あしながおじさん (新潮文庫)

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制作 : Jean Webster  松本 恵子 
  • 新潮社 (1954年12月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102082010

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あしながおじさん (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 人生で三度目のあしながおじさん読了でした。三度目にして初めて、ウェブスターの緻密に計算されつくした構成力と感情の変化を間接的に描き切った描写力に気がつき、脱帽させられてしまいました。

    誰もがあらすじを知っているように、決して正体を明かさないお金持ちの男性が、孤児の女の子を大学に進学させてあげるかわりに、毎月自分あてに手紙を書かせる物語。

    8歳と19歳のときにすでに読んでおり、結末は知っているのに、約10年ぶりに再読してみると、全く違う物語のような印象を受けました。

    以前読んだときは、孤児として育ったにもかかわらずハツラツとした無邪気さを持つ主人公の活き活きとした大学生活の描写が心に残ったのに、今回はどちらかというとその逆。

    瑞々しく明るい描写の中に垣間見える、孤児であることを親友や愛する人にさへ隠そうとする少女の葛藤や虚栄心、裕福な友人たちへの羨望、若い娘らしい物欲など…ただ一途で前向きなヒロインにとどまらない、より生身の人間らしい少女の心情に初めて気がつかされました。

    そして何より目から鱗だったのは、この物語は少女から「おじさん」にあてた手紙のみで構成されている「一視点」の物語であり、「おじさん」の心情は全く描かれていないにも関わらず、その手紙の中の描写から、気まぐれに援助をしだしたはずのおじさんが彼女に1人の男性として徐々に恋情を募らせていく過程が丁寧に織り込まれている点です。興味本位からひたむきな愛情に変わっていく様、ライバル男性への嫉妬、焦燥、独占欲、束縛など、実に多くの「おじさん」の感情が、手紙の中で少女が記すおじさんの行動を通じて容易に連想されるようにできています。しかし、少女はそんなおじさんの強烈な恋心には全く気づいていません。並程度の表現力なら、「それはないだろう」とつっこみたくなるはずでしょうが、それが実に見事に無理なく描かれています。他人の視点を用いて別の登場人物の心の変化をこれだけ鮮やかに描き出したウェブスターの筆力と緻密な構成に脱帽させられた一冊でした。

  • ひゃぁ~、やっぱり、これですよね~。

    新訳となった「あしながおじさん」を読み、
    大変面白く、でもなじみになじんだこちらが懐かしくなり、
    翌日読みました。

    なにせ、30年来のお付き合いでございますから、
    どうしたってこちらの方が愛着がありますの!

    お若い方、初めて読む方は新訳でよろしいかと存じます。

    好きな本の新訳って何かとイライラッとくることあるけれど、
    畔柳さんの翻訳は、うん、問題ないんじゃない?
    (いつものように、上から)

    でもさ、こちらの松本恵子さんの翻訳の言葉遣い、
    これがね、私は好きだからさ!

    「いいあんばいに」「大いに愉快に」
    「とても美しゅうございます」
    なんて、ちょっとパラパラめくっただけでも
    次々、今はほぼ使われない、でも魅力的な日本語が
    散りばめられているよね。

    あと「髪を出来るだけ豊富にちぢらして」
    (これはロック・ウィローの女中キャリーの行動ね)とか、
    「料理番はいつでもこね粉をひとかたまり取っておいて
    子どもたちに焼かせてくれます」
    (これはサリーのお家へ行ったときのお話ね)とか、

    いかにも昔っぽい言い様、でも心がほのぼのとして
    なんだか面白くて嬉しくなるこの気持ち、
    伝わるかしらん。

    ずっと大事にしよ、この本。
    裏表紙チラリ…、本の値段…240円、安い!

  • 時代背景が分からず読みにくい部分はあるが快活でユーモアに富む主人公の文体は楽しい。掛け値なしで支援してくれているが反応の薄いあしながおじさんに対し、主人公持ち前の想像力を発揮して不自然なく楽しく会話している作力はすごいです。それにしても「アンネの日記」はこの本からかなりの影響を受けたのではないでしょうか。結びの言葉とかとても印象が被ります。
    あしながおじさんの正体は中盤くらいからうすうすわかってきますが、終盤のラブレターとその前の流れはとても可愛く、感動的です。

  • 手紙形式で、最初は抵抗あったけど、けっこうわかりやすかった。

  • おんなのこの、生活、おしゃれ、恋愛、など
    全ての面においての
    完全なるしあわせのかたち、
    この本の中に あり。

    春夏秋冬をとうしてのジュディの毎日の楽しみ方、
    お部屋を飾ったり、買い物をしたり、
    明日からもっと
    おんなのこを楽しみたくなる。

  • 子供の頃は多感な女学生ジュディに共感していたが、今読むとおじさん(の中の人)が手紙の向こう側で一喜一憂している姿が想像できて楽しい。

  • 久しぶりに読み返したけどとても幸せな気分になった。ラスト知ってるからこそ手紙の数々が微笑ましくてたまらない。明るくてユーモアたっぷりのジュディがすごく好感もてる

  • 手紙で物語が進められています。このポイントが他の本との最大の違いです。二巻は、サリイ・マックブライドの書いた手紙で成り立っています。でも、やはり私は一巻が好きです。

  • ユーモラスで賢い、お茶目なジルーシャ・アボット。すこし赤毛のアンを思い出す。2度読むと、あしながおじさんからのめったにない手紙が面白い味を出している。

  • 図書館から借りました

     手紙形式。ジャンルは「学園物」?  恋愛物、ではなさげな。

     17歳の孤児ジルーシャは、月一回支援者である「ジョン・スミス(仮名)」に学校生活をつづった手紙を送ることを条件に、大学にゆける。
     日々の生活を手紙形式で、つづられていく。

     ジルーシャはかなり、失礼なことを平気でぽんぽんと書いていきます。
     ジョン・スミスという名前はあまりにも平凡なあだ名なので「女嫌いさん」「お金持ちさん」「背が高いから足長おじさん」、三つの候補をあげて、「女嫌いだと私を卑下しているようだからパス」。で、「お金持ちさんは、おじさまがいつまでもお金持ちでいるとは限らないからやめます(←すっごい失礼な)」、「何があっても、背の高さは変わらないでしょうから、あしながおじさんと呼びますね」(←相手が返事をよこさないので、それをすべて了承ととるジルーシャ)
     そしてまじめに聞くからこそ残忍な質問が。
    「おじさま、はげてますか?」
     うーむ、図太い。
     足長おじさまは、次第にジルーシャにめろめろになってゆきます。
     最初のクリスマスプレゼントは「金貨」、つまり現金だったのに、次は品物。大学最後のクリスマスは17ものプレゼントを……。
     彼女が同室の子が外遊していいなぁと手紙に書きつづれば、ヨーロッパ旅行をプレゼントしようとして、ジルーシャに「そんな贅沢いりません」と言われてしまい、同室の子が高い帽子を買っていたというようなことを手紙に書かれていれば、小切手を送って突っ返される。
     知人がお金に困っていて、ジルーシャが「100ドルばかり、人助け用にいただけませんか」と手紙に書くと……即小切手を切る。
     珍しくねだられたので、きっと裏側で歓喜していたことでしょう。

     それにしても、足長おじさま、独占欲強いな(笑)
     奨学金を得られるようになった彼女が月々のお小遣いだけでいいと言い出すと、「奨学金は断れ」と秘書に言わせ、同室の子のお兄さんと仲良くするのが嫌なので、夏はここに行けと命じて、機嫌を損ねた彼女から二ヶ月も手紙をたたれたり。
     裏側、足長おじさん視点から見れば、自分が彼女にあげられるのはお金や物だけなので、奨学金を得られるようになってしまったらすごく不安だったでしょうね(笑)

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