魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3)

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制作 : 高橋 義孝 
  • 新潮社 (1969年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (806ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102022030

魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3)の感想・レビュー・書評

  • 1924年に出版された小説にこんなに共感出来るなんて意外でした。「精神と肉体」だとか「生と死」だとか「愛」だとか「時間」だとか、そういったかたちのないもの、理屈で解明出来ないものとはやはりいつの時代にも不変のテーマなんですね。そしていつの時代の人々も、同じようなことを感じ同じようなことに苦しみ同じような結論を出す。面白い。本当に面白い。

  • 若い頃でないと読み切ることが難しい。
    それほど本書は読者に背景を理解するためのハードルを上げる。
    宗教家と教師との長い論争は最たるもの。読者もまたその理解を求められる。

  • あまり面白くないかな、しかも長い。

  • 堪能しました。

    人文学者で合理主義者、ハンス・カストルプの師であるところのセテムブリーニの長々しい語りだけでも充分興味深かったのに、彼に強烈なライバルが現れる。
    イエズス会の会員であり、宗教のためならテロやむなしとするナフタ。

    この二人がそれぞれハンスを自分の陣営に引き込もうと語る語る。
    ふたりに挟まれた形のハンスは、お互いに極論ばかり言わないで、何とか妥協点を見つけることはできないのだろうかとこっそり思うくらい。

    現在の日本に生きる私は、やはりセテムブリーニの言い分の方が近しいと思える。
    人間の尊厳であるとか、文学が持つ力であるとか、注意深く政治を見つめることとか、経済の重要性とか。

    神の前にはすべてが等しいというナフタの理論は一見素晴らしく思えるけれども、神のためなら自分の命も他人の命もなんということはないという、テロリズムを容認するような考えは、宗派を問わずとても恐ろしい。
    けれど、それが宗教の中心にあった時代は確かに存在し、それはキリスト教だけではなく、日本にだってあったのだから、まさに人間の問題なのかもしれないと思えてしまったり。

    この二人のやり取りで格段に面白くなってきたぞと思ったら、もっと上を行く強烈な人物ペーペルコルン氏登場。
    とにかく主語と述語がかみ合わないというか、文章を最後まで言わないで次の文脈に進んでしまうので、読んでも読んでも何を言っているのかわからない。
    実際にそばにいたら、絶対イライラすると思うけれど、よくわからないことを自信たっぷりに語る大金持ちでやりたい放題のペーペルコルンは、なかなかに憎めなかったりする。

    それが、唐突に療養所に持ち込まれた蓄音機によって、音楽について語られる章があり、心霊術の章があり、終焉に向けて一気に物語が動き出す。

    ドイツ人であるトーマス・マンにとって、民主主義は最初単なる政治形態にすぎなかったのだが、第一次世界大戦後に民主主義と人間性の尊厳が結びついたとき、ナチスに抵抗する者としてアメリカに亡命するに至るのだということを解説で読み、改めてセテムブリーニとナフタのやり取りが重みをもって迫ってくる。

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜

  • はっきり言って、よく分からなかった。

    ・文章が分かりづらく、頭に入って来ない
    ・宗教や共産主義あたりに関する知識がついていけない
    ・やり取りというか論争が形式的で何処まで真面目に取り合うべきなのか分からない
    ・童貞臭い

  • 読んだ。面白かった。長かったなあ。執筆に12年の歳月を要したとのこと。
    心身にこたえたタイプの面白さです。
    難解な哲学的思索・論争を展開するのみならず、そこかしこにユーモア・諧謔精神までもが散りばめられているのです。このウィットに富んだところがにくい。富野作品のザブングル(古い)を思い出したりしました。

    「ファウスト」(未読)、「ツァラトストラ」(既読)、と並ぶ20世紀文学の名作と言われているらしいけれど、“三枚目”で好感が持てました。サンバルカン(古い)で言うところのバルパンサー(イエロー)感があったような無いような。

  • 「読書力」文庫百選
    5.ういういしい青春・向上心があるのは美しきことかな
    →挑戦に意義あり

    『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(立花隆選)87
    世界文学
    まあ、最低こんなところを。

  • ダボス、スイスなどを舞台とした作品です。

  • ナフタがとても好きだ。
    現実的なのは病であとは精神的世界と教養的世界で語られていたように思う。

    ナフタの最期とハンス・カストルプを目覚めさせた戦争がそれまでの世界とのギャップでくらくらした。

    ナフタが出て来てから物語は飛躍的に面白くなったけど、上滑りしたら意味ないのでじっくり読んだ。

    作中語られるように確かに錬金術的物語だけど、重要なテーマの一つとなっている「時間」についてをあの魔の山の上で描くのなら理想的な長さの作品だと感じた。

  • ラストシーンは感動的で、映画のようにイメージが浮かぶ。血みどろの戦争のおどろおどろしい中に間の抜けたような菩提樹のメロディ。みごとな対比だと思った。星3つにしたのは、やっぱり途中の哲学的な記載がどうにも理解不能で冗長に感じたから。

  • 田舎に帰ると年寄りはやけに食べ物を与えてくれる。
    好物だったり、高価な食べ物だったりと金に無頓着なのは有り難いが、量も反比例することなく思う存分用意される。
    こちらが
    「うっぷ」
    と腹十二分目ぐらいになってブロイラーの錯覚を覚えようとも、若いもんの胃は無限大とばかりに食べ物をせっせと用意し続ける。
    いわば「ベルクホープ」の5〜6回はある食事並に。
    しかしながら、もちろんそれは愛ゆえのものである。
    だからこちらはお手上げで、それを受け入れる以外に道はない。
    ありがたく、そして相手を尊敬する心をけして失わずに、丁寧なお礼をしてそれを享受する。
    たぶんその表情は善良な、しかし人生の厄介息子のようにしているのが一番ベターなのだろう。

    長くなったが、この本を読んでの私の気分はそんな感じである。



    主人公の名前はハンス・カストルプ。
    彼は数少ない身内であるヨハイムを訪ねに結核療養所「ベルクホープ」に赴く。
    物語はそこから始まる。
    そこまでは前提として私からも提示しておくが、それ以降に説明なんてものはしない。
    投げ出したか、いやそうじゃなくての行為である。
    もちろん、筋書というべきものもたしかにある。
    メインはハンス・カストルプ青年の7年に渡る「ベルクホープ」における生活を記した物語。
    いわば”人生と日常の物事”に焦点を当てている。
    だからこそ内容は宗教・恋愛、政治・民族・霊的現象・自然・人物・文化なんだ、あとなにがあったか?
    多くのことを網羅し、触手を伸ばしている。
    そりゃ、一人の人間の生き様をのぞいてみればあらゆる要素が見えてくるだろう。
    それもこの物語の舞台は世間と隔絶された孤高の療養所である。
    ほぼ世俗的なものから離れてしまうと人間という存在は思想の中に埋没し始めるものである。
    そうしてハンス・カストルプもそれに目覚め、そこにセテムブリーニやナフタのような教師が現れる。
    すべての要素が彼に特殊な化学変化を起こした。
    そうしてかれは深まってゆく。
    目覚め、ね。
    その深まりの問答や考察がこの物語の重みなのだが、どうもそれは「よし」としての深まりだけではないのだ。
    どれにもどことなく世界との不一致がみえる。
    内容ではなく当事者ではないという視点で、登場人物の誰もが世界と離れているのだ。
    だからこそ言葉が守られ、深まって行く。
    そうして多岐にわたる題材が存分に盛り込まれてこの本はヘビー級にと仕上がった。
    仮に主要な要素をあげてストーリーを要約しようとしても1200ページにわたる物語が1/3になるかならないかの話である。
    そもそもそんな選別が私に出来るのだろうか。
    本当にこの本は見た目通りにどっしりしているのだ。
    くだらないおざなりな文章で引き延ばしたわけでも、痛快に楽しませるためでも、トリックの説明に費やしたがゆえのボリュームでもない。
    あらゆる物事が、知識がどっしりと詰まっている。
    必要だったからこそのボリューム、重量級。
    だからこそあーだコーダとこの物語のストーリーを論じるなんてのは私のようなひよっこにはできまい。
    読んでいてなんだが私は結局、フェルゲとヴェーザールのようなものなのだろう。
    けしてセテムブリーニやナフタを満足させられるようなよい生徒にはなれない。
    それは私が下界の住人だから、という都合の良い解釈もあるかもしれないが結局はそれだけ思想に埋没できていないし、なんにせよ知識がない。
    それを改めて痛感して、しかしだからこそ励まねばならないと思う部分も生まれる。
    と、いつも通りの結果だな



    悪戦苦闘。
    正直な話、私にとって初めてまとも読んだ教... 続きを読む

  • 主人公のハンス・カストルプの自意識の高さは、ときにこっけいでさえある。

  • こういう人に本は必要なのだ。

  • 魔の山 下  新潮文庫 マ 1-3

  • ドイツ文学の三大名作の一つ。とにかく大変でした。自分にはめずらしく読破するのに1ヶ月かかりました。内容は面白かったのですが、一つの作品に盛り込むには内容の種類が多すぎると思いますね

  • まだ読んでいない。

  • 教養小説の本領発揮の下巻。難しくて全然分からないが、それでも十分面白い。人間の本質を追求していると思う。笑わせて泣かせます。

  • 愛の概念・善悪の概念・自由の概念についての対立構図と絶望的結末と昇華。考えさせられる。

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