ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

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制作 : Gustave Flaubert  芳川 泰久 
  • 新潮社 (2015年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (660ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102085028

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • でたらめな父親と、気位の高い母親にふりまわされて
    シャルル・ボヴァリー氏は自分では何もできない男だった
    親の言うまま勉強して医者になり
    親の言うまま資産ある中年女を嫁にとった
    しかし患者の家で出会った若い娘と恋におち
    初めて自らの意思を持ったシャルルは
    熱愛のさなか妻が急死する幸運?にも恵まれ、これを成就させるのだった
    この第2の妻が、物語の中心人物エンマ・ボヴァリー夫人である

    シャルルは自分の意思を達成したことに満足していたが
    エンマはすぐに幻滅を味わった
    彼女をおそう退屈は、ただの退屈ではない
    娘だった時分、小説を読み過ぎた彼女にとってそれは
    自尊心を貶め、つまらない女であることを強要する暴力の日常であり
    そして彼女はその凡庸さに仕える自分を被害者と信じていた
    自分ではなにも決められないという部分で
    実はエンマもシャルルも似たものどうしだったが
    ただ曲がりなりにも巡ってきたチャンスを掴み
    自己実現を果たしたシャルルの余裕に対し
    エンマはわけもわからず焦れていた
    美しさは人並み以上だったので、不倫の相手に恵まれるが
    相手との温度差にも気づかず、真剣にのめり込んでいく始末
    悲しい人だった
    夫の凡庸さを軽蔑することで自意識を保ち
    また自分を高めようとショッピングにのめり込み、散財を重ねれば
    あとは破滅への道をまっしぐらに突き進むのみであった

    エンマのそういう有様は
    ひょっとするとあり得たかもしれない若き日のシャルルの
    人生の可能性でもあった
    その運命を分けたのは神のみわざか作者の意図か

    少なくとも語り手は、観察者の立場を逸脱しないよう配慮している

  • 情熱的な恋を夢みるボヴァリー夫人(エンマ)の物語です。夫シャルルは優しくて一途で、エンマも彼のことを好きになれたら普通の幸せを手に入れることができたのだろうと思います。
    けれども現実はそうはいかず、エンマは浮気をし、莫大な借金を抱え、服毒自殺をしてしまいます。エンマは幸せを追い求め続けていましたが、決して幸せだとは思えませんでした。彼女にとっての幸せとは何だったのか、よくわかりませんでした。

    また、解説を読んで、フローベールが「自由間接話法」を用いて「神の視点」を排除したと知りました。この“表象の革命に値する(p656)”話法には、感心しました。

  • 様々な技巧の詰まった教科書のような作品。
    ストーリーも思いのほか楽しめた。

  • 小説を読むのが好きな夢想家の少女って…自分と重なる部分があるなと思いながら読んだ。子供のうち女の子が「いつか王子様が迎えに来てくれる」と夢見たり、結婚して幸せに暮らす自分を想像したりするのは普通なのではないかと思うけれど、問題は大人になっていく中で現実とどう折り合いをつけながら向き合っていくかということだろう。
    エンマは現実逃避&ないものねだりが行き過ぎて、ああ、この子は中身が少女のままなんだな、と感じた。よく、子育てを通じて人は大人になる、という言葉を聞くけど、エンマは子供が生まれても「母」になったという感じがしない。自身の母が早くに亡くなったというのも影響しているのかもしれないけど…。
    夫のシャルルは真面目で妻にやさしく仕事もきっちりとする、ちゃんとした人で、見る人によっては「いったい何が不満なの?」と言いたくなるような生活環境。でも何があれば満足するのかは人それぞれだから仕方がない。
    きっと、ロドルフが駆け落ちを実行してくれたとしても、レオンが借金を返済するためのお金を貸してくれたとしても、ひいてはシャルルと結婚していなかったとしても、エンマは幸せに暮らすことはできなかっただろうと思う。ロドルフのこともレオンのことも、その人を好きというよりは「恋」に恋してるように見えた。
    ミア・ワシコウスカ主演の映画版も観た。端折られているので映画だけでは理解しにくい部分もあるが、ロドルフの「君はリンゴの木の下でオレンジの香りを求めている」とか、ルルーの「<退屈>が唯一の返済手段だった」とか、印象に残るセリフが多かった。

  • 不倫をして浪費して返済できなくなって毒をのみ自殺したボヴァリー夫人の話し

  • 1990 読了

  • エンマ、夢想しすぎ。自分のことしか見えてない。こんなはずじゃなかった、から次々と新しい何か 恋? にハマっていき、ルルーにモノを買わされる、ダンナと子供をないがしろにする。うーむ、こんなひと、どこかにいそう。

    あ、て、ことは、私が注目したボヴァリー夫人はエンマだったのか。←これは、このあと、蓮實さんの本をよむにあたっての追記

    解説の、話法の話はなるほど、です。

  • 2015年9月の課題本でした。

    開催レポート
    http://www.nekomachi-club.com/report/25874

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ボヴァリー夫人 (新潮文庫)の作品紹介

娘時代に恋愛小説を読み耽った美しいエンマは、田舎医者シャルルとの退屈な新婚生活に倦んでいた。やがてエンマは夫の目を盗んで、色男のロドルフや公証人書記レオンとの情事にのめりこみ莫大な借金を残して服毒自殺を遂げる。一地方のありふれた姦通事件を、芸術に昇華させたフランス近代小説の金字塔を、精妙な客観描写を駆使した原文の息づかいそのままに日本語に再現する。

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