風と共に去りぬ 第5巻 (新潮文庫)

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制作 : Margaret Mitchell  鴻巣 友季子 
  • 新潮社 (2015年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102091104

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風と共に去りぬ 第5巻 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 数えてみたら高校生で読んで以来、ほぼ30年ぶりの再読である。数回読んではいるし、映画も観ているし、と思いつつ新訳で読み始め、旧訳・映画から受けていた印象がどんどんずれていくことに驚いた。
    とはいえ、スカーレット像はそのままである。なぜか。スカーレットの心情は包み隠さず、あけっぴろげに語られるからである。誰かが何か示唆的なことを語り、読者も神妙な気持ちになったとたんに、スカーレットは心の中で”何の話をしているのか、さっぱりわからない”とばっさり切り捨てるものだから、私も、小賢しく頷いちゃっていた自分が恥ずかしくなったりもする。
    ということで、高校生にも主人公の(単純な)心情は余すところなく理解できたのだろう。
    スカーレットのお向かいにいるのが「影の主人公」メラニー。対して彼女が本当は何を思い、どう考えていたのかは最後までベールに包まれたままだ。ただし、その行動には嘘がないので、読者もメラニーの人間性を理解し愛する(スカーレットは全く理解してなかったけど)。
    旧訳ではいかにも古い小説を読んでいる”ありがたさ”もあり、それも面白かったのだが、新訳は文章のリズムで読者の心を一気にその場に引っ張り込む。旧訳ではあまり印象に残らなかったスカーレットの「ダサさ」(敢えて言おう!)が際立ったのも非常によかった。
    ところで、映画の印象に引っ張られて当時は気づかなかったが、これは「戦争小説」でもある。最初は絵空ごとのように思えていた戦争が、やがて間近に迫り、わが身のこととして降りかかり、一般の市民すら、戦場でもないのに人を殺めることにもなる。
    背後に多くの物語を含む小説。訳者解説によると作者は「映画化は無理」と言っていたそう。映画はあくまで小説の一部分しか切り取っていない、だからこその傑作となりえたのだろう。語られていない部分を誰かと語り合いたいくなる(しかも熱を込めて)のは、各々の人物造形がしっかりとしているから。わたしが誰かと語り合いたいのはメラニーを後継者とする「聖母」の母、エレンである。

  • ここまで悪い女が、ヒロインの物語って
    他のいるのだろうか?

    スカーレットとは、強かで、世の中を渡り歩くのに
    十分賢く、ピンチに陥った時にも少しも
    同情心を抱かせることのない、ヒロインに似つかわしくない
    女性。

    一方、義妹のメラリーは、とても純粋で誰に対しても
    公平な女性らしい優しさを持った女性。

    スカーレットもメラニーも、最後まで自分を貫き通し
    ぶれることのない性格がとても良い。

    壮大な物語は、突然の終わりを迎えるが
    どんなことが起きても、屈することのなかった
    スカーレットが、一番大事にすべきレットを失い
    もう何も失うことのない、スカーレットは
    これまで以上に強く生きていくのだろうと
    予感させられる最後だった。

  • 突然に、目の前の扉を閉められてしまったかのような感覚が、最後の一文にありました。
    スカーレット!あなたの物語を人生を、もっと追っていきたかったのに。

    読み始める前は、この重厚な物語を読み切れるだろうかと不安を抱えていましたが、杞憂でした。
    海外文学は感情に付いていけず、戸惑いを覚える部分もありますが、本書に関しては、それよりも多くの共感があり、惹き込まれました。
    この一作品を書き上げた作者の体力と文章力に感服です。

  • 最後のシーン。本当に風が吹き抜けた。その風に後押しされるように、スカーレットはいつものように前に進んでいく。

     まさに、「明日は明日の風が吹く。」

     こんなに中途半端な終わりでも、きれいさっぱりしている作品はなかなかない。スカーレットなら、こんな終わり方でもいっか。そんな気にさせてくれる。


     あと、本当の主人公が誰か、全巻よんできっとわかる。


     この作品を計算してつくったと作者はいう。(p526)
     10年もの歳月をかけて織り上げた作品だという。納得がいく。
     どうしてこんな嫌味な女の物語を延々と読まされているのに、見入ってしまうのだろう。飽きが来ない、どころか先を求めてしまう。悪どい女のすさんだ心のやり口を見せつけられているのに。でも、その女が何をやってもうまくいかない、いや実際は最悪の状況をいつも切り抜けて成功にゴリ押しで辿り着いている。でも、決して満足できない幸せになれない。そんな滑稽さに胸がすくのだろうか。
     他人の不幸は蜜の味。
     しかし、何度打ちひしがれても立ち直る人間の姿は、さわやかで、むしろ小気味いい。読んでいて、やはりどこか勇気づけられてしまう。
     そういうところが名著なんだろう。

  • こんなにも心を動かされる物語に今まで出会ったことがなかった。わがままで強情なスカーレット。「本当に子どもだなぁ」と思うけれど、その強い生き様から学ぶものが沢山あった。結末は意外だったけれど、こういう終わり方だからこそ感じるものが多かった。

    登場人物全員が生き生きとした表現で描かれていて、一人一人本当に魅力的だった。結末を早く知りたいと思い ってページをめくってきたけれど、いざ終わりを迎えてみると、この世界とのお別れに寂しさがこみ上げてきた。スカーレット、レット、メラニー…本当に大好き!

  • 圧巻の壮大なストーリー。全5巻に及ぶ長編ながら一度も飽きることなく次々と起こる展開に引き込まれて、読み終わってすごい話だったなと思う。読み終わった時点でまたもう一度読み直したくなったほど。結末を知ってまた違う読み方ができそう。
    学生時代に一度読んでいたものの、かなり忘れていた部分もあったし、大学生と40代では同じ作品を読んでも感じ方が違う気がする。
    アメリカ南北戦争前後の激動の時代背景とスカーレット・オハラの波乱万丈の人生。海外版の大河ドラマみたい。でもこれってまだスカーレットが28歳までの話だなんて驚き。
    スカーレットの強さと賢さに感嘆したり、反面の愚かさとじりじりしたり。またレット・バトラーとの擦れ違いにやきもきさせられ。そしてメラニーの優しさと聡明さと強さに最後はこの女性こそが影の立役者であったことに気づかされ。
    スカーレットの故郷タラに対する郷土愛も印象的。スカーレットの原点はタラの赤土。その強さの原点。最後に何もかも失ったスカーレットはタラに戻るところで物語は終わるけど、きっとスカーレットはをここでまた力を取り戻してこのままでは終わらない気がする。「今考えるのはよそう。明日考えよう。」スカーレットの印象的なフレーズ。彼女はそうして明日を切り開いていったのだから。
    激動の時代の流れに翻弄されながら強く生きたスカーレットの物語。間違えなく名作だ。現代ものばかり読んでいたこの頃だったけど、時代物の読み応えはたまらない。世界史の教科書ではわからないその時代のアメリカ南部の空気に触れられた気がした。本当に面白かった。

  • とうとう最終巻。

    えー、ここで終わり!?と思ったが、その先は確かに不要かも。読者の想像に任されたということで。

    スカーレットが、自分は間違っているのかも…とだんだん気づいていく。レットとの新婚生活は満ち足りていて、お金の心配もなく、好きなものに好きなだけお金を使えるのが何より幸せ。
    でも、アシュリとの抱擁を見られたり、スカーレットが階段から落ちて…という事故があったりで、レットとの夫婦仲はおかしな方へ向いてしまう。極めつけに、ジェラルドを思い起こさせる娘の落馬事故。そしてメラニーの死。

    ここまで来て、スカーレットはようやく「自分にはもう頼れる人が誰もいなくなってしまった。でもそうさせたのは紛れもなく自分自身だ」ということに気づく。レットへの愛も改めて認識するが、時すでに遅し。最後のレットとの会話は、お互いに「ああしてほしかったのに」「あのときあんな態度でなければ」とワガママを言い合っているようにもとれるが、やっぱりスカーレットが悪いかなと思う。お金と自分のことが一番、好きなことを好きなだけやりたいようにやってきた結果、周囲の人はもう誰もいなくなってしまった。

    …自分はスカーレットが好きやし、たくましくて良くも悪くもまっすぐなところは尊敬に値すると思う。けど、最後にこういう展開になり、戒めのような感じでレットにも愛想つかされて…その後はどう生きていくのか。メラニーに言われたとおり、ボーとアシュリを守って生きていくのか。

    有名な最後の一文、そしてタイトルが意味するもの、わかったようなそうでないような…

    映画見て、原作読んで、もう1回考えてみようかな。

  • スカーレットもレットもアシュリもすれ違いながら生きていたとわかる、壮大なラストで、長編なのに一気読みだった。
    メラニーはすごい人!

    映画も見てみたくなった。

  • 今年中に、全5巻を読み終えようと予定していたが予想以上の疾走感に引っ張られ読了。
    スカーレットの生き方は、尊敬すべき所も多々あり、また、反面教師にすべき箇所もある。
    ただ、自分の大事なものはもう少し早く気づくべきだったんだろうなぁと思う。彼女をお手本に強い女性ではなく、強い人間として生きていきたいと感じた。

  • レットとスカーレットの結婚生活での二人の気持ちの変化が絶妙に著されている。最後の名台詞も心にとめておきたい一文。

  • 主要4人の心の動き…とりわけ映画では今1つわからないままの最後のレットとスカーレットの、行ったり来たりの心の動きが丁寧に書き込まれていて、あれこれ納得する。もしや「風と共に去りぬ」はストーリーを楽しむ大河小説というよりも、”心理小説”なのかもね。。。

  • 南北戦争に翻弄されながら強く生きるものの、何もかも失った女性の物語。
    ありがちな「運命に翻弄されながらも地道に正直にコツコツ生きたヒロイン」とは訳が違う。戦争では敵兵を殺し、戦後混乱期には詐欺まがいの商法で金儲けし、奴隷さえ用いた。正直者はバカを見ると言わんばかりに、伝統や常識というものに唾を吐きかけて行く。
    戦争で既存の伝統・秩序がひっくり返る様の描写は見事というほかなく、是非読むべき長編小説である

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風と共に去りぬ 第5巻 (新潮文庫)の作品紹介

スカーレットの二番目の夫フランクは敗戦後の混乱のなか殺されてしまった。周囲の批難を意に介さず、スカーレットはついにレット・バトラーと結ばれる。愛娘ボニーも生まれ、レットはことのほか溺愛するが、夫婦の心は徐々に冷え、娘の事故死をきっかけに二人の関係は決定的に変わってしまう。メラニーは、アシュリはどうなるのか。物語は壮大なスケールにふさわしい結末を迎える!

風と共に去りぬ 第5巻 (新潮文庫)のKindle版

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