ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

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制作 : 生島 遼一 
  • 新潮社 (1997年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102085011

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • よく思うのですが、女性が妻となり、家庭を守るという行為は、外に出て荒波にもまれながら、家庭を同じく守る夫とは対照的な苦痛があると思うのです。
    さまざまな変化を社会という人ごみの中で体験する変化への苦痛と戦う夫と。
    何も変化が無く、単調な家事を繰り返し、黙殺されそうになっている妻。
    対極に居るから「だから男は」「だから女は」と、口論が絶えないんだと思います。
    まあ、根本はそういう所が男女の相いれない原因の一つなのでしょうが、最終的には人間的な性格の問題ですよね。

    大げさにそんな事を言っておいてなんですが、エマは私と違って、外界からの刺激を好む女性で、生活に圧迫されて年をとっていくのが耐えきれない、旅人気質を持っていました。
    だからこその不倫と発狂、自己中心的な自分の理想とする世界を、現実に花開く事が出来ない事へのジレンマは、まるで子供がだだをこねているように見えました。
    時代が違うので、その時の時代の習慣や、当たり前の事を私はよく理解していないのですが、あまりにもシャルルがいい夫でいたので、エマのその自由奔放な生き方が更に浮き彫りになってしまっているように思えるのです。

    やっぱり、死んだ後に、残された人の気持ちを考えるっていうのは難しいんでしょうね。特にエマなんて、絶対にかんがえる暇も、機会も全て死ぬ直前に花火のように、気まぐれに光って後は消えてしまう。
    シャルルの魂を、エマが自ら滅ぼした手でつかんで、引きずり上げてしまい、娘一人が生きる事になりましたが…
    どうか頑張って生きて欲しいです。
    自分自身だけではなく、自分を大切に思っている人も不幸にしたエマ。
    誰かを思う事は、誰かの為に痛みを我慢し、耐える事が必要なんだと思いました。

  • 先生が「男子はこれ読んだら結婚したくなくなるぞ~」とおっしゃっていたので、おもしろそうだなと。

  • 古典なので当然ですが、話の筋は実に古典的な不倫モノです。しかし精緻で目の前に情景を広げさせ、人物を浮かび上がらせる描写が光ります。恋する乙女のまま妻となり、結婚の理想と現実の落差と凡庸な夫に苛立ちを覚え、背徳に身を崩す作中のエマが実に人として最低で、実体のある生々しい存在感を放ちます。今では凡庸といえる筋書きでも文章で読者を離さない作者(翻訳者も含めて)のテクニックに驚くばかり。好きか嫌いかではなく、凄いと感じる作品でした。趣味で小説を書く人はもちろん、読むだけの人でも一度触れておいて損はないと思います。

  • いいひとなんだけどすごくつまらない人っている。
    善良すぎて毒気がないというか。
    そういうひとと結婚したら退屈だろう。
    エマのように、刺激が欲しくなって、
    異常な量の贅沢な買い物に走ったり、
    舞踏会に繰り出したり、不倫愛に狂ったり。
    そういう気持ちもわからないではない。

    けれど人生のほとんどは舞踏会とか熱い恋愛で
    構成されているわけではなく、
    生活で構成されているわけであって。
    その生活を人々は愛し、あたたかな気持ちを持つ。
    そういう気持ちがわからないと
    ずっと現実逃避を続けることになるのかなと思った。

    でもエマは逃避しきって終わったから
    それはそれでいいかと思う。
    哀しいけれど、一貫性があって、
    やりきった感のある人生。あっぱれ。

  • 旦那(´・ω・`)カワイソス小説。

  •  ボヴァリー医師の妻、美しいエマが、姦通を重ね、虚栄に溺れ、借財に追われ身を滅ぼす話。目の前の誘惑に負ける、強欲で愚かなエマ。遺された者のことを考えない、身勝手で卑怯なエマ。でも、およそ500ページにも及ぶ彼女の半生を辿ると、同情してしまう自分もいる。
     エマは根から倫理に反した人間ではなかった。ただの夢見がちな少女だった。親や周囲に決められた結婚だったが、夢を見るだけに止まっていた。参事官の演説中、ロドルフがエマを口説く場面では、その行間にエマ(天使)とエマ(悪魔)の会話が隠れているみたい。彼女の葛藤が見事に現れていた。そして、彼女の人生の転落へ扉が開かれる印象的なシーンだった。一度身を持ち崩すと転がるように破滅の道を進む。夫が仕事で失敗し、自尊心の痛打をうけたときには、操正しくしたことを後悔すらする厚顔ぷり。
     シャルルもシャルルで、エマの不貞に一切気がつかず(死後ロドルフからの手紙を見つけてもなお疑わないほどに現実から目を背けていたのだろう)、エマに理想を押し付けていたんじゃないかな、と思う。でもシャルルが全きの悪人でないところにこの物語のやりきれなさがある。
     結局はエマの周りの人は誰一人幸せにならず、現実を生きる薬屋オメーと悪商人ルウルーだけが成功を収める。対比が痛烈。

     現代だって、有名人の不倫なんてどーーでもいいことを第三者が鬼の首を取ったようにやいのやいの言うんだから、この小説が発表された19世紀には問題作扱いされるのは当然とも言える。裁判にまで発展し、そこで作者が発した「ボヴァリー夫人はわたしだ」という言葉はあまりにも有名。この言葉の裏にあるのは、「誰の心にもボヴァリー夫人がいる」ってことなのかな??????????

  • 退屈な夫の生活に嫌気がさし、不倫を重ねて、身を滅ぼす夫人の話。死ぬまでに読むべき1000冊の本のリストにあって、友人が話題にしていたので読んでみました。

  • 2部までは読むのが少々しんどかったが、3部はすらすら読めた。主人公のエマも勿論愚かだけど、夫も不倫相手も出入りの商人も隣人も俗物ばかり。最後は低俗な薬剤師オメーと俗悪な商人ルウルーだけが幸運に見舞われ、残りの人々は哀しい結末を迎える。これが人生か!となんとも遣る瀬無い。

    エマが無駄遣いに歯止めが効かなくなるのはあり得る事だと思うが、愛人に去られた後何ヶ月も寝込むというのが解せない。男目線でそうあってくれたら可愛いのかもしれないが、普通の女は1週間もしたら過去は水に流して未来に目を向けるのではないか?

    確かにこの時代の主婦は仕事もないが、家事や育児すら自分でやらず、夫の仕事も発展がないとなると将来の希望も持てなくなるかもしれない。ある意味気の毒ではある。

  • ボヴァリー夫人がもしもほんの少しだけ物事の見方を変えていたら、ずっと幸せだったのに。
    彼女は誰も自分のことを心からは愛してくれないと思っていたけれども、本当は間近にいたのに。
    ロドルフの様な男の人って本当にいるだろう。
    勉強になった…

    2015/6/3

  • 『ボヴァリー夫人』は、ギュスターヴ・フローベールの小説。田舎の平凡な結婚生活に倦んだ若い女主人公エマ・ボヴァリーが、不倫と借金の末に追い詰められ自殺するまでを描いた作品で、作者の代表作である。(Wikipediaより)
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    古今東西、男性に入れあげて破滅する女性の話はたくさんあるけれど(もちろんその逆も)、この作品が名作として現代に残っているにはそれだけの理由がありそうですね。

    一つにはやっぱりセンセーショナル感。
    もちろん現代の私たちから見れば、その表現はむしろ生ぬる~い!よく分からな~い!かもしれないのですが、当時はその内容を巡って裁判になったことからも分かるように、相当刺激的!

    今でもやっぱり昼顔妻とか人妻の不倫と言うと話題になりますもんね。
    それが1856年当時であればなおさら。

    この主人公のエマと言う女性、相当に夢見がち。
    そしてなかなか現状に満足できず、いつも何かを求めてしまっている...

    そんなあなたにはこの本をおススメします(笑
    前もこんな展開あったな(笑

    「置かれた場所で咲きなさい」(笑

    にしても、借金が増えていくさまがリアルで恐ろしい。
    金貸しのルルーと言う人物が出てくるのですが、
    この人がまた女性の興味ある衣服や雑貨も扱っていて、
    「御入用でしょうから」なーんて言いながら
    さりげなく商品を置いて行ってまた借金を膨らませる。

    怖いわ―Σ(||゚Д゚)

    でもエマは贅沢を止められない...
    お金持ちの家に夫婦で遊びに行けば、
    どうして私はこんな生活が出来ないんだろう?と羨み
    夜を明かしてダンスに励む。

    年下の男性と会うときには、そこそこの場所でないと満足しない。
    (彼はそれほどこだわっていないようだけど)

    旦那様の働いたお金で贅沢な逢引きを重ねたあげく、
    それでも足りずに旦那様に内緒で借金して...

    で、最後は自殺ってΣ(||゚Д゚)

    結局心も体も満たされず...
    寂しいままで人生を送ったエマ...

    彼女はどうなれば満足だったんだろう。
    愛されて、ちやほやされて、でもそれだけじゃ足りなくて、
    おいしいものを食べたり贅沢な服を着たり、
    素敵なベッドで眠ったり、
    朝まで遊び明かしたり、
    そのあとは専用の馬車でゆっくり帰ったり、

    そんな生活をしたがっていたのだろうけど。
    実際それに近いところまで行ってると思うんだけどねぇ...

    この人はきっと、どこまで行っても満足できずに
    次を次を求めてしまっていたんじゃないだろうか。

    そしてだからこそ、悲劇的な最期がある意味約束された人生だったのではないのかな...

    最初から最後まで、哀れな旦那さまを支えているのか馬鹿にしてるのか分からない、薬屋オメーの存在も気になりますね。

    最後は自分で望んでいた通りなんだか賞をもらってましたよ。

    フローベルはこのオメーを露悪的に書いたように言われているようですが、むしろエマと対比して、より現実的なものを求めたオメーが最後に成功すると言うのがこの作品の最後に言いたかったことなのかも...とも思ったり。
    深読みしすぎ?

    何も知らずにずっとエマを愛し続ける旦那様が、
    なんだか哀れで愛おしくて、そして苛立つ存在でした(笑

    最後まで知らなければ...
    と、どうしても思ってしまう。

    恋愛や贅沢にはまりやすい女性への、教訓として
    この本を閉じましょう。

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