ポー詩集 (新潮文庫)

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制作 : Edgar Allan Poe  阿部 保 
  • 新潮社 (1956年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102028032

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ポー詩集 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  詩集は数えるほどしか読んでいないので感想を書くのは難しいが、この本は昭和10年に最初に出たものらしくそういう意味では古いある部分では古典的な香りの強い訳になっているともいえそう。
     輝かしい美しさや高揚と共に一転して死の影の襲わるというコントラストが印象に残る。幻想的でスケールの大きいイメージの詩も多い。以下雑感。有名な「大鴉」は最後去っていかないのが少々意外だった。「ユウラリイ」は美しさへの賛美と高揚感が中心の幸福感のある詩である。悲劇的な死をとげたポーの最後の作品が「黄金郷」であることに胸をうたれる。放蕩の面が語られがちなポーだが希望を捨てていなかったのだ。「鈴の歌」はリズミカルで音が聴こえてくるよう。

  • 阿部保訳のエドガー・アラン・ポー。
    日夏耿之介訳よりも平易な訳であるが、かといって現代に即した口語で読みやすいという訳でもない。
    (1956年発行だそうである)

    死んだ妻への哀惜が込められた詩が多く、「大鴉」はまさに絶唱であるが、一方でポーの詩における美少女達は容姿も画一的で人格も希薄であり、ただロリータ・コンプレックス的に若いということが強調され、単なる「恋愛詩のための道具」「ポーの中の美少女のイデア」に貶められているきらいがないでもない。
    ポーが十三歳年下の妻を早くに亡くしたということを踏まえると不適切な言葉ではあるが、私の眼には、純愛に名を借りた物言わぬ死せる美少女に対する一種偏執狂的な愛のようなものが詩の中に揺曳しているようにさえ感じられる。

    前述の「大鴉」
    幻想的な風景が美しい「海中の都市」
    人の生死を象徴的にうたった「勝利の蛆虫」
    ポー自身の人生である「黄金郷」
    などが個人的に印象に残った詩である。
    また、大江健三郎が「﨟たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」を書いた「アナベル・リイ」もぜひチェックしておきたい。

  • 以前、映画でポーが亡くなる前の数日間を画いた作品を観た。そのときからポーの謎の残る死と、ポーの心を現しているだろう詩に興味を持っていた。

    今回はポーの詩の中でも特に読んでみたかった、「大鴉」「アナベル・リイ」の含まれた本書を読んでみた。
    18篇の詩と、「詩の真の目的」という短い文章の載った一冊。

    全体として、暗く絶望を感じる作品が多かった。
    それでも美しい言葉の響きは見事で、暗くさみしい、閉塞感のある世界ではあるけれど、またひとつと読み進んでしまう。

    多くの詩の中では、特に「アナベル・リイ」が印象に残る。
    ポーが亡くした妻への思いを籠めたとされているだけに、今は亡き愛しい妻への思いに溢れている。
    静かでやさしく美しい詩だった。

    ポーの遺した多くの推理小説と併せ、自身の死までが謎の多い作家だった。そこがまたポーの魅力がいつになっても衰えない理由のひとつなのかもしれない。
    ひとは誰でも、明かされない謎には興味と魅力を感じるものだ。
    人生の最期に決して真相の明かされない謎を遺していったポー。天国のポーは、してやったりと笑っているのだろうか。

  • 大別してふたつ。
    死んだ恋人への哀惜。
    死と退廃。

    大鴉
    夢の夢
    ヘレンに
    海中の都市
    死美人
    レノア
    不安の谷間
    円形戯場
    ヅァンテ島の歌
    幽鬼の宮
    勝利のうじ虫
    幻の郷
    ユウラリイ
    ユラリウム
    ヘレンに贈る
    黄金郷
    アナベル・リイ
    鈴の歌
    詩の真の目的

  • (内容)
    詩人として、小説家として、19世紀アメリカ文学の中で特異な光を放つエドガー・アラン・ポー。彼の詩は悲哀と憂愁と幻想に彩られ、ボードレールのフランス語訳によってフランス象徴主義の詩人たちに深い影響を与えたことはよく知られている。本書には、ポー自身が『詩の原理』の中で創作過程を明かしたことで著名な「大鴉」のほか「ヘレンに」「アナベル・リイ」などの代表作を収める。

  • 名探偵デュパンが活躍する"モルグ街の殺人"やゴシック小説を代表する"アッシャー家の崩壊"で知られるEdgar Allan Poeは詩人としても有名です。本書には、"大鴉"、"幽霊宮殿"や"アナベル・リー"など代表的な詩作を収録しています。けっこう難解なのですが、ゴシックな雰囲気を味わいたいのであれば、ポーの詩は最適です。詩集"悪の華"を書いたボードレールらフランスの詩人にも大きな影響を与えたといいます。できれば、"構成の原理"などの詩論と一緒に読むと理解が深くなるかと思います。

  • 詩を読むのはおそらく初めてくらい読んだことがないので、一回読んでみただけではほぼ理解できませんでした。とはいえいろいろと気になった繰り返しの部分が読み終わっても残ります。

  • ポーの詩集。
    『大鴉』『海中の都市』『レノア』『ツァンテ島の歌』『幽鬼の宮』『勝利のうじ蟲』『黄金郷』『アナベル・リイ』が特に気に入った。
    ポーの怪奇小説の背景には病を患っていた妻ヴァージニアの死への恐怖がある、という話は聞いたことがあったが、小説よりも端的にポーの心が表されており(『大鴉』、『レノア』など露骨)、悲痛なものを感じた。

  •  図書館から借りました


     表紙は「ポー」で中表紙は「ポオ」。
     すごく読みにくかった。旧漢字オンパレード。

     「大鴉」を読みたさに借りたが、昔、別ので読んだような気がしたのに、読書記録に見つからない。

     そもそもが難解なのに、漢字がスムースに読めないので、入り込みにくかった。注釈が気になって、途中で見に行くと、余韻散るなー。

    「またとない」
     そして
    「またとない」

     幻の大きな鴉はいらえるのだった。






    とはいえ、同じ本かな?訳者も出版元同じなんだが、借りたのは「194円+税」だったようで。
     図書館らしき、古い版だったのか。

  • 宇多田ヒカルの英語アルバム(Utada名義)、『Exodus』に収録されている「Kremlin Dusk」という曲が、「大鴉」をモチーフにしている。それで、ずっと気になっていた。
    しかし、想像以上に難解だった。頻出する神話の用語もそうだけれど、正直訳にも問題があるような気もする。
    勿論時代背景を考えれば古式ゆかしい、大仰な文体で書くことにも一理あるとは思うのだけれど、それによって必要以上に言葉が入ってこないというのは、やはり翻訳として良くないのではないか…。
    (あと訳者が過剰に前に前に出てきてるのが、正直鼻つまみ。詩と並べて自分の小論を載せるってどういうこと?)
    岩波文庫の方が最近(と言っても97年ですが)出たようで、そちらは原著と比べられるようなので、そちらにすれば良かった…もしまた読む気になったら、そちらを手に取ってみようと思います。

  • 個人的に、「夢の夢」「不安の谷間」「アナベルリイ」が好き。メルヘンな世界に浸れる。

  • ポオの優美で耽美な詩である。現代でも通じるような綺麗で繊細な文体で、いやらしさがない。月の銀色。構造的な器官。運命の扉。――詩である。

  • 神話のような世界観の詩集。

  • 本読みのリハビリとして、詩集ならよめるさっとよめるだろうと思い、ブックオフにて購入。実際1時間もせずによめましたが、理解しようとせずざーっと文字をおいました。ので星の数は批判とかでは決してなく私の頭がおいついていないというお話です。それでも、心に残るフレーズはあるもので、セーラ・ホイットマンに捧げられたという、ヘレンに贈る、の「私のつとめは、瞳の明るい光に救われること」。そのせいか、陰鬱とか恐怖、という印象はあまり残りませんでした、というかこういう人が人を確かに強く愛したのだということが救いだなぁと。愛さないより素敵だなぁと。他は「鈴の歌」の92p-93pの一連の言葉が並んでいる部分が好きです。



    完全に関係ないですが、ユラリウムにでてくる「ウィア」にスケート選手のジョニー・ウィアー選手を思い出しました。彼もなかなか変な人というか、現実味を感じさせない人ですが、それがこの市の中で虚構の名というに勝手に笑ってしまいまいました。

  • 喪った美しき過去を悼む詩が多く、読み終えればこちらも寂寥感に襲われる。
    『アナベル・リィ』が一番好きかも。

  • ポーの詩集は、よい。

    すべて夢の夢、と。

  • なんとも不気味で不安げな詩集。独特の世界。

  • ミステリ短編のように、最後ガッと開ける感じがある詩が多くて、詩心がなくても読めた。

  • 妖しい死の匂いがする。

  • 詩のセンスがないのでよくわかりませんでした。

  • 暗い!すごく暗い!
    ポーさんというと、ミステリーなイメージがあるけどこういった感じの詩も書かれていたのか。
    アナベル・リイが一番好き。

  • フランスで認められたアメリカの詩人・小説家ポー。どの詩を見ても大きな変わりは見られないように思えた。人間が何かに、宿命的に悲哀な方向へ突き動かされる事に対し、何等かの対抗によって永遠の勝利を獲得し、その絶対的な勝利を美徳と捕える、案外スタンダードな姿勢。特に女に関する数々の詩は女好きにはよくわかる感覚なのではなかろうかと思う。
    本の最後に綴られていた「詩の真の目的」は、幾つかのポーの詩を読んでいれば全て頷ける姿勢だったと思う。
    太宰的かと思ったけど、別に「突き動かされる」モノへの敗北の美徳、絶対性の美徳みたいのは見受けられなかったから違うかと思う。寧ろ天をも馬鹿にした記述がある程。太宰より良いと思うね。

  • Nevermore… またとない…
    読み終わった後のこの閉塞的虚無感は一体何なんだ

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