人魚の姫―アンデルセン童話集 1 (新潮文庫)

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制作 : Hans Christian Andersen  矢崎 源九郎 
  • 新潮社 (1967年12月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102055021

人魚の姫―アンデルセン童話集 1 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • グリムとアンデルセンの違いがわからないほど、童話世界に興味のなかった私ですが、ひょんなことから小さい頃好きだった童話について調べたら、全部がアンデルセン作!! あれはびっくりした。
    「おやゆび姫」といい「ゆきの女王」といい、女の子がひとりで冒険しちゃうのがアンデルセンなんですね……。一番好きだったのは「人魚姫」。大人向けの原文訳で読み返したら、詩のような言葉でつむがれた海の世界のきれいさに圧倒されました。筋ではなくて、表現手法を一度見てみるのもオススメですよ。あと「人魚姫」が一応はハッピーエンドなことも、この文庫を読めばわかります!

  • どの話も死を暗示していますね。

    ◆すずの兵隊さん
    片足しかない兵隊の人形が、小鬼の仕業で部屋から外に出された。
    色々と怖い思いをした末に屋敷に戻ってくると、暖炉に投げつけられてしまう。
    兵隊の好きな踊り子の人形も暖炉に入ったので、一緒になれた。

    この話は知っていました。
    小さい頃、アニメで見たのかな。

    ◆ナイチンゲール
    中国の皇帝がナイチンゲールの歌に聞き惚れる。
    しかし、皇帝は作り物の鳥に心を奪われてしまった。

    鳥人形は壊れ掛け、皇帝は病に倒れて独りぼっちになる。
    そこに、ナイチンゲールは戻って来てくれた。
    この作品集では、唯一のハッピーエンドだと思います。

    ◆のろまのハンス
    お姫様は笑いに飢えていたのかしら。
    こんなことで結婚を決めるのはどうかと思います。
    能天気な話でしたね。

    ◆イーダちゃんの花
    花が舞踏会をする、メルヘンな話です。
    最後に、花は枯れてしまいます。

    ◆モミの木
    この話のモミの木は、一番幸せな時に幸せを感じられなくて、後悔しているうちに燃やされてしまいます。
    哀愁がある上、後味が悪いです。

    ◆雪だるま
    ラストでは、雪だるまが消えてしまいます。
    ストーブを恋しく思っていたのは、雪だるまの体の中にストーブの火かき棒が入っていたからでした。

    ◆アヒルの庭で
    猫に襲われて翼をケガした小鳥を可愛がろうとする、ポルトガル産のアヒルの奥さん。
    小鳥の一言にキレて、死なせてしまいます。
    「オバちゃん、ヒステリック発動」という感じです。

    ◆人形つかい
    「人形に意志なんていらない、人間を纏めるのは大変だ」といった内容です。
    人形使いは勝手ですね。

    ◆幸せな一家
    食べられるカタツムリは白いということを知りました。
    このお話は、比較的幸せそうです。

    ◆ペンとインキつぼ
    「喧嘩をする程、仲が良い」ということですかね。
    ペンは男で、インク壺が女。
    性的なものを暗示していると思うのは気のせいですか?

    ◆ほんとにそのとおり
    「噂は尾ひれがついて戻ってくるよ」という話です。
    あれは隣のメンドリがやっかんでいたのではないかしら。

    ◆いいなずけ
    可愛らしい「まり」に恋する「こま」。
    「まり」がいなくなってショックを受ける「こま」は、金ぴかに塗られる。
    立派になった「こま」は、ある日、みすぼらしい「まり」と再会する。
    オバさんになってしまった初恋の人に会って、百年の恋が醒めた気分が味わえます。

    ◆わるい王さま(伝説)
    馬鹿なの?
    つまりは天罰が下ったんでしょ。

    ◆眠りの精オーレ・ルゲイエ
    オーレ・ルゲイエの見せる夢の話です。
    以上しかコメントのしようがありません。

    ◆アンネ・リスベット
    美しい娘が産んだ子供は醜かった。
    子供は人に預けられた後、海で亡くなる。
    誰からも愛されなかった子供だった。

    一方、美しい娘は天使のような子の乳母をしていて幸せだった。
    しかし、乳母をしていた子供と久し振り会った時、よそよそしくされてショックを受ける。
    その上、浜ゆうれいになった実の子に憑依されてしまった。
    子供の幽霊は、最後に娘を許してくれました。

    ◆人魚の姫
    小さい頃に読んだものとは内容が異なっていました。
    当時のイメージでは、ただただ王子様を愛していたという感じでした。
    こちらの話では、「永遠の命を持つ人間になりたいから王子様に愛して貰おう」といった風に受け取れました。
    人魚姫が案外、打算的でした。

    人魚姫は空気の精として300年生きてから、ようやく人間になれるそうです。
    大好きな海の底の世界、家族、美しい声を捨てて王子に尽くしたのに、長い道のりですよね。

    王女は憎き存在な筈なのに、空気の精になった人魚姫を憐れむ王女を見て、キスをしています。
    人魚姫の印象が変わりましたが、悪い娘ではないですよね。
    タイミングが悪かったのかなと思います。

  • 絵のない絵本と合わせて買ったもの
    アンデルセンの見る世界は、すべてのものに魂が宿っていて、どの言葉をとっても、豊かで輝いている。
    アンデルセンの見つめるまなざしは、また、優しさで充ちていて、喜びも悲しみも怒りも、その身にすべて引き受けてしまいそうな、そんな大きな力を感じる。
    また、民話をもとに作成したと言われる作品も、単なる伝承にとどまらず、彼の筆遣い・色使いで新しく「復元」されているという彩やかさをものすごく身近にに感じた。
    決して人魚の姫は真実の愛だけを求めたのではなく、ひとえに滅びることのない魂欲しさに地上を目指していたこと、すずの兵隊が愛にその身を焦がしても踊り子は何も言わずに燃え落ちたこと、子どもの頃読んだ絵本では感動的でドラマティックなものに改編されていたが、彼自身のことばは、残酷さやどうにもならない哀しさを押し隠すことなく、すべて含めて語りだしていた。
    だが、そんなアンデルセンの世界に引き込まれながらも、時々垣間見える、彼の奥底に流れるモラルに嫌悪してしまう自分がいた。子どもに語りかけるという意味では彼の持つモラルは本当に素晴らしいものだと思う。そんなモラルを持ち続けられる彼の強さが、本当にすごい。

  • 資料番号:010693257
    請求記号:949.7ア

  • どこかにある素晴らしい場所や、今とは違う自分に憧れて冒険してみても、実はそのままの自分でいるのが一番幸せなんだよ、というメッセージが含まれているお話が多い気がした。

    表現がとても綺麗で、読んでいて景色が目に浮かんできた。

  • あら、こんな可愛い表紙。私が借りてきたのはこの表紙ではなかったです。(模様みたいなお洒落な表紙です。)

    私は小学生の頃からディズニーの「リトル・マーメイド」のアリエルが大好きで、思えばもっと小さい幼稚園に入ってるか入ってないかの頃に一番読んでいた絵本が「人魚姫」でした。
    少し前に見た「リトル・マーメイド」も楽しく素敵な作品でしたが、私が知ってる人魚姫のエピソードとは違ってるなぁと思い、ちゃんと本でもう一回読んでみたいなと思いました。

    やっぱり少し違ってるんだなって思いました。近いのはもちろん「人魚姫」の方ですけど…。
    王子様に恋してるというのももちろんありますが、実際は人間にある死なない魂が人魚にはないからそれを手に入れるためにも王子様の愛が欲しい、というところもあるようで。
    人間への憧れ(=死なない魂を持ち神の国へ迎え入れられることへの憧れ)が強いのかなーと。
    王子様と死なない魂、ふたつとも手に入れるか、ふたつとも失うか、人魚のお姫さまにはこの二択しかなかった。

    最後に眠る王子をナイフで刺し殺さなかったあたりからいろいろと読み取ることが出来そうです。
    王子(人間)を殺して海の中へ帰るよりは泡となって消えることを選んだ人魚のお姫さま。
    最後、美しい花嫁にはキスをしたけど王子様には微笑んだだけ、というのも何かポイントがあるのかも。

    自分を受け入れてくれててもわかってはもらえない人魚のお姫さまの様子に胸が痛くなりました。
    痛みをこらえて王子様をこんなにも慕っているのに。
    最後の方は悲しくて悲しくて。
    でも悲しんで泡になっていくのではなくて、空気の娘たちに迎え入れられて幸せそうに消えていきます。
    切ないけれど、心暖まるようなフィナーレでした。

    どこかの文章(ブログかな…?)で読んだものを備忘録的に書き留めておきますが、「リトル・マーメイド」の「アリエル(Ariel)」という名は「エアリアル(aerial)」から来ているとかいないとか。空気の娘となった人魚のお姫さまを考慮しての名付けかもしれません。

    童話というと子供向けのようなイメージでしたが、こうやってアンデルセンの童話を読んでいると結構大人向けなんだなぁと思いました。
    色彩豊かで、とても綺麗な物語ばかりでした。

  • 人魚の姫はハッピーエンドだったのね。泣きそうになった。どの話も本当に言葉が綺麗。
    私が読んだ四十二刷のほうが表紙は素敵なんだけどなぁ。


  • 人魚の姫...結末を知っていても泣いてしまう;;

    スドウピウ氏の表紙がかわいいです

  • 装丁が…俺のとは違うなぁ
    再読ですが、キラキラした童話の世界に再び癒されました。人魚姫のラストは、いつ読んでもほっとします。
    人魚姫が早く神様のお国へ行けるように、いつもいい子でいてあげようね

  • これぞ、現代の心を洗濯してくれる物語。
    悲しく消えていくのは姫だけどなく、
    汚い人間の黒くしつこい汚れた心。
    残るのは漂白されたかのような、
    まっ白いカタルシス。
    柔軟剤で柔らかくなった頭で、
    考えてみよう。
    美しい声を犠牲にしてまでも、
    人魚姫は何を手に入れたかったのかを。

    貴方は、
    大切な何かを犠牲にしてまでも、
    欲しいものはありますか。

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