博物誌 (新潮文庫)

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制作 : Jules Renard  岸田 国士 
  • 新潮社 (1954年4月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102067017

博物誌 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 以前から読みたいと思っていた本書。
    先日読んだ『うたの動物記』(小池光/著、日本経済新聞社)でも書名を見かけたのをきっかけに読み始めました。

    ルナールが身近にある生命をじっくりと観察し、小さなものたちの中にある大きな宇宙を描き出したような文章です。
    個人的にフランス文学の言い回しに苦手意識があるのですが、1つ1つが短いせいか、すんなりと読み進めることができました。

    比喩がなんとも独特でした。
    ミミズを見て「上出来の卵うどんのようだ」…と感じる日本人はなかなかいないんじゃないかな…w

  • 何となく手にとってパラパラめくって「へび - ながすぎる。」の一文が目に入った時、これは読むべき本だと思いました。
    ジュール・ルナールが独自の観察眼で身近にいる動物や昆虫について綴った随筆集です。ファーブル昆虫記のような学術的な要素はありません。例えば先述の通り「へび」の項目は「ながすぎる。」この一文で終わりなのです。
    「めんどり」の次にくる「おんどり」の正体、「くじゃく」が待っているもの、「毛虫」と薔薇の関係、「ちょう」や「りす」を表した見事な修辞、「こうもり」が生まれるわけ。
    哀しかったり可笑しかったり厳しかったり優しかったり、こんな文章を私も書いてみたいです。
    訳者あとがきに「訳してはおもしろくないことばのしゃれ」とありました。フランス語が分かって原書を読めればもっともっと楽しめるのだろうと思います。

  • 博物学的な本かと思って手に取ったんですけどね。ぜんぜん違いました。

    農村で暮らす作者が身の回りの動植物を独自の表現で書き綴っており、
    その表現の妙を楽しむような趣向になっています。
    ある種の詩集みたいな感じですね。

    とはいえ、荘厳な雰囲気ではなくユーモラスな文体なので、
    独特な挿絵と相まってくすりと笑わせてさせてきます。

    パンチがある訳ではないですが、
    ほのぼののんびり楽しむには良い本です。

  • あまりはっきりとしない記憶の影にこの本の存在があった。
    古本屋で見かけた時に、あぁずっと探していたんだ、と言う喜びがわき上がり、なんの躊躇もなく手に取ったのだが、実際の所私のほしい書籍リストにこの本の名前はない。
    誰かが己の作家生活に影響を与えた1冊、としてこの本をあげていた気もするのだが、それが誰なのかもわからない。
    ともかく謎の多い1冊であるルナールの『博物誌』。



    ジュール・ルナールとはフランスの作家である。
    彼の代表作は『にんじん』。にんじん色の髪の毛をした少年の話だった気がするが、実はそちらは読んだことがない。
    どういう人でどういう本なのか、何もわからぬまま本著を読んだ。
    内容は小説ではなく、いわばちょっとしたコラム、それも身近な事物に対して言葉を綴ったものである。
    動物の扱いが多いので、勝手にシートン動物記をイメージしていたのだが、そんなものとはほど遠いフランス人らしいエスプリに富んだ筆者の生活的視点に即した小話集である。
    読み始めて非常に詩的だな、と当初は感じていたのだが、読み進めて行くうちにそうでもないかもしれない、とも思った。なんだろうか全体的にイマイチ入り込めないところがどうもあったのだ。ものの見方が日本人には縁があまり無い表現が多かったのかもしれない。


    『孔雀』の”釘付け”も好きだったが気に入ったのは連作めいた『鶸の巣』、『鳥のない鳥籠』、『カナリア』。
    特に『鳥のない鳥籠』はとても好き。こういった話を書く人なら次は『にんじん』に手が伸びるのも遠くはないだろう。


    軽いのに超したことはないがここまで軽いとさすがに拍子抜けする。
    とはいえ、”易しい”だけではなく、久しぶりに詩なんて読みたくなるような”優しい”一冊だった。
    牧歌的とも言えるのやもしれないな。

  • 表紙がすごく綺麗。内容も興味深そう。

  • ブック・オフでジュール・ルナールの『博物誌』(新潮文庫)を買ってきました。
    ひょっとしたら持っているのではという疑問がわかないわけではありませんでしたが、
    えいっ100円だということ購入してしまいました。こんなことしょっちゅうあることです(⌒-⌒;)
    で、家に帰り本棚を調べあげるとやはりありました、でも、岩波文庫版でした。
    まず翻訳者が岸田国士(1974年出版)と辻昶(1998年出版)と違い、
    また原本の出版社の違いで、話の項目数も岩波文庫がだいぶ多いようです。
    さて、ジュール・ルナールといえば『にんじん』という作品でお馴染みの方も多いでしょう。
    その彼が田舎住まいをしていて、身の回りにいるアヒル、猫、うさぎ、ロバなどを
    簡潔な文章の中に的確にその動物たちの様子をうつしとっているのです。
    新潮文庫版の岸田国士の訳はさすが明治生まれの人だけあって、
    少し言葉が硬いですが大変わかりやすい良い文章だと思いました。
    あっ、そうそう彼の次女が女優の岸田今日子なのです。
    所で、この2冊の本のもう一つの違いが、挿絵にあるんです。
    岩波文庫はあの大画家ロートレック、そして新潮社版はなんとボナールなんです。
    しかしながら、新潮社版はボナールの他に明石哲三という画家の絵も含まれており、
    注書きが無いため、ボナール作品と明石氏の絵の区別がつかないのです。
    これは困ったことです。
    実は、昨日3冊の古本を買ったのですが、パソコンで調べると、
    すべて持っていることになっています。でも、うち1冊は本棚のどこにあるかわかりません。
    そして、いつもながら思うのですが、古本屋さんにはあれだけ沢山の本があるのに、
    どうして、よりにもよってダブって買ってしまうのだろ~、不思議で不思議でたりません。

  • ルナール「博物誌」新潮文庫

    あらゆる生き物が簡明な言葉とユーモアで紡がれた俳文のような散文。

    不思議な本でした。
    比喩のセンスが秀逸!
    なのに、ちょいちょいシュールなボケ笑

    ボナールの描く挿絵も力強くあざとさのないタッチで好きです。

    それにしても、蛇だけ手抜き過ぎてワロタ。

    蛇 長すぎる。

    だけ笑

    オススメは蝙蝠!
    夜と蝙蝠の比喩が気持ちいい。

  • ルナールの『にんじん』を読んで、簡潔で詩的な表現に惹かれていた。動物たちを図鑑のように並べつつ、しかし彼独自の詩的な表現で紹介しているのが面白い。『蝙蝠』が一番表現が独特で一貫性があって美しくて好きだ。一方で私自身があまり自然に囲まれて生きて来なかったから、入り込みづらい部分もあった。

  • 「にんじん」で知られるフランス文学者の博物学エッセイ。
    美文に酔いしれる。各項目ごとに挿絵があり、散文詩のようで短く読みやすい。挿絵は後期印象派のP.ボナール。

  • 2014.10.5 読了。今まで読んだことのない感触。梨木果歩に似ているような気もするが、全く違う。なんといえばわからないけど、この文体が好き。常に手元において時折読み返したい。

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