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- Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102070130
感想・レビュー・書評
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文学好みの媚薬というところだろうか。
新訳で「チャタレイ夫人の恋人」を読んだ時に劣らない高揚感があり満足した。ロレンスはイギリスが自慢してよい、稀有な作家である。
陰影のある繊細かつ大胆な人生を切り取ったロレンスの世界で、13編みなそれぞれにいいが、特に
「薔薇園の影」「菊の香」「春の陰影」「盲目の男」「太陽」「二羽の青い鳥」
が数々の傑作長編を髣髴させ、イメージが思い浮び楽しんだ。
薄紫色(ヘリオトロープ)、グローリアの薔薇、罌粟(けし)、月桂樹、針金雀枝(ハリエニシダ)、榛(ハシバミ)、釣鐘草(ブルーベル)、柊、車葉草、ラッパ水仙、西洋季(プラム)、桜草、勿忘草、金盞花、塩釜菊、姫萩、………。
花々が咲き乱れるイギリスの美しい自然の中のうつろい、その陰影になぞらえての心理描写、渾然、陶酔、とっぷりと浸かってしまう。
人間の営みのおける人間性を抉り出し解放する、けして古くない心理描写。
昔読んだ『息子と恋人』も印象深かったし、もっと翻訳されてもいいのだけれど現在作品は少ない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
チャタレイは読んでない。短編で満足しちゃった。印象に残る度はヘミングウェイ以上かも。
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男女の関係を中心に扱った話が多い。読みやすいし、各話についての簡単な解説もあるので分かりやすい。
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