- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102063019
感想・レビュー・書評
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色とりどりだが、淡くて、どこか空虚な感じが終始漂っている印象。
富裕で軽薄な人々がきらびやかなパーティーに明け暮れ、乱痴気騒ぎを起こす様が本書の中核か。
ギャツビーが、一人の女性を求め、どんな手段だろうが、なりふり構わず成り上がり、彼女を手に入れようとする、宿命的な一代記は、少々力強さに欠ける感じがした。
とにかく、金、軽薄、淡い陽光を受ける島嶼部の街並み、繊細ですぐに人生の暗部に落ち込む人々、それを皮肉に眺める主役の落ち着き、こういったことが読後に残った印象である。 -
野崎孝訳・新潮文庫・平成2年2月25日発行・42版を読んだ.
ニック・キャラウェイの語りで綴られるジェイ・ギャツビーの波乱に満ちた物語だが、1920年代のアメリカ東部では列車が主要な交通手段であり、勿論車はあるが、いわゆるアメ車ででかい感じがする.フィッツジェラルドの生涯の一部を暗示するような内容だが、彼の死後西部から訪ねてきた父親の言動が物悲しい.ギャツビーといろいろあったビュキャナン夫人・デイズィがこの物語の主人公のような気がしている.したたかな女だ. -
好きじゃないです。
それでも最後のほうは、おお、と思いながら読めたのでもしかしたらまた読むかもしれない。取りあえず初読に良い印象は残りませんでした。二度めはたのしいといいな -
よく分からないものは分からないでいい。
繊細さ、というのが一つのキーワードであると思いますが、デイジーを求めた先に幸福があると信じ切れなかった、あるいは確実にないであろうと見当をつけていたギャツビーの心情、精神状態の描写にこそ、本作の魅力があったのかな、と思ったり思わなかったり。
原文で読まなければ魅力半減本という話も聞きますので、そのうち挑戦しようかなと思いますが。
「私はアメリカというものを知らなさすぎる」とレビューされた方がいますが、正にそれかも知れません。 -
内容は難しかったけど、文章の中にある情景が浮かび、あっという間に読んだ。
アメリカ(西部と東部)について、自分がいかに無知か分かった。
これを気に勉強したくなった。
何回も何回も読めば良さが分かる…気がする。 -
最近、「名作」というものが無性に読みたいワタシ。
今まで、フィッツジェラルドの本(特に本作」はハルキストっぽくて、なんとなく敬遠していた。
しかし、「長いお別れ」(チャンドラー)の後書きで、
チャンドラーの描く語り手「マーロウ」と、フィッツジェラルドの描く「ぼく」は似ている、と。
(ちなみにその後書きは、村上春樹氏。)
そんなこと言われたら、気になるよね。
確かに、似ているかもしれない。
「テリー」と「ギャツビー」も同様。
まだ、そこまで読み込んではいないから、具体的にどこ、と言えるところにまで達してないけれど。
肝心のストーリーは、戦後のアメリカ、N.Y.が舞台。
ギャツビーの、かつての恋人デイズィへの想い。
一途って言っていいんだよね、これは。
時代背景についても、不勉強でなんとも言えないけれど、
分かればもっともっと面白いんだと思う。
ただ「長いお別れ」のように無条件でストーリーを楽しむ、軽い読書には向かないかも。
もう一回読みます。 -
ギャツビーの丁寧な話し方に惹かれる。
ニックの事を「親友」と呼ぶのもいい。 -
煌びやかなバブル時代だからこそ際立つ空虚さを強く感じるストーリーでした!