ねじの回転 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.19
  • (17)
  • (36)
  • (106)
  • (21)
  • (7)
本棚登録 : 628
感想 : 70
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102041024

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 恐怖小説らしいが全く怖くない。スリルのないサスペンスほど致命的につまらないものはないのが分かった。
    心理描写も丁寧だけど分かり難い。
    デイジー・ミラーの方が面白かった。

  • 途中まで、別に幽霊が出てくるけど怖くないし、人物描写ばかりで少し退屈かも…と思っていたけど、フローラが消えたあたりから急にスリルが出て来て最後まで一気に読んだ。
    結局、幽霊は存在していたのだろうか。幽霊も怖いけれど、1番怖い解釈はやはり家庭教師が幻覚を見ていた説だと思う。
    子ども達の叔父に惹かれているのに、契約上絶対に彼には頼ってはいけないという強いジレンマを抱えたために、「どうしても叔父に頼らなければいけない状況」を心の底で望んで自ら亡霊を生みだしたのであれば怖い。
    もしその説をとる場合、フローラは家庭教師の不審な挙動の真意が分からず、ただ戸惑っていただけだと思う。マイルズの方は、小さいながらも家庭教師を深く愛していたために、家庭教師が望むような自分(家庭教師が叔父に頼らなければいけないような悪い自分)を察して、必死に演じていたのではないか、と思う。
    でもそれでも辻褄が合わないところがいくつかあるので難しい…。

  • すごく・・・読みづらかったです・・・。
    しかしどうしてすごく引き込まれてぐいぐい読んでしまったのだった。
    でも荒涼館や嵐が丘と比べてしまうな。

  • やっぱり翻訳ものは読みにくい。独特のくどさは好きなんだけども。
    ラストよくわからんかった。手紙のくだりどこいった?冒頭のお茶会みたいなん放置のほうが気になってしまった。
    風景や色々の描写の丁寧さやじわじわ感はとてもよかった。

  • 田舎の屋敷に家庭教師として雇われた女性。マイルズとフローラ2人の生徒。マイルズは直前に学校を放校されていた。彼女の周囲に現れる怪しい影。元の家庭教師の亡霊と庭師の亡霊。亡霊の誘惑から2人の生徒を取り戻そうとする家庭教師。

  • 再読です。多和田葉子の「犬婿入り」のラストシーンで、なぜかこれを思い出したので読みたくなって。光文社古典新訳文庫にしようかとも思ったんですが、昔読んだ新潮文庫版は、確か解説がすごくツボを押さえていて感心したはずと思いなおして、結局新潮文庫で。

    両親に死別した、天使のように美しく賢い兄妹が暮らすイギリスの片田舎のお屋敷へ家庭教師としてやってきた女性の前に、その幼い兄妹に取り憑いてる(?)死んだ前任者(女性)と召使(男性)の幽霊が現れるゴシックホラーなのですが、ポイントは、少女のほうに女性の幽霊が、少年のほうに男性の幽霊が取り憑いてるところ。これについて訳者の解説に「多くの註釈者はこの物語に、同性愛の意図を発見しているが、 それはちょうど鏡の中に自分の顔を見るように註釈者自身の頭にある同性愛的意図を自分で見ているのである」という一文は、今読み直しても納得。

    あとこれも解説にありましたが、実は幽霊を見てるのは主人公だけで(子供たちはそれっぽい素振りを見せるというだけで確証はない)、他の誰もそれを見ていないというあたり、実はこの女家庭教師のほうが狂気と妄想に取り付かれていただけだったという解釈も可能で、そういう読み手の解釈によってさまざまに変化するところが、この小説の本当の怖さかも。

    今回個人的には、グロースさん(お屋敷の召使頭で、主人公の唯一の味方)が、実は悪霊たちと繋がっていたら…と想像しながら読んだら結構怖かったです。主人公の心の支えは彼女の信頼だけなんですが、子供たちが天使の仮面の下に悪魔の本性を隠していたように、彼女の信頼もすべて演技だったとしたら、まんまとフローラを連れ出した彼女の本音は、してやったりってとこだったでしょうね。ああ怖い。

  • 巧妙の一言に尽きる。

  • 有名な怪奇小説の古典だが、真に恐ろしいのは亡霊そのものではなく、無邪気さを装って邪悪なものたちと通じ、攻撃をしかけてくる美しい子どもたちであるというのが面白い。とくに最後のクライマックスは、子どもたちの不気味さと哀れさ、主人公の家庭教師の勇敢さと、衝撃的な幕切れが見事だ。

  • ちょっと釈然としない感じが残る。

    最後は読み手の解釈に委ねられているよう。
    誰が正しくて、誰が狂っているのか。
    その点最近読んだシャーリー・ジャクソンの「ずっとお城で暮らしてる」と雰囲気が似てるなと感じた。

    海外ホラー、あまり読んだことないからかよくわからない。
    日本のホラーと違って、人物の心の動き、というか主観に依拠してる感じがするね。
    「幽霊」それ自体の描写はあまりない。それ自体の恐ろしさはほとんど描かれない。
    でも幽霊なんて見る側の認識に委ねられているわけだから、本来ならこういう描き方の方が正当なのかもしれない。
    心理学的なことはよくわからんけど。むー。

  • 時間遡行装置の発明により過去に介入した国連は、歴史を変えたことによって人類絶滅の危機を招く。これを回避するため、もう一度過去をやり直すことに。
    その介入ポイントに選ばれたのが1936年2月日「に・二六事件」
    3人の軍人が使命を担う。

全70件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

Henry James.1843-1916
19世紀後半~20世紀の英米文学を代表する小説家。
主要作品に『デイジー・ミラー』、『ある婦人の肖像』、
『ねじの回転』、『鳩の翼』等。
映画化作品が多いが、難解なテクストで知られる。

「2016年 『ヨーロッパ人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヘンリー・ジェイムズの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×