フラニーとズーイ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102057049

感想・レビュー・書評

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  • 読んでもわからなかった本。だから、理解できる日まで大事にしたい。

  • ライ麦はぜんぜんおもしろいと思わなかったサリンジャー、こちらはすごく面白かった!!!反芻するようなくどくどとした文章が他にないスタイルで、読み続けるうちに味が出てきて中毒になってしまう。この兄弟の話を一時期おっかけてたなぁ

  • 自分だけが正しくて、周りの全てにイライラする感覚。大人になって忘れていたけど、学生の頃自分もそんな風に思ってたなぁと懐かしく感じました。宗教的要素が含まれており、とっつきにくい部分もありますが、自意識に悩める若者に是非読んでほしい一冊です。

  • 「フラニー」読了。なんだかものすごく胸に響いてしまった。自分自身の、周りの人たちのエゴに嫌気が指す。とても良く分かる。小さな本に書かれていた巡礼のごとく、唇は言葉をつぶやき始める。そのまま「ズーイ」へ。これも響くといいんだけど。

    ---

    「ズーイ」読了。うーむ、キリストへの信仰でむずかしい。太ったおばさんのことは以前に何かで見かけたな。もう一度読み直してみよう。フラニーもズーイもラストはフラニーがベッドに入るところ。その時の心情が混乱から平穏(? うまい言葉が見つからない)となっているんだな。

  • フラニーとズーイが古典かどうかはよくわからないけど、60年近く前にすでにこんな良い本があったんだと思うと古典を読むのが一番なのかな。時間が経ち、読み継がれていることもこの本の価値を高めてるような気がする。

  • 面白かった。
    本の間に挟まっていた村上春樹の解説も良かった。
    序盤はなかなかとっつきにくかったが、中盤からの兄からの電話あたりからぐっと引き込まれた。再読したい。

  • サリンジャーの作品と言えば「ライ麦畑でつかまえて(キャッチャー・イン・ザ・ライ)」と本作「フラニーとズーイ」だろう。
    有名なこの作品をようやく読んでみた。

    サリンジャーは翻訳者の“まえがき”や“あとがき”を作品に加えることを固く禁じていたらしく、この作品でも加えられていない。ただ、翻訳者である村上春樹さんが、時代の異なる作品を読むときにはある程度の説明がないと本当の意味で作品を楽しめないと考え、村上春樹さんの「こんなに面白い話だったんだ!」という小冊子のようなものが挿まれている。

    フラニーとズーイという兄妹の物語で、短いフラニー篇と長めのズーイ篇で構成されている。
    わたしは「キャッチャー・イン・ザ・ライ」よりも断然こちらの作品が面白かった。それは単に読んだ時期の問題で、もっと若いときに読んでいたらまた違ったことだろう。

    フラニー
    全体として会話が多く、文章のリズムがよく読みやすい。
    恋人と会って食事に出掛けるフラニーが、自分の周りに溢れるエゴに参ってしまう。
    「巡礼の旅」という本について、恐らく恋人は興味もなくたいして聞いてもいないのに、ベラベラと喋りつづけるフラニー。そして遂には体調まで崩して倒れてしまう。

    ズーイ
    家族の中で最も整った顔立ちのズーイを中心に家族のことが描かれている。描かれていると言っても作中では殆ど唐突といった感じで家族の名前が出てくるため、脚注がないとよくわからなくて困ることになっただろう。
    兄弟の中には自殺した兄や戦争で死んだ弟もおり、完全ではなくなった家族が感じられる。また成長し自分の考えを持つようになってわかる母親の不十分さを、フラニーもズーイも恐らくは他の兄弟も感じているだろうことも伺える。
    この家族の中でフラニーは知らないうちに、頭でっかちで他者を押し出し自分の中に閉じこもってしまった。
    そんなフラニーに対し、冗談を交え話しかけるズーイ。
    途中フラニーの読んでいた「巡礼の旅」についてから宗教の話になっていき、一時はどこに向かっているのかわからなくなる。しかし、最後にフラニーが電話を受ける場面がとても良かった。

    思った以上に愉しめた一冊だった。
    サリンジャーのこだわりは尊重しつつ、今、作品に出合う読者のために挿んでくれた村上春樹さんの言葉のおかげかもしれない。

  • 宗教的な内容について討議しているような場面もありましたが、サリンジャーが伝えたかったことはそこにはなく、自分はラストの場面に詰まっていた気がしました。純粋な人が、自分の存在価値に迷った時に読むといい本だと思います。ゾーイが言うように自分の存在の意味を他人に見出せるようになると、また一つ大人になれるんでしょう。周りからの賞賛が欲しく成果を求めて仕事をしている自分に気付かされました。シーモアが言うように、自分の周りの「太っちょおばさん」のために仕事ができるようになるといいんですね。そこまで自分は純粋な人間になれるか、また一つ自分が成長するための課題をもらった気がします。

  • 「世の中には素敵なことがちゃんとあるんだ。紛れもなく素敵なことがね。なのに僕らはみんな愚かにも、どんどん脇道に逸れていく。そしていつもいつもいつも、まわりで起こるすべてのものごとを僕らのくだらないちっぽけなエゴに引き寄せちまうんだ」

    「君にはそれがわからないのか? 自分がどれくらいぼやけた目で、どれくらい甘っちょろく世界を見ているかということがわからないのか? まったくもう、君という人間にはもともと救いがたい部分なんてひとかけらもないはずなんだ」

    「どうして君は神経がやられちゃったんだい? つまりさ、そんなに力いっぱい崩れちまうことができるんなら、どうして同じエネルギーを使って自らをしっかり保っていることができないんだ?」

    違う訳で読んだことはあるけれど、村上訳も読んでみたくなって。
    落ち込んでいるときに読んだためか、心にぐさぐさとささる言葉がたくさんあった。

  • 発売して数日経って借りて読みました。野崎さんのよりわかりやすく入りやすいような文体を意識したのが伝わるほど正直読みやすかった。おかげで自分は二人がなにをいいたいのか部分的に理解に苦しんでいたところが「ああ、なるほど」とすんなり入り込めたところがあって、理解が深まった部分では読んでよかったです。のだが!野崎さんのを最初に読んでしまったがためになのか、すべてが簡略化されたようにみえて、あのときの救いに満ちた感動は味わえませんでした。会話の言葉選びにいくつか村上春樹っぽさがでていたのがおもしろかったです

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