十五少年漂流記 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102044018

感想・レビュー・書評

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  • 1888年 少年向冒険小説
    ニュージーランドの寄宿学校の14人の生徒達。夏休みを使い沿岸一周の船旅に出ることになった。ところが、生徒達と一人の黒人の見習いコックの少年を乗せた船は大人達が乗船する前にトラブルで出帆してしまう。船は嵐にもまれ無人島に流れ着く。ここからサバイバル生活の始まりです。リーダーとなる少年、皆を取りまとめる年長の少年。子供だけの社会の中、協力し対立し助け合い、成長をしていく物語です。少年達が、建設的で理想的に描かれています。そこが長い人気の理由なのだと思います。
    最近のもので“約束のネバーランド”に近い感じがしました。
    数年前、椎名誠親娘が全巻翻訳を出されているようです。冒険好きな椎名誠さんの作品ですから、そちらも楽しそうです。
    夏休み親子で楽しめる作品です。

  • 嵐の中,無人島に漂着した15人の少年のサバイバル。
    島に来た悪党との戦いは,手に汗握る。
    負けず嫌いなドニファンはブリアンと敵対するが,後半和解し捨て身で友を守るのがグッとくる。

  • 良書との出会いに偶然はなく必然的に起こるものだ。世界名作を月1で読もう会の3ヶ月目。ニュージーランドの少年らが夏休みの船旅行を待ち侘びていたが、出航前に船が動き出す。着いた先は無人島。15人が助け合いながら無人島でサバイバル生活をする。寝る場所の確保、食料調達、人間関係のいざこざ。全てが初々しい。彼らのクレバーな思考力と熱い魂に心を打たれた。20ヶ月のサバイバルののち、悪党集団が登場し一気に緊張感が高まるが持ち前の一致団結力で悪党集団を殲滅する。海のスタンド・バイ・ミーを彷彿とさせる熱い傑作だった。

  • 「人間の積極面、健康面を描いた楽天小説」というあとがきがすごくしっくりくる。

    難破した末に辿り着いたチェアマン島で、フランス人、イギリス人、アメリカ人の少年15人が、一から生きるために生活を築くのだが、その過程が目に浮かぶよう。洞窟の生活様式、食事も、日本人の少年だったらこうはならないだろうと思うと人が育つ文化を感じる。
    フランス人の著者ヴェルヌが描くフランス少年のブリアンとイギリス少年のドノバンの不仲も滑稽だし、冬の間5ヶ月間も洞穴に、(というか2年間も孤島に!)閉ざされるなんて今のコロナ禍のstay homeなんて足元にも及ばない。
    でも彼らは、ニュージーランドに帰った時に毎日を無駄に過ごさなかったんだ、と言えるように勉強したり、一人前の大人として働き考えるようになってほしい、という健全な志を失わず、2年間を過ごす。南極に近い群島の一つでの冬はマイナス30度!の過酷な環境で。島に生息する動物達も、島の生活に彩りを与える。

    立派な少年達に対して、後半出てくる悪人の大人には、辟易してしまったけれど。

    2020.5.16

  • H31.2.15 読了。

    不朽の名作。面白かった。

  • 空想科学小説の書き手、ヴェルヌの中では珍しい、冒険小説。
    15人の少年が繰り広げる冒険譚。
    彼らの知恵と度胸と思いやりに胸を打たれました。
    できれば小学生の時に出会いたかった話。

    明治に翻訳され、少年少女にウケた理由が分かりました。

  • 子供の頃一度読んだことがありますが、今回の方がより楽しく読めました。冒険心をくすぐられたり、子供の頃の思い出と重なりワクワク感がありました。文章も読みやすいです。オススメ!

  • それほんとに生きていけるの?!みたいな状況から始まって、最後までハラハラする展開だった
    やたらリアリティを感じるのかヴェルヌっぽいなと思います。
    女があまりにも解像度低くて時代感じますが、おもろいです

  • 舞台は1860年。ニュージーランドのチェアマン学校の少年たちは、帆船・スルギ号で小旅行に出る予定だった。待ちきれない少年たちが前夜から乗り込んでいると、船はいつの間にか沖に流されていて──。

    14歳のゴードンを筆頭に、船員のモーコーも含めた15人はみんな少年!頼れる大人がいない中、嵐の中で助け合いながら陸地に到着!と思いきやそこは島だった?!どこかもわからない島での冒険サバイバルが始まる!資材や食料は揃っていても、いつ終わるともわからない生活を続ける強さが眩しい。救助が来るかはわからない。船が近くを通っても助けを呼べるかもわからない。そんな中でも年少組に勉強を教えたり、イベントは祝ったり、生活を豊かにしようとする姿勢が素敵だった。

    キャラも魅力的!ゴードンは沈着冷静なリーダータイプ。主役を担うブリアンもまた配慮と勇気を持った少年。ドノバンはブリアンに突っかかるも優秀で、猟の腕はピカイチ。器用で料理もできるモーコー。発明家であり、日記として書き記した物語の立役者バクスター。みんなの力があったから生き残れたのが伝わってきた。時には衝突したり、大きなトラブルに巻き込まれたりするも、心の底は純粋で真っ直ぐな少年らしさが瑞々しい。また、アメリカ人、フランス人、イギリス人など国籍を超えた仲間たちが一つになるのも熱い。

    並々ならぬ苦労がひたすら続くものの、物語がサクサクと進むので読みやすい。ただ、単に省略するわけではなく、どういうことをするか、なぜするのかを丁寧に描いているのでリアリティが損なわれないところがよかった。冬には氷点下にもなる島の生活。ぼくだったら絶望しちゃうな…。少年たちが心に刻んでいたこの言葉を胸にしておきたい。

    一、一度行おうときめたことは、必ずやりぬくこと。
    一、機会(チャンス)を失ってはならない。
    一、疲れることを恐れるな、疲れることなしには、値うちのある仕事はなしとげられない。

  • 15人の少年たちが絶海の孤島でサバイバル生活を営む、空想小説の金字塔。
    子供の頃に読んだという人も多いと思うが、子供たちだけで住処を作り、食べ物を調達し、獲物を退治し、、という一連の流れは、かつて草むらや雑木林で秘密基地を作ったあの頃を彷彿とさせ、夢も希望も失ってしまった大人さえも心躍らせてくれるのだから、小説というものは不思議である。

    本作は空想小説としての娯楽性のみならず、役者があとがきで書いているように、子供たちが共和国を建設するという点に、重要な意義がある。
    力も知性も不十分な子供たちでも皆で力を合わせれば政治ができるという、共和制、議会制民主主義の理想を、作者は作品を通じて世に説きたかったのであろうと思われる。

    本を読み始めた子供にも、政治や民主主義を学ぶ学生諸君にも、日々の空疎な生活とは離れて非日常に浸りたい大人にも、すべての世代におすすめできる一冊である。

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著者プロフィール

Jules Verne, 1828 - 1905.
フランスの小説家。
『海底二万海里』『月世界旅行』『八十日間世界一周』
『神秘の島』『十五少年漂流記』など、
冒険小説、SF小説で知られ、SFの父とも呼ばれる。

「2016年 『名を捨てた家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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