ロレンス短編集 新版 (新潮文庫 ロ 1-10)

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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102070130

感想・レビュー・書評

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  • 文学好みの媚薬というところだろうか。

    新訳で「チャタレイ夫人の恋人」を読んだ時に劣らない高揚感があり満足した。ロレンスはイギリスが自慢してよい、稀有な作家である。

    陰影のある繊細かつ大胆な人生を切り取ったロレンスの世界で、13編みなそれぞれにいいが、特に

    「薔薇園の影」「菊の香」「春の陰影」「盲目の男」「太陽」「二羽の青い鳥」

    が数々の傑作長編を髣髴させ、イメージが思い浮び楽しんだ。

    薄紫色(ヘリオトロープ)、グローリアの薔薇、罌粟(けし)、月桂樹、針金雀枝(ハリエニシダ)、榛(ハシバミ)、釣鐘草(ブルーベル)、柊、車葉草、ラッパ水仙、西洋季(プラム)、桜草、勿忘草、金盞花、塩釜菊、姫萩、………。

    花々が咲き乱れるイギリスの美しい自然の中のうつろい、その陰影になぞらえての心理描写、渾然、陶酔、とっぷりと浸かってしまう。

    人間の営みのおける人間性を抉り出し解放する、けして古くない心理描写。

    昔読んだ『息子と恋人』も印象深かったし、もっと翻訳されてもいいのだけれど現在作品は少ない。

  • チャタレイは読んでない。短編で満足しちゃった。印象に残る度はヘミングウェイ以上かも。

  • 男女の関係を中心に扱った話が多い。読みやすいし、各話についての簡単な解説もあるので分かりやすい。

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著者プロフィール

D.H.Lawrence.
1885 ~ 1930 年。イギリス出身の作家。
大胆な性表現や文明社会と未開社会の葛藤などを主なテーマに据えた。
イギリスからイタリア、オーストラリア、ニューメキシコ、メキシコと遍歴。
この間に、『アーロンの杖』『カンガルー』『翼ある蛇』などの問題作を
次々と執筆。ローロッパへ戻ってものした『チャタレイ夫人の恋人』が
発禁処分となるなど、文壇の無理解もあり長編の筆を折る。
その他の代表作に『息子と恋人』『虹』『アメリカ古典文学研究』
『アポカリプス論』など多数。

「2015年 『ユーカリ林の少年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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