クリスマス・キャロル (新潮文庫)

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著者 : ディケンズ
制作 : 村岡 花子 
  • 新潮社 (2011年12月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102030097

クリスマス・キャロル (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 冷酷無慈悲・守銭奴・エゴイストの商人老人スクルージはその性格ゆえに周囲に疎まれ、嫌われ、本人自身もそれでいいと人への慈悲や優しさとは無縁の生活を送っていた。
    ある年のクリスマス・イヴ、数年前に亡くなった共同経営者であるマーレイの亡霊が訪れ自分の悲痛な人生と死後について語る。スクルージの悲惨な結末を回避するために、3人の精霊が彼の前に現れると伝える。

    少し教訓めいた展開ですが、読みやすさは十分です。悲惨な人生を見せられる描写はぞっとさえしました。人生はどの地点からも変えられる。自分の生の終わりに、良い人生だったと思えるために今どう振る舞えば良いかを考えさせられます。また、英国のクリスマスの様子や、いかに大きなイベントであるかもよく分かります。
    訳が村岡花子さんだったとは驚き。

  •  スクルージ はケチで人間嫌いな商人。クリスマスなんて、嫌いだなどと、酒に酔ってぼやく老人だった。ところが、クリスマス・イブの夜7年前に死んだ友人マーレイの亡霊が家にやって来て、これから亡霊が3人やってくる旨告げた。

     その後、スクルージの前に現れた亡霊は過去、現在、未来の自分だった。何気なく投げかけた言葉が、ブーメランとなって返ってきて、恥ずかしい思いをする。自分の書記の家族が貧しい暮らしをしていること、自分の甥の心が優しさに溢れていることを、知る。また、生前も死後もよく思われず、憐れな運命を目の当たりにし、自分の墓前に立ち尽くす。これにはさすがの、スクルージも、改心した。
     
     亡霊に会って時間を忘れていたスクルージは、夜が明けてクリスマスの当日25日だと知り、書記、甥家族、寄付を求めた人たちに自分から声をかけ寄付を渡し、教会へも行くようになり、酒もやめた。ロンドンで誰からも愛される、善い人になった。クリスマスは呪うものではなく、祝うものだ、を地でいった。
     
     クリスマス前に読もうとこの本を買った。映画も見たことがないし、筋も正直知らなかったが、暖かさを感じた。スクルージのように善人には、今更なれないし、日本では、形式化して、豪華な食事、高価なプレゼントのためのイベントとしか、思えないけど、クリスマスくらい、ほっこり過ごしたいものだ。

    2017.12.12 読了

  • 先日から色々きっかけがあって、
    ディケンズを何か読みたい!と
    BBの本屋さんで、求めてきたこの本。
    季節外れでごめんなさい。

    「月長石」の執事ベタレッジに憧れて、
    「ロビンソン漂流記」も買ったりしたものだから、

    ちょっとまずは短めものから…、なんて
    思いましてですね。

    超有名なこの作品、粗筋も概ね存じ上げているつもり、
    でしたが、思っていたのとは大分違いました。

    なんだか教訓めいた、真面目な作品と
    勝手に思い込んでおりましたが、
    ユーモラスで、洒落ているお話、

    やはり、長きにわたり愛されるものには
    ちゃんと素晴らしい魅力があるのね。

    「知ってるよ!」と言う声が聞こえてきますが
    念の為粗筋は、

    あるクリスマスの晩、強欲でへそ曲がりで冷たい性質の
    老人スクルージのもとへ、死んだはずの相棒マーレイが
    現れる…
    スクルージは、3人の幽霊につれられ、過去、現在、未来の
    旅をする…

    「こう言う事をすると、こう言う風になるよ!」と言う脅しではなく、

    「そうだった、そうだった、でも忘れてしまっていた!」と言う
    自ずからの気付きの連続で、
    読者の私も読む前と比較すればかなり清らかな心になり読了。

    スクルージさんの甥っ子さんが
    一貫して優しいのがまず救い(あの妹さんの子供だものね)。

    スクルージの会社の書記の子供、ティム坊に関しては、
    私もすっかり感情移入していたから、
    ああ、本当に、良かった!

    また、12月半ばになったら、読み返そう!

    表紙裏に出ているディケンズさん、お髭の感じが
    コリンズさんに似ている(と言うかほぼ同じ)。

    仲良しだから、ではなく、
    やっぱりこの時代流行った髭型(?)
    なのでしょうね。

  • 本当に好きなお話。
    クリスマスの時期でなくてもこれを読めばあの楽しい季節の気持ちになれる。

    街全体がいつもと違う高揚感に満ちた様子も、スクルージを見舞うちょっぴりホラーな展開も、人は何歳からだって変われるんだというシンプルな希望も、素直に心に入ってきます。

  • 情なきスクルージは自分の死後がそんな風になることは、
    ちょっと想像してみたら分かったはず。
    想像力のない人には、現実を見せつけるのがいちばんなのでしょう。
    でも未来の自分より、子供の頃の健気な自分を見て改心したんでしょうね。

  • 人間嫌いな老人が、相棒だった友人の亡霊に出会い人々と触れ合っていく感動ストーリー☆☆最後に老人は・・・!!

  • クリスマスおめでとう! 笑顔になれる

  • あまりに有名なお話だったので、読まなくてもだいたいの話の流れは知っていた。しかし、あらためて読んでみることで、それぞれの幽霊の見せるものがスクルージの心境に及ぼす変化を感じ取ることができた。
    ラストに、スクルージが多くの人によい行いをしていたが、その場面はとても清々しく、気持ちの良い読後感を味わうことができた。

  • 作品の感想は岩波少年文庫版の方に書いたので、ここでは主に翻訳について記す。
    ▼岩波少年文庫『クリスマス・キャロル』感想:
    http://booklog.jp/users/shiosato/archives/1/4001145510

    新潮文庫版の翻訳は歴史がある。1952年に村岡花子によって訳されたもので、当初は『クリスマス・カロル』と表記されていた。村岡花子は『赤毛のアン』の邦訳で知られる翻訳者で、モンゴメリをはじめディケンズやマーク・トウェインなどの邦訳も数多く手がけた英米児童文学翻訳の大家である。村岡花子の『クリスマス・カロル』は、その後、彼女の孫にあたる村岡美枝・恵理姉妹により2011年に改訂がなされ、現在のバージョンになった。

    由緒あるバージョンであるだけに、2011年の改訂版でも訳文はかなり古風である。難訳というわけではないので、近代文学を読みなれた人は気にならないと思うが、平成生まれの人には単語レベルで通じないのではと思われる箇所もある。例を挙げると、「欲張り爺さん」を「我利我利爺(がりがりじい)」と訳していたり、「マッシュポテト」を「つぶし馬鈴薯(ばれいしょ)」と訳していたりする。

    なので、ディケンズに初挑戦する人には、現代の口語文に近い文体の岩波少年文庫版の方が、抵抗感がなくて読みやすいかもしれない。逆に、古典的風格を訳文にも求める年季の入った読書家の人には、新潮文庫版が適していると思う。さらにいうと、複数の翻訳がある海外文学を選ぶ時、翻訳者の名前を逐一チェックする習慣のある読書狂の人(シェイクスピアは福田恆存じゃなきゃイヤとか言う人)には、村岡花子バージョンは間違いなく「買い」である。

    新潮文庫版のもうひとつの利点として、訳注が多いことがあげられる。この作品は主題からしてキリスト教の影響下にあり、聖書に関連する表現が多く出てくる。19世紀イギリス内外の事情を知らないと意味がわからない部分もある。児童書である岩波少年文庫の訳はとても読みやすいのだが、残念なことに訳注がついていない。

    もちろん、細部がわからなくても物語を楽しむのに支障はない。ただ、子供を持つ親なら、子供が「これ、どういう意味?」と聞いてきたとき、きちんと答えてあげたいと思うところだろう。しかも私の憶測によると、子供にディケンズを薦めるタイプの親には、「パパ(ママ)にもわからないなぁ」とは言いたくない見栄っぱりが多いはずだ。新潮文庫版の訳注は、そんな負けず嫌いの親のために、ささやかなアンチョコとして役立ってくれるだろう。

    天国の村岡花子女史からは「親がそんなことでどうする! 勉強しなさい!」と叱られるかもしれないが。

  • 短い話だが、中身は濃厚。一見、独白ともファンタジーとも取れる、不思議な内容。

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