絵のない絵本 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102055014

感想・レビュー・書評

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  • 貧しい絵描きに絵を描く題材を与えるため、月がこれまで見てきた様々な景色や人々を毎晩語って聞かせる物語。

    アンデルセンの童話のように印象的な教訓や寓意はなかったが、まるで本当の絵のような美しい情景描写が印象的。

    学校の国語と美術の合同授業とかでこの本を読んで自分の想像した世界を絵に起こして友達の描いた絵との違いを体験するのも面白そう。

  • アンデルセン!うちの一生で一番の詩人童話作家!母が愛したいわさきちひろさんがさらに愛した最高の作家!このコラボレーションがすでに傑作ですね。いまでもボロボロの「おはなしアンデルセン」がうちにはあります。

    第十六夜が素敵すぎて哀しすぎて童話を超越してました。絵本にするには高尚なお話で、でも文章だけで表現するには無駄遣いに感じるぐらいの素晴らしい描写力。本当に情景を表現するのに、綺麗すぎる単語とか的確すぎる並べ方はいらないんだと。感じたことを感じたたまま、人が生まれてから見て知った最低限のものだけで表現できる、これが天賦の描写力!

    あ-いいなぁ-いいなぁ-産まれたときから月と話して花の中で眠って王子様の夢見ながら鳥が起こしに来るの待ってたいなぁ-笑

    小さい頃、読んでもらった「あるおかあさんのものがたり」が大好きでした。哀しいのわかってるのに、何度も読んでもらって「かわいそうだね」ってゆってました。
    そんなことを思い出しながらこの本を読んで、アンデルセンがこの世を去った133年前の8月4日に戻って一人でお葬式したみたいな気持ちになりました。

  • アンデルセンの書いたちょっと不思議な本。
    ある貧しい絵かきの若者に絵の題材を与える為、月がこれまで様々な時間と場所でみてきた光景を毎晩語って聞かせる物語。

    月の語る話は、物語と言うより、ある一つの鮮烈に視覚的な情景であり、まさに絵画的なものである。
    そういった意味で、”絵のない物語”は、まさにこの本にふさわしいものである。
    月の語る情景は、神秘的なものや、人生の悲哀を象徴ものが多いが、子供を扱った朗らかな内容の物が何篇かあり、アンデルセンの子供たちに対する温かい視線を感じた。

  • 年齢と共に好きな話も変わってくるのです。
    読み返して思いました。

  • タイトルが気になり、本屋で立ち読みをしてページをめくること数ページ。素晴らしい本に出会ってしまった!と一目惚れをして購入しました。
    絵のない絵本、そこには幻想的で少し悲しい美しい景色が広がっていてまさに絵のない絵本。名前の通りでした。お話は絵描きに月が話しかける形式で語られており、短編集。アンデルセンの豊かな感性と目の前の美しい自然を映し出せる文章力。想像するのは異国の幻想的な風景、宝石箱のような本です。中には悲しいお話もあり、人生を感じるものも多くあります。
    一度だけでなく何度も読んで昇華させたいと思える本で、もう一度読んで景色を広げたいと思っています。美しい絵は文章でも伝わってくるものだなぁ、と感動しました。

  • マッチ売りの少女や人魚姫などで有名な、デンマークの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの連作童話集です。ある日屋根裏部屋で暮らす絵描きのもとに、訪れたお月さま。雲のない夜に訪れては世界のあちこちでみた景色のこと、色々な人の話を聞かせて、絵描きの心をなぐさめてくれます。お月さまが語る33夜分の、あたたかく、少しせつない物語。色彩豊かな物語で本当に絵本を見ているような感覚になります。

  • 月が語る33編の小さな物語。全編続きが気になる!という終わり方をしている。幸せになるものもあれば、不幸になるものもある。月が見たというのも面白いもので世界中のちょっとした出来事を少しの間、ひっそりと見てきたという語り口調がまた、面白い。 お気に入りは第14夜。新しい家族が生まれた瞬間の話。月はこの夜に、どの家族よりも、幸せな家族を見た。

  • 綺麗。
    いろいろな所を月になって旅できる。
    夢の中みたいなふやふや感

  • 絵はないけどほんとに絵本。

  • 月が絵描きに毎夜見てきた世界中の事を話して聞かせてくれる話。妙に現実的で厳しい話もあるものの、月が見守ってくれているのに安心感があります。

著者プロフィール

デンマークの作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen、1805年~1875年)。

「2022年 『即興詩人 初出影印版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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