮮烈な物語となったわけである。

    文字通り数え切れないほど上演・翻案されてきた作品だが、グローブ版を種本とした本書を読むと、この劇は本質的にセリフ劇なのだという印象を強く受ける。訳者も訳出には相当に苦心されたようだが、地口(しゃれ)も多い。
    注や解説と合わせて読むことで、当時の舞台の様子がほの見えてくる。
    小劇場で行われた当時の舞台では、演者と客の間が近く、それゆえ、膨大なセリフもよく聞き取れたことだろう。大道芸や寄席芸さながら、そこでは「語り」の力が大きい。大筋は悲劇であるが、リズミカルな語りを入れることで生まれる笑いもあったろう。ときにそれは猥雑さも含み、大衆劇的な匂いもある。
    当時の舞台は比較的シンプルで、大道具を取り替える等の作業はほとんどなかったようだ。舞台上をぐるりと回ると目的地に着いたことになる等の能や狂言に似た演出もあったようで興味深い。ほかにも内側の幕を閉めることで場を転換するなど、映画のカットでシーンが変わるような工夫もあったようである。緻密な道具はないが、想像力が補う劇空間が成立していたようだ。

    「主人公が14歳なのはいくら何でも若すぎだろう」とか、「修道僧が親に秘密で未成年を結婚させるなんてどうなの?」とか、「ロミオ、ちょっと前まで別の女の人に熱あげてたのに」とか、人によりいろいろ突っ込み所もあるだろう本作だが、愛されてきた物語であることは不動の事実である。
    考えようによってはロミオもジュリエットも実は主役ではないのかもしれない。若くて美しければ、そして2人の間に障害があれば、よかったのである。
    真の主役は、「若き日の実らなかったロマンチックな恋」。そう、誰の心にも、おそらくはある、「美しいあの日」の思い出なのだ。

  • タイトルは有名だが、知っているようで知らないお話。
    まさかロミオが殺人を犯して、国を追われることになり、ジュリエットは仮死状態となって自分という存在を殺した後でロミオを追おうとし、愛しい人が死んでしまったと勘違いして自分も後を追うように毒を飲み、仮死から目覚めた姫が愛しい人が自殺した姿を見て、自殺する。…なんてお話とは。

  • ロミオってどうなの!? あんだけ他の女性に心底惚れて、振り向いてもらえない自分ってなんてかわいそうなんだ!とかわいそうな自分に酔って女々しすぎると思ったら、ひょいと行った社交界で出会ったジュリエットにあっという間に乗り換えちゃったってどういうこと!?
    …と、思われても仕方ないような。悲劇といえば悲劇なんだけれど、きっと結婚生活が続けば二人すれ違ってきたのじゃないかって心配になってしまうので全力で愛を貫き通せたのはいいのではないのかとか思いました。
    有名すぎるお話なので、大まかな筋は知っていたけれど、“悲劇な恋愛”というイメージしかなかったけれど、時代背景を知ったり、社会的な問題などもあったり、ただの悲劇っていうわけでもなかったんですね、

  • 訳者による解説がとても丁寧で細かく、勉強になる。
    原語をそのまま訳したのではなく和風にしてあるというか、なじみのある言葉やリズムに変えられている。そのため時代を感じる言葉が多く出てくる。
    もしもストーリーをさらいたいだけであれば冒頭だけでも読んでみてから検討したほうがいいと思った。

    自分は今度舞台を見るので、その前に登場人物や関係性の把握がしたかったため読んだ。
    解説で「原語では〇〇(〇〇と〇〇の両方の意味があり、かけてある)だが大幅に変え、〇〇とした」というのを読み、そういう表現だったのか、と面白かった。この本のメインはその面白さだったかもしれない。

  • 名前は聞いた事あるが全然内容知らないので読んでみた。
    冒頭一章よんで「むず!全然分からん!」となった、ネットで調べると小説ではなく戯曲というジャンルがある事が分かり納得、そのあとは流し読み。
    かなわぬ悲劇の恋的な話し、なのはそうなのだが正直イメージと違ったロミオが顔だけで急にジュリエットのことを好きになり、ロミオもジュリエットも勝手に暴走したという感想、感情移入しずらい(そもそも戯曲なので心理描写がない)のと翻訳も独特な言葉回しが多く正直そこまで面白くはなかった


  • この展開の元凶は両家の関係よりも絶対喧嘩っ早いマキューシオのせい。
    それにジュリエットに一目惚れ状態で以前の想い人秒で忘れるロミオって…
    感傷的になって周りに何一つ伝わってないよジュリエット…
    恋は盲目なんて言うけれどまさにそれな物語。

    時代のせいもあるかもしれないけれど、もっと上手くやれたでしょ?って個人的にはモヤモヤした終わり方でした。

    人気のある作品なのはとても納得できました。
    会話テンポもよくスラスラ読み進められて良かったです。

  • 久しぶりに読んだ。

    言動が若すぎる。
    見た目のことばっかり言っているし。
    見た目が好きで熱にうかされて結婚したけれど、保身を図る思いも感じて、子どもっぽさが強い。
    これは名作というよりは、筋が単純でわかりやすいから広く受け入れられた、という作品な気がする。
    あと、劇という形をとっているから成立している作品なのだと感じた。

  • 「心の想いというものは、言葉よりも内容によって床しいもの、実質をこそ誇れ、言葉の華を誇るものではございません。」

    こんな悲劇の恋愛ストーリーだったのだ。
    読んでいる私もストーリーに思わず同情してしまうような和訳に感動した。

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著者プロフィール

1564-1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ36編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた。その作品の言語的豊かさ、演劇的世界観・人間像は現代においてもなお、魅力を放ち続けている。

「2019年 『ヘンリー五世 シェイクスピア全集30巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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