クリスマス・カロル (新潮文庫)

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著者 : ディケンズ
制作 : 村岡 花子 
  • 新潮社 (1952年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102030080

クリスマス・カロル (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • グリンチのように、クリスマスが嫌いで
    人が嫌いで世間が嫌い。
    頑なに人を寄せつけず、お金だけを
    掴んで離さないスクルージ老人。

    クリスマスも近いある日、唯一付き合いのあった
    "死そのもの"のような目をしたマーレイの幽霊が現れ、
    スクルージが人生を改めるためのチャンスと
    希望がまだあることを知らせにやってくる。

    東方の三博士を思わせるような
    過去・現在・未来のクリスマスの幽霊。

    風景や心理描写も細かく、時にくどいほどに
    書かれてあることで、スクルージの神経の細かさや
    思考の速さをも見事に描写していて圧巻。

    幽霊との時間の旅の中で触れた過去の
    希望や喜び、苦労、その芳香。
    向上心が妄執に変わり、色褪せ変わっていく気持ち。

    忘れていた大切なことを思い出す時間から
    自分の"元"に戻ってきた「時」。
    生きている限り、変わることも埋め合わせることもできる。
    周りの人に対する愛情と善意の躍動する
    クリスマスの本質を教えてくれる普遍的な物語。
    大好きな村岡花子さんの訳で読めるのもうれしい♡

  • クリスマス前には必ず読みます。読んだ後にはじんわり心が温かくなります。最後の『彼自身の心は晴れやかだった。彼にはそれで充分だった。』がいいですね。かくありたいです。

  • いい話である。村岡花子の訳文は好きだが、この小説は3人の幽霊が紡ぎ出すイメージの展開が豊かで、その分、簡単な小説ではないと思う。スクルージの過去など謎は多い。ディケンズ(1812-1870)が生きた当時は、マルクスが『資本論』(1866)で書いていたような労働者階級の非情な現実がある(ドレスの縫い子が狭い部屋で数日間不眠不休で働かされて過労死したとか、機械作業の防護措置がとられずに子供の指が飛んだとか、教育はされずQueenを男だと思っている子供がいたとか)。そういった時代のなかにあって、「クリスマス」という一点から、隣人愛の物語を書いたディケンズはやっぱりヒューマニズムの作家であって、単なるリアリズムの作家ではないと思う。「男も女もみんな隔てなく心を打あけ合って、自分らより目下の者たちを見ても、お互いみんなが同じ墓場への旅の道づれだと思って、行き先のちがう赤の他人だとは思わない」というスクルージの甥の言葉からは、「赤子叱るな来た道じゃ。年寄り笑うな行く道じゃ」という諺を思い出した。映画やドラマなどさまざまな作品に翻案があるが、金融資本主義の問題が大きくクローズアップされる今日、読み返されるべき作品だと思う。「毎日がクリスマス」のように隣人愛をもって暮らす必要があるのは、今日こそなのかもしれない。スクルージの最後の境地、「この世では何事でも善い事なら、必ず最初にはだれかしらに笑われるものだ」は大切で勇気を与えてくれる言葉であろう。

  • 文学というより道徳の本として、自らの生き方を省みるために大人が読むべき本。地獄絵図のような絵画でなく、文学こそ自身の今の生き方を振り返ることができる最良の教材であることを本書は教えてくれる。過去、現在、未来どこをとっても教訓に満ちている。

  • チャンスを貰い、悔い改めてその後幸せなまま終わるのがスクルージ、終わらないのがジャン・バルジャン…。文の長短とお国柄もあるのかしら。
    読むとスクルージを我が身に置き換えて自分の言動を振り返るんだけど、毎回ちょっとずつ身に迫る箇所が違うのが面白いです。そうして今年が去年よりちょっとでも良くなっていればいいなあとかぼんやり考える作品。

  • クリスマスに読みました。

  • 午後からの開催だったこともあり、本日は普段より人数が多かったように思います。その分、多くの本を紹介いただき楽しかったです。
    午後からの開催だったこともあり、本日は普段より人数が多かったように思います。その分、多くの本を紹介いただき楽しかったです。

  • クリスマスキャロルは、ディケンズの有名な本です。
    3回読みました。

    最初は、イギリスの文化、歴史にくわしくないので、あまりピンと着ませんでした。

    ダールの「マチルダ」でディケンズを読むという話があったので、あわてて2度目を読みました。それでもなかなか理解できなかったので、映画を見ました。

    映画を見たら、すこしはわかりました。
    これまで自分では想像できなかったことを、視覚化してくれて、ああ、なるほど、そういうことだったのかと分からせてくれました。
    そこでもう一度読みました。

    本書で、イギリスの文化のよい面を知ることができました。
    どんな地方にも、よい文化があり、よい文化がその地方を支えているのだということがわかりました。
    また、文化は、一人一人の心の中に宿るものだということがわかりました。

  • せっかく劇をしたので原作も読んでみた。
    幽霊と見てまわるエピソードが思った以上に細かかったのは面白かった。
    ただ、私はいまだにスクルージさんがこんなにあっというまに回心したのがどうも腑に落ちてない。もともとそんな悪い人じゃなかったってことなのかな?

    (以下思考の痕跡)
    仮説としてスクルージさんがあんなに冷たい人間だったのは、自分の殻に閉じこもって周りを全然見てなかったから、とする

    幽霊たちは、スクルージさんに周りの世界を見せた。
    そのことによって、自分がしてきたことを客観的に見れるようになって、悔い改めた。

    のか?

    うーん。
    でもよく考えたら、私も過去とか、現在とか、未来とかを幽霊と一緒に見てまわったら、見たくない自分の光景とか気づきたくない過ちとかにいたたまれなくなって、悔い改めるかもしれないなぁ。

  • もともとクリスマスなんてばかばかしいと思っていたスクルージ爺さんは、過去、現在、未来を3人の幽霊に導かれてみた。その後、彼はいままでの自分を哀れみの気持ちで改心した。単純だがとても奥が深い物語。

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