ハムレット (新潮文庫)

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制作 : William Shakespeare  福田 恒存 
  • 新潮社 (1967年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102020036

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ハムレット (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • シェイクスピア四大悲劇、三作目は「ハムレット」。

    父王の亡霊を見たことによって、父の死は叔父の策略によるものだったとわかった王子ハムレット。
    叔父への復讐に取り憑かれたハムレットは、狂気を装い遂には思いを果たす。

    避けてきたシェイクスピアを読むようになって、思っていたよりも読みやすく愉しめることがわかった。そんな中で、「ハムレット」が最も面白く読めた。

    何がどう面白いのかと訊かれたら、ここがこうだからとスパッとは言えない。
    ただ、シェイクスピア悲劇はいつも、ああ、なんでそこでそうしちゃうかなあ、という読んでいてもどかしくなってくるような行き違いのようなものが多く、そこがつい引き込まれて面白い。などというフワッとした感想になってしまう。

    有名な台詞『生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ』というものは、違う翻訳だったらしく、読んだ「ハムレット」では、『生か死かそれが問題だ』となっていた。
    この台詞は結構サラッと出てくる。シェイクスピア作品の有名な台詞は、思ったよりもさりげなく使われる。
    『尼寺へ行け』という台詞も何処かで見たけれど、それも「ハムレット」だったのだとわかった。
    有名な台詞がどの場面で、どのように使われるのかもシェイクスピア作品を読む愉しみのひとつかもしれない。

    宰相ポローニアスが息子にかける言葉が良かった。

    腹に思うても、口には出さぬこと、突飛な考えは実行にうつさぬこと。つきあいは親しんでなれず、それがなにより。が、こいつはと思った友だちは、鎖で縛りつけても離すな。(P34)

    どんなひとの話も聞いてやれ。だが、おのれのことをむやみに話すではない。他人の意見には耳を貸し、自分の判断はさしひかえること。(P34)

    金は借りてもいけず、貸してもいけずと。貸せば、金を失い、あわせて友をも失う。借りれば、倹約がばからしゅうなるというもの。(P34)

    いちばん大事なことはな、己れに忠実なれ、この一事を守れば、あとは夜が日につづくごとく、万事自然に流れだし、他人にたいしても、いやでも忠実にならざるをえなくなる。(P34)

    なるほどと思いながら、最後の「リア王」はどんな物語なのだろうと期待する。

  • シェークスピアならこのあたりから読むのがいいかなと思い読んでみました。
    以前、ロックオペラになったものをテレビで見たことがあったので何となく知っているストーリーで、私でもちゃんと読めました。
    意外と面白いです。

  • デンマークの先王の息子ハムレットは、夜な夜な城に現れる父王の亡霊から、その死因が叔父である現王の計略によるものであるときき、固く復讐を誓う。ハムレットは復讐を本当に実行に移すべきかどうか迷いながらも、狂気を装って機会を窺う。そして王の策略で仕組まれた剣術試合の場で、ついに王を討ち復讐を果たすものの、自らも毒刃に倒れる。

    物語のはじめでは「生か、死か、それが疑問だ、どちらが男らしい生きかたか」と煩悶していた頼りない一青年が、謀略や恋人オフィーリアの死を経験して、最後には「一羽の雀が落ちるのも神の摂理。来たるべきものは、いま来なくとも、いずれは来る―いま来れば、あとには来ない―あとに来なければ、いま来るだけのこと―肝腎なのは覚悟だ。いつ死んだらいいか、そんなことは考えてみたところで、誰にもわかりはすまい。所詮、あなた(=神)まかせさ。」と、腹の据わった立派な主人公へと変貌を遂げ、悲劇が完成する。青年の暗い熱情と極限状況下での成長を描く壮絶な傑作。

  • 主人公ハムレットの破滅的な言動に引き込まれた。独特の鋭いアイロニーが痛快。

    「死んでいる人間同様の、こんなのろまを殺すとは」(p107)

    「本当に短うございますこと」「女の恋のように」(p111)

    「なるほど、この堕落しきった世のなかでは、美徳が悪徳の許しを乞い、あまつさえ、辞を低うしてその顔色をうかがいながら、事をなさねばならぬらしい」(p138)

    ポローニアスとギルデンスターンとローゼンクランツを殺した後の自己正当化の理屈が無双すぎて笑える。

    「これも運命とあきらめろ。やっとわかったろうな。あまりちゃかちゃかすると危ない目にあうのだ」(p132)

    「身から出た錆、追従者にふさわしい最期さ。ああいう小人ばらの出る幕ではない。大物がたがいに鎬を削って斬りあっている間に、首を出すなど無法きわまる話だ」(p198)

  • ポローニアス「ハムレット様、なにをお読みで?」

    ハムレット「言葉だ、言葉、言葉。」

  • シェイクスピアの四大悲劇のうちの一つ。戯曲(劇の台本のような感じ)というスタイルで書かれていて、基本的にはセリフが続き、たまに機械的な場面描写もカッコ書きで入る。最初は読み辛いかと思っていたが、最初の数ページでグイグイとこの世界へ引き込まれる。

    悲劇というものは初めて読んだ。
    悲しみに包まれるのかと思っていたのだが、予想していた悲愴感とは違い、「えっ?」とか、「マジか」というような展開によって話が進んで行き、逆らえない運命的なものに支配されて悲劇的なクライマックスに至る。

  • 言わずもがな有名なシェイクスピア四大悲劇のうちの一つ。
    話の内容を簡単にまとめると、王であった父を叔父に殺されたことを知った王子ハムレットが、叔父に復讐するというよくある話。
    しかし実際はよくある復讐劇にとどまらない魅力があり、我々を惹きつける「何か」がある。
    「何か」が何なのかは未熟な私ではまだ言葉にできそうにない。

    劇の脚本なので心理描写は台詞の中からしか読み取るしかない。
    ハムレットは本当に気違いの振りをしていただけなのか。一部本当に気が触れてしまった部分もあるのではないだろうか。
    オフィーリアの心中はどんなものだったのだろうか。
    登場人物の心理を色々考察するのが楽しい。

    本編以上に解説が気合い入りまくっている(3本立て)。
    訳者の意気込みを感じるけどちと長い。
    いっそ別冊で出した方が良かったんじゃないかと思えるほど。

    いつか実際の劇を見てみたいと思えた。

  • 悲劇的結末。面白いのは、ハムレットの言葉からうかがえるものの考え方。十七世紀初頭という時代と重ねる。ちなみにハムレットはデンマーク王子。シェイクスピアの作品には大概、原案となる話があるそうな。

  • 面白かった。あと、
    やっぱり難しかった(´-ω-`)

  • さすが歴史的な古典作品だとおもいました。

    この本の著者や出版年なんかを知らなかったとしても、
    書かれた時代が現在ではないとはっきり感じると思います。
    というのは、本書の中に数々の名言があるように、
    シェイクスピアの考える真理や、哲学、価値観、世界観、人生観、恋愛観なんかが文の至る所に凝縮されていて、ものすごく思慮の深い、思案深い作品だと思うからです。
    主観ではあるが、今日のように森羅万象が目まぐるしく変化を遂げる時代にこんな作品は生まれないと思うのです。

    原文で読みたいと思います。

  • 一羽の雀が落ちるのも神の摂理。来るべきものは、いま来なくとも、いずれは来る。いま来れば、あとには来ない。あとに来なければ、いま来るだけのこと。肝腎なのは覚悟だ。
    ここ好きよ。

  • 有能であるが復讐のために多くの人が犠牲とし手を汚すハムレット。つぶし合った一族がすべて死ぬ。暗殺を阻止する母。ハムレットのために死ぬ恋人。短編で濃い。

  • まさしく悲劇。これまであらすじしか知らなかったけれど何気に精読。(もちろんだけど)言い回しが劇的で古臭いけれど、この劇をステージで見た当時の人々の感激が間接的に伝わってきます。

  • 2017年12冊目。

    物語全体をかすめそうなほど、迫力ある素晴らしい名言が多すぎる。
    解説に「心理劇ではなく行動劇である」とあるが、確かに、一つひとつのシーンの意味にいちいち立ち止まるのではなく、物語の流れの勢い乗っかって味わえる素晴らしさがあると思う。
    一読目はそういう風に読めた。
    劇としても一度見てみたい。

  • 「悲しみというやつは、いつもひとりではやってこない。かならず、あとから束になって押しよせてくるものだ」など、名言、警句、機知に富んだ言い回し、多様な比喩、アンバランスな狂気の言葉がちりばめられていて、シェイクスピアはめちゃめちゃ攻めています。そして磨いていて鋭さもある。攻めて磨かれた言葉たちなんですよね。そして、それらによって、熱狂というか、「熱」を生みだしているように感じました。舞台で演じられているさまを想像しても、観客の頭に「熱」が生じる感じです。アドレナリンがふつふつと湧いていくるような快楽が「熱」という形でやってくるとでもいえばいいのでしょうか。

  • 確かに、悲劇。なんだか、最後が救われない感じ・・。

  • 1600年ころの作品。
    彼の初期の習作時代は、ギリシャ・ローマ文化の影響を受けてはいるものの、はやりシェイクスピア独自の才気は溢れていますね。劇作家として名をはせても、決して留まることを知らず、常に作品を進化させているよう。少々固くて男性的な政治悲劇の「ジュリアス・シーザー」に比べると、「ハムレット」の詩的で流暢なセリフは飛躍を遂げていると感じます。

    黙々と煩悶する、独りぼっちのハムレットは、クライマックスに至ると己の宿命に毅然と挑みます。苦悩に満ちた内面を抉り出していることもあって、健気なハムレットに共鳴する読者は一体化しやすく、筋もシンプルでわかりやすい作品だと思います。

    「もともとやくざな古木に美徳を接ぎ木してもはじまらぬ。結局、親木の下品な花しか咲きはしない」

    「地球という素晴らしい建物も、自分にとっては荒れ果てた岬のように見える」

    「悲しみというやつは、いつもひとりではやってこない。必ずあとから束になって押し寄せてくるものだ」

    私の印象では、高貴で繊細で聡明なハムレットですが、少々激情的で陰気な気質です。叔父と母の裏切りで極度の人間不信に陥ると、さらに拍車がかかったのでしょうが、もともとの性癖も大いに影響しているという点では、運命に流されるギリシャ悲劇とは異なる「性格悲劇」の典型だと思います。そのため、細かな筋論はさておき、ハムレットという男に共感できるかどうかが評価の分かれ目になりそうです。

    ハムレットの装った狂気は演技なのかしら? いやいや性格そのものではないのかな? それにしてもこの破綻ぶりはちょっと心配よねぇ……もしや、ほんとに人格破壊されちゃったのかな? とぶつぶつ言いながら、終始目が離せず、ハラハラ怖くて面白い……。

    少々残念なのは、ハムレットと愛しいオフィーリアとの悲恋の描写が薄弱で、本当にハムレットは彼女を愛していたのかしら? オフィーリアはどうなの? う~ん、実のところよくわかりません。このあたりの男女の心理描写は、後の悲劇「オセロ―」や「アントニーとクレオパトラ」の甘美で複雑な愛憎描写と比べてみても、少々荒削りです。それゆえにシェイクスピアは進化の路を歩み続けるのでしょうか。

  • 城に現われた父王の亡霊から、その死因が叔父の計略によるものであるという事実を告げられたデンマークの王子ハムレットは、固い復讐を誓う。道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる―。恋人の変貌に狂死する美しいオフィーリアとの悲恋を織りこみ、数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作である。

  • おお、主な登場人物の誰にも感情移入できぬではないか! みななにゆえこのように軽率かつメンタルが弱いのであろうか。
    『リア王』『マクベス』はわかるが、『ハムレット』が名作とは到底思えぬのは私の読力が足りぬのか。

    最期にバタバタと、そし誰もいなくなった、という展開には思わず「コントかよ」と思った次第でありました。

  • 劇作家として有名なシェイクスピアが描く悲劇の1作である。
    読み終わって第一に思ったことが、この話は本で読むべきではない。舞台を想定したものであるから、小説に落とし込んだところで、本としての悪いところばかりが見えてきてしまう。
    会話文のような形式で話しが進むが、情景描写がほぼ無いため背景や雰囲気が分かりづらい。カッコ書きで多少書いてくれている所もあるが、それもむしろ興ざめしてしまう。
    小説としての書き方は置いておいて、話の内容としては正直なところ普通。驚くべき展開も特にないし、まぁ最後に悲劇が生まれる物悲しさが漂うだけにしか思えなかった。逆に言えば悪いと言い切る場面も特には無いが。単純に物足りないだけだ。
    舞台で見るとまた印象が変わるのだろう。
    本で読むにはお勧めできない1冊。皆の物、舞台に行け。

  • いつぶりだろう…。久しぶりに読んだなー!
    高校生の時、クラスメイトがシェイクスピアの作品の素晴らしさを熱く語っていたけど、あんまり理解できなかった記憶がある。長年愛される凄い作品だということは何となく分かるんだけど、そもそも言葉がよく分からなくて、内容をあんまり理解できなかったんだよな。。。蜷川さんの舞台の話を読んで、無性にシェイクスピア作品が読みたくなってこの本読んでみたけど、結構面白かった!ちょっと大人になったかな(笑)でもやっぱり外国の作品だからか、情景がイメージできない部分もまだあったけどね。クライマックスが最高。ハムレットが復讐を遂げる場面は、関係するみんなが死ぬという結末で、ハムレット良かったね!って気分になる。言葉や言い回しは秀逸。

  • オフィーリアのくだりがやっぱりすき。狂気と出自が破戒をうち砕く。

  • シェイクスピア四大悲劇の一つ。リア王と同様、主要な登場人物はことごとく死ぬ。なんつー話だ。因果応報が拡大して降りかかってくる感じ。人間の営みの愚かな部分をクローズアップしている作品だった。
    個人的に1番報われないのは友達二人だろうと思う。オフィーリアのお父さんはフラグ臭がしてたからそんなになんとも感じないが、友達二人はほんとに不憫だ。シェイクスピアさんは富樫さんくらいそこそこ出てくるキャラの最後が雑である。
    それはともかく、びじゅチューンの「オフィーリアまだまだ」を改めて聴きたくなった。

  • シェイクスピアの作品が、なぜ名作と呼ばれるかがわかる。読む時どきによって、色々なものを見いだせる。

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ハムレット (新潮文庫)の作品紹介

城に現われた父王の亡霊から、その死因が叔父の計略によるものであるという事実を告げられたデンマークの王子ハムレットは、固い復讐を誓う。道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる-。恋人の変貌に狂死する美しいオフィーリアとの悲恋を織りこみ、数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作である。

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