沈黙の春 (新潮文庫)

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制作 : Rachel Carson  青樹 簗一 
  • 新潮社 (1974年2月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102074015

沈黙の春 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これは小説ではない。 人間の環境に対する考え方に警鐘をならすレポートだ。  自分の生まれた時よりもさらに以前にこのような問題がすでに発生し環境破壊が始まっていたことに驚きを感じた。

    1950年代は、日本でも水俣病、イタイイタイ病、砒素ミルクなどの公害問題が発生していた時期だったので、世界中が産業振興優先で、使っている物質の有害性に関しての関心が低かった( 使ってみて初めて判ってきた )という面もあったのではないかと思う。
    私が子供のころでも、家庭用の農薬噴霧器なんてものが家にあった。遊び半分の親の庭仕事を手伝いながら、使っていたが、あそこから霧状にでていた白い液体は何だったのだろうか。

    21世紀になった今、これらの社会問題は訴訟こそ解決を見ていないものが多いが、新たな発生がない( また判っていないだけなのか )ように思える。そう願っている。

    しかし、最近、たとえば、アメリカのシェールガス掘削などはどうだろうか。アメリカは新たなエネルギー源の確保にやっきになっているが、掘削方法には、多くの問題があるようだ。少なくとも NHKの番組の問題提起は私にはショックがあった。 同じ過ちを繰り返さないでほしいと願うばかりだ。

    会社で一時期、環境有害物質の担当をしていた。 その時に目にした化学物質の名前が、次から次へと出てきたことに驚いた。 書類上のそれらの物質がきっと有害なんだろうが、いったいどのように我々の生活に影響を及ぼすか半ば判らないままに仕事をしていたが、 この本を読んで、いかに恐い物質であるかがわかってきた。 

    少なくとも現時点で禁止されていない化学物質は、身の回りにあふれている。 しかし今、2人に一人は癌で死ぬといわれている時代、本当に禁止されていない物質は大丈夫なのだろうか、単にいまその害が判っていないだけなのではないかと考えてしまう。 でも 私をふくめ今の生活は変えられない。 汚れがあれば洗剤をつかう。 蚊が飛んでいれば蚊取り器をつかう、ゴキブリを見つければスプレーを吹きかける。 かれらの生命は絶たれる、そのとき私たちの生命が受けているダメージはどれほどなのだろうか。  今自分の肝臓は何ppm??

  • 伝記・小説以外に読んだ初めての本だったと思う。浅はかな私は現実社会というものは清く正しく進歩していくものだと単純に信じていたから、とても衝撃を受けた。

  • 生物嫌いだし、環境とかそんな興味ないし、でもあまりに名著として有名だから一回くらいは読んでおくか…くらいのテンションで読み始めた。

    が、さすが名著。面白い。事象の描写も全然専門家じゃなくても興味持って読める。

    虫大嫌いだけど、嫌いになったのは人間のせいなのかも、と思った。明日からはちょっとは虫に優しくなれるかしら。いや、虫に優しくするんじゃなくて人間に厳しくならなきゃいけないのか…

  • 読み切っていないので、私的感想。

    名著ということで読み始めたのだが、具体に入り過ぎて、自分にとって残しておくべき情報だろうか?と考え、途中から飛ばし読み。

    DDTという、社会的に「良きもの」と評価されていた薬品は、危険なものなんだよ!と具体例を挙げながら警告した女性研究者(後にジャーナリスト)の論説文。

    この本が、当時どのように読まれ、その結果社会がどのくらいの時間を経て、どう対応していったのか。
    きっと、そこがキーなんだと思う。

    現在の目で「そうか、こいつは悪いものなのか」と改めて納得する本なのではない。
    社会的に「良きもの」とされているものの裏を、きちんと見抜ける(疑問視できる)人間になりましょう、という視点でオススメなのではないかな、と思う。

    そういう意味では、現代版カーソンを正しく見抜く目も、私たちには必要だ。

    データ至上主義になってしまうと、自らの足元を掬われる時だってある。

    そんな風にも感じた一冊だった。

    しかしながら。
    タイトルがとても良い。(解説ではもっと明解なタイトルの方が良いとされていたが)
    『沈黙の春』。まさに!
    読みたくなるタイトルって、素敵だ。

  • 人類が化学薬品を用いたことによる害を、詳細な例を並べて論じている。

    要約すれば
    ①化学薬品はあらゆる動植物に悪影響をもたらした
    ②それらが世界的に繰り返されてきた
    ③今もその問題は解決されていない(あとがき)
    という内容で、少し学のある者なら今さらという感じの本。

    しかしこの本の本当の意義とは、上記のようなありふれた主張ではなく、あとがきにもあるように

    「最近のいわゆる公害問題を、もっとも早い時期(1962年)に先取りして論じたもの」に尽きるであろう。

    さらに、友人によれば、「あの時代(社会的背景)に」「女性が」「あの社会(研究系の学会)で」「初めて公式に」このような主張をしたことに意義があるようだ。

    それらの知識が、この本の価値を再認識させてくれる。

    しかし内容としてはやはり事実の集積ということで、その功績は素晴らしいが「読み物」の評価としては星3つをつけさせていただきたい。

  • 今から数十年前のアメリカにおける環境汚染がテーマ。
    今は昔と違ってこんなにひどい事はしていない、と思いたいところだろうが、遺伝子組み換えも同じ轍を踏んでいる様にしか思えない。
    結局、常に自然を汚染しながら生活している、という現実を少しでも抑止の方向へと進めないといけない、その警告をいち早く出したこの本は今も受け継がれるべき一冊だ。


    TPPでアメリカの汚染が拡散されてくることは何としても避けたい、その意識を強くもった。

  • この本を読むと、幅広くいろいろなことを学習しなければならないなと思う。

  • Dichloro diphenyl trichloroethane(DDT:ジクロロジフェニルトリクロロエタン)日本でも大量にまき散らされた薬品。アメリカからの警告。注をつけずに参考文献をつけたという。できれば、注は注でつけて欲しかった。注を読むのが面倒な人は読まないから。図書館で文学の棚になかった。

  • カーソンの熱い思いが迫ってきそうです。

  • 今から、60年も前に出版されたものに関わらず、今の環境問題、とりわけ「汚染」に関する考えや危機意識に匹敵するほどのレポートになっていると思う。当時はおそらく「生物濃縮」なんて言葉もなかっただろう。しかし、ここで述べられているものには明らかに、その現象が含まれている。
    温故知新という言葉があるが、環境学を考えるうえで、これは読んでおくべきであろう。

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