グレート・ギャツビー (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102063019

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの富豪の生活やニューヨークのきらびやかさの裏に潜む空虚,偽善がテーマ.人生における幸せとは一体何だろう,ということを描いた話といえよう.
    狂言回し的役割のトムとデイジィの世界(=当然読者からはかけ離れており理解不能),実はそこに近づこうとしていただけだったギャッツビー(=冒頭ではトムとデイジィ以上に浮世離れしているように描かれるが,徐々に背景が明らかになる),そこに巻き込まれて俯瞰的な立場から眺めるニック(作者や読者の分身)の3種類のキャラクターがバランス良く対比して書かれているところが,この小説が支持され続け何時までも輝きを失わない理由だろう.

  • 色とりどりだが、淡くて、どこか空虚な感じが終始漂っている印象。
    富裕で軽薄な人々がきらびやかなパーティーに明け暮れ、乱痴気騒ぎを起こす様が本書の中核か。
    ギャツビーが、一人の女性を求め、どんな手段だろうが、なりふり構わず成り上がり、彼女を手に入れようとする、宿命的な一代記は、少々力強さに欠ける感じがした。
    とにかく、金、軽薄、淡い陽光を受ける島嶼部の街並み、繊細ですぐに人生の暗部に落ち込む人々、それを皮肉に眺める主役の落ち着き、こういったことが読後に残った印象である。

  • 野崎孝訳・新潮文庫・平成2年2月25日発行・42版を読んだ.
    ニック・キャラウェイの語りで綴られるジェイ・ギャツビーの波乱に満ちた物語だが、1920年代のアメリカ東部では列車が主要な交通手段であり、勿論車はあるが、いわゆるアメ車ででかい感じがする.フィッツジェラルドの生涯の一部を暗示するような内容だが、彼の死後西部から訪ねてきた父親の言動が物悲しい.ギャツビーといろいろあったビュキャナン夫人・デイズィがこの物語の主人公のような気がしている.したたかな女だ.

  • 好きじゃないです。
    それでも最後のほうは、おお、と思いながら読めたのでもしかしたらまた読むかもしれない。取りあえず初読に良い印象は残りませんでした。二度めはたのしいといいな

  • よく分からないものは分からないでいい。

    繊細さ、というのが一つのキーワードであると思いますが、デイジーを求めた先に幸福があると信じ切れなかった、あるいは確実にないであろうと見当をつけていたギャツビーの心情、精神状態の描写にこそ、本作の魅力があったのかな、と思ったり思わなかったり。

    原文で読まなければ魅力半減本という話も聞きますので、そのうち挑戦しようかなと思いますが。

    「私はアメリカというものを知らなさすぎる」とレビューされた方がいますが、正にそれかも知れません。

  • 内容は難しかったけど、文章の中にある情景が浮かび、あっという間に読んだ。
    アメリカ(西部と東部)について、自分がいかに無知か分かった。
    これを気に勉強したくなった。

    何回も何回も読めば良さが分かる…気がする。

  • 最近、「名作」というものが無性に読みたいワタシ。
    今まで、フィッツジェラルドの本(特に本作」はハルキストっぽくて、なんとなく敬遠していた。

    しかし、「長いお別れ」(チャンドラー)の後書きで、
    チャンドラーの描く語り手「マーロウ」と、フィッツジェラルドの描く「ぼく」は似ている、と。
    (ちなみにその後書きは、村上春樹氏。)
    そんなこと言われたら、気になるよね。
    確かに、似ているかもしれない。
    「テリー」と「ギャツビー」も同様。
    まだ、そこまで読み込んではいないから、具体的にどこ、と言えるところにまで達してないけれど。

    肝心のストーリーは、戦後のアメリカ、N.Y.が舞台。
    ギャツビーの、かつての恋人デイズィへの想い。
    一途って言っていいんだよね、これは。

    時代背景についても、不勉強でなんとも言えないけれど、
    分かればもっともっと面白いんだと思う。
    ただ「長いお別れ」のように無条件でストーリーを楽しむ、軽い読書には向かないかも。

    もう一回読みます。

  • ギャツビーの丁寧な話し方に惹かれる。

    ニックの事を「親友」と呼ぶのもいい。

  • 煌びやかなバブル時代だからこそ際立つ空虚さを強く感じるストーリーでした!

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著者プロフィール

1896年ミネソタ生まれ。ヘミングウェイとともに「失われた世代」の作家として知られる。大学在学中から小説を書きはじめ、『グレート・ギャツビー』を刊行して一躍時代の寵児となる。激しい恋愛の末、美貌の女性ゼルダと結婚、贅をつくした生活を送る。しかし、夜ごとの饗宴を支えるため乱作をはじめ、次第に人気を失い、ハリウッドの台本書きへと転落の道を辿る。1940年、再起をかけて執筆していた『ラスト・タイクーン』が未完のまま、心臓発作で逝去。

「2022年 『グレート・ギャツビー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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