絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071052

感想・レビュー・書評

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  • ここまでネガティブな作家は見たことがない。
    ある程度ネガティブでも、どこかポジティブな
    側面も見れると思うが、彼の場合は違う。
    食、友人関係、病気、父との関係、恋人、様々な観点から、絶望感が溢れていくのだが、絶望こそ、彼にとっての生きるにあたってのモチベーションだと私は感じました。生涯でもっとも美しい体験は骨折だと、彼は言いました。普通だったらネガティブな体験だが、彼にとっては、ポジティブな面に捉える。本作は、そんなネガティブな事をポジティブに捉えるにあたっての生きる指南書のように感じました。

  • 名のある文豪でも、家族関係、仕事や社会に馴染めずに、こんなに絶望していたとは。。
    時代が違えど、この悩みわかる!と共感できる部分も多かった。
    (27 罪はないのに罰はやって来る)
    (30 親からの、見当違いな励まし)
    (67 人といると、自分の存在が消えていく)
    …など。

    マイナス思考過ぎて驚愕したのは
    (10 地下室のいちばん奥の部屋で暮らしたい)
    である。題からしてすごい。

    頭木氏、解説の山田氏はじめ、たくさんの人が、
    カフカのことを、その「孤独」ごと愛しているのが分かる。
    カフカの抱えていた孤独は、ただただ暗いものではなかった。
    少し笑っちゃうくらい後ろ向きで。真面目だから、仕事が嫌いなのに出世しちゃうし。

    もうこの一冊ずっと絶望しているのだけど、よくこんなにマイナスな表現のバリエーションあるな、とツッコミたくなる。

    うまく言えないけれど、人を引き付けてしまうのがなんだか分かる、魅力的な考え方をする人だった。
    たぶん、この本を、私は 何度も読み返してしまうだろうな。

  • 一度読んだら終わり、という作品ではなく、きっとこれからも、何度も何度も読むことになる作品だろうな。

  • ネガティブを原動力にすら作家カフカの後ろ向きだけど元気になれる名言集。突き抜けたネガティブがむしろ爽快。あらゆるものに苦悩して、それでも自分のダメさに胸を張ってる節すら感じられる。弱さをさらけ出して生きるのは、強いふりをして生きるよりずっと魅力的で愛おしくなった。わたしもこんなに素直な自分を出して生きたい

  • カフカの絶望体験に基づいたカフカなりの解釈、対処法を体験させてくれる、所謂無言のカタルシスだ!辛い時にカフカがと隣で一緒に泣いてとくれる話といっても過言ではない。「絶望している時には、絶望の言葉が必要」である。決して「大丈夫、何とかなるさ!」や「明日にはうまくいくよ!」という目線ではない。カフカは、これでもか!という程の絶望体験をあなたに示してくれて、笑い転げてしまう。読み終わる時にはもう辛さは忘れている。この本は毎日カバンに入れておいて、辛い時にトイレで読んでみるといいかもしれない。あなたの心を癒すと思う。

  • 『もう本当にダメだ』『疲れ果てて何もする気がしない』
    と思ったとき、この本はかなり効く!

    私が最も好きなのは、以下のフレーズ。
    因みに、好きな女性に送った手紙にしたためられていたらしい・・・。
    『未来に向かって歩くことは私にはできません。
     未来に向かってつまずくこと、これはできます。
     一番うまくできるのは、倒れたままでいることです』

    秀逸である。
    実際、本当に凹んでいるときに、めちゃくちゃ救われ、くすっと笑うこともできた。
    既に上記フレーズはほぼ覚えてしまったが、他にもカフカの素晴らしい絶望名言が優れた訳でたくさん載っているので、いつも近くに置いておきたい。

  • カフカの小説全て読み尽くしたいくらい
    カフカの生き方に惹き込まれた。
    「ぼくの人生は、自殺したいという願望を
    払いのけることだけに、費やされてしまった。」
    という言葉が生きることに疲れている私に
    凄く心に響いた。ネガティブと共に、生きていくのも不幸の中の幸いだと思った。手元に置いておきたい本ランキング1位

  • おもしろい!

    カフカは変身しか読んだことなかったけど
    他にも読んでみたい!

    こんなネガティヴでどうしようもない人
    きっと今生きてたら、Twitterでバズりそう。

    絶望するのもさいのうだと思った

  • 私が私を語る時、ネガティブであることは欠かさない。それが欠けてしまっては私でなくなるのだ。
    カフカは好きだ。全てにおいて絶望したが、彼は自殺をしなかった。それも励みになる。

  • 最近仲良くなった子がオススメしてくれた本。こういう本自分では買わないから、読めて良かった。
    面白い!読みやすい!
    カフカほどネガティヴじゃないけど、共感できて嬉しくなった。カフカってこんな人だったんだ、近い存在に感じられて良かった。知らなかったの勿体ないし作品読んでみたくなった。

著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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