マラマッド短編集 (新潮文庫 マ 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102051016

感想・レビュー・書評

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  • 星4にしたが夢に描いた女性(The Girl of my Dreams)と湖上の貴婦人(The Lady of the Lake)がほんとうにほんとうに好きだった。
    どっちもある女性との関わりを描く話で、上向きで終わる話が好きなのを再確認できた気もする。女性との関係じたいはハッピーエンドと言い切れずとも相手とのあいだに明らかな信頼が生まれて終わっているところがとてもいい。湖上の貴婦人は最後女性が主人公の前からいなくなるけど、悲劇的な最後としては読まなかった。
    解説によるとこの短編集のマラマッドの作品群は三つに分けることができて、夢に描いた女性は〈ユダヤ人の登場せぬニューヨーク物〉で、湖上の貴婦人は〈イタリア物〉らしい。作者はユダヤ人でその特色を生かした作品が有名だそうで、上に挙げたふたつはその特色があまりない作品といえるかもしれない。
    でもニューヨークのユダヤ人物に挙げられる7つの作品のことも面白く読めた。後半に読んだ作品で同じような表現や設定が来たときは、きたかきたかという感じで楽しみながら読めたと思う。

  • 初めて読んだ時に秒で好きになった本。マラマッドの価値観大好き。

    特に好きなのは 「牢獄」、「夏の読書」 。あと 「最初の七年間」、「掛売り」 もいい。

    「牢獄」 は子供への優しさを扱った話。最後の描写好き。子供って純粋だよね。

    「夏の読書」 は今で言う厨二心がお題かな。ちょっと違うかも。でも主人公の気持ちわかる。この話もシメが好き。

    マラマッドが優しい心の持ち主だったんだなってのがよくわかる本です。

    できればユダヤのことよく知ってからもっかい読みたい。

  • カウンターで手続きしてもらってる時、司書の先生に「校長先生が良いって言ってた本なんだよ」と言われて、すっごく難解で高尚なお話なのかと思った。

  • この本の訳者は、加藤祥造さん。少し前にベストセラーになった「求めない」の作者さん。今、この本は手に入らないのだけど、訳文もやや古めかしいかな?けど、マラマッドの世界をきちんと訳出していて読ませる。今度は柴田元幸訳のマラマッドに挑戦だ。

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著者プロフィール

1914-1986。ユダヤ系ロシア移民の子としてニューヨークのブルックリンに生まれる。学校で教えながら小説を書き、1952年、長編『ナチュラル』でデビュー。その後『アシスタント』(57)『もうひとつの生活』(61)『フィクサー(修理屋)』(66)『フィデルマンの絵』(69)、『テナント』(71)、『ドゥービン氏の冬』(79)『コーンの孤島』(82)の8作の小説を書いた。また短編集に『魔法の樽』(58)『白痴が先』(63)『レンブラントの帽子』(74)の3冊があり読者は多い。

「2021年 『テナント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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