サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102081020

作品紹介・あらすじ

月の妖しく美しい夜、ユダヤ王ヘロデの王宮に死を賭したサロメの乱舞。血のしたたる預言者ヨカナーンの生首に、女の淫蕩の血はたぎる…。怪奇と幻想と恐怖とで世紀末文学を代表する『サロメ』。夫の情婦といわれる女が臆面もなく舞踏会に姿を現すが、はたして夫人は?皮肉の才気に富んだ風俗喜劇『ウィンダミア卿夫人の扇』。ワイルド劇の頂点を示す『まじめが肝心』の3編。

感想・レビュー・書評

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  • 「サロメ」はさすがの知名度だけあって、素直に面白かった。あの恐怖と淫靡な雰囲気は現代の作品でも、なかなかないのでは。

    「ウィンダミア卿夫人の扇」は名言が多かった。でも上流階級の奥様方の会話がメインで、現代の感性からするとあの喋り方は正直少し滑稽でした。

    「まじめが肝心」はストーリー自体は面白かったが、駄洒落を利かした言い回しが多く訳された文章では100%楽しめませんでした。

  • ずっと気になっていた「まじめが肝心」目当てで手に取りました。いやあ、面白かった!すべてのロマコメ、私が「英国風」と思っていたユーモア(たとえばいにしえのチックリットの自虐ギャグとかデヴィッド・ロッジの皮肉とか)の源泉がここに!という感じで、格言めいたパンチラインも随所に盛り込まれ、戯曲なら「サロメ」の妖しげなイメージが強かったワイルドだけど、こんなに喜劇が素晴らしいとは。もちろん、セリフ回しとかは時代がかっているんだけど、テンポはよいし、人間の本質は時代を経ても変わらないことがよくわかる。ほかの戯曲も読みたいし、何より「まじめが肝心」の舞台を観たい。数年前に宝塚が上演したそうだけど、このファニーでハッピーな物語には男性の生々しさとか要らないから、宝塚ほんとピッタリだと思う。

  • 再読。「サロメ」「ウィンダミア卿夫人の扇」「まじめが肝心」の戯曲三本立て。あまりにも有名なサロメは別格として、他の2編のほうが戯曲としての完成度は多分高い。好きなのはもちろんサロメだけれど、ドタバタ喜劇風で大団円の「まじめが肝心」は確かに大衆受け良さそう。

  • 面白い。訳注がちょっとうるさいのが残念。カッコの中にカッコは音訳者泣かせ。ト書きと紛らわしいし台詞のリズムが途切れるので、戯曲では脚注か巻末注にしてほしい。

  • 『サロメ」は当然のこと、まさかの『ウィンダミア卿夫人の扇』が超良かった。
    シビアなスタンスとユーモアをここまでバランスよく配置できるのはほんと凄い。
    普通に感動するし。

  • オスカー・ワイルドの「サロメ」
    1964年の夏、ちょうど私は二十歳となる頃だったが、
    当時の同志社で、「劇研」に居たKと、「創作研」に居たTと、同じく「第三」に居た私と、
    二回生になったばかりの三人が、偶々、それぞれの所属に愛想を尽かして退いたのが、機縁となり、
    ただ一回きりのグループを組んで、「サロメ」を演った。
    所は、京都山一ホール。私が演じたのはヘロデ王だった。


  • この生涯でたった一度だけ、母親の気もちというものを知ったの。ゆうべのことよ。恐ろしい気もちだった
    ウィンダミア夫人の扇とまじめが肝心、貴族の社会の常識や含蓄をそこまで読み取れずどういう発言の意味?と首をかしげるものもあったけど、わかりやすい喜劇、読み飛ばして楽しめました。

    ヨカナーンの首をくださいまし。
    恐ろしい黒い鳥の羽ばたき。血にまみれ滑る絨毯。
    ファムファタルの代名詞であるサロメの、無邪気で青ざめた残酷な美しさ。

  • 『まじめが肝心』きゅうりのサンドイッチ

  • 手軽に濃厚な話が読めるのでおすすめ

  • 2011/4/29 My本棚のこれまでに登録していなかった本を登録。

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著者プロフィール

1854年アイルランド・ダブリンに生まれる。19世記末の耽美主義文学の代表的存在。詩人・小説家・劇作家として多彩な文筆活動で名声を得る。講演の名手としても知られ、社交界の花形であった。小説に『ドリアン=グレーの肖像』戯曲に『サロメ』『ウィンダミア卿夫人の扇』回想記に『獄中記』などがある。1900年没。

「2022年 『オスカー・ワイルド ショートセレクション 幸せな王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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